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没後55年 藤田嗣治展(笠間日動美術館)

少なからずの企画展で「笠間日動美術館所蔵」とある作品をよく見ていたので一度行ってみたいものだと前から思っていた。

6年越しに訪問が実現したのだな。

にしてもしかしまあすごいところにあるもんだ。近くにあるなんとか神社がお祭りかなんかで(なんかばっかり…でも興味ないんだもん)最寄りバス停行きのミニバスは激混みだった。こりゃ帰りは駅まで歩くかな。

菊まつりだったのね


行くきっかけになったのはフジタ展。

美術館内に川が流れる~

数は少ないがいくつか初めて見る逸品もあり来た甲斐があった。残念ながら撮影不可。

《猫と横たわる女》 1950年 個人蔵
ベッドに横たわる裸の美女。いっしょにいる猫はいつもの表情。背景の窓に掛かるレースのカーテン。あの細かい網目はどうやって描いたんだ?? スクリーントーン?かと思うほど綿密で正確。線の画家といってもここまでせんでも…線だけに…。
浮世絵なんかでもあのような細かい薄絹や髪の毛(春画だとあそこのおけけw)が腕の見せ所だったようで、フジタもその流れを組んでいたのかな。

《夢》 1956年 個人蔵
全体的に明るく華やかな画面。額に透明な布(ガーゼ?にしては透明すぎるか)を顔に被せてお昼寝中かな。
窓には小鳥さんたち。雀と、緑色の鳥はなんだろう。空こそ飛んでいないが風に舞うニンフみたいに人間離れした美女。
フジタは後年改宗したり宗教画を描いたりしているのだけど、作品にあまり宗教臭さを個人的には感じない。あくまで日本画っぽく描いてるためだろうかあくまで個人の感想です。

フジタの静物画を見た時もあまりヴァニタスを感じないなと思ったものだ。日本の画家がああした果物や魚を描いたものは、例の高橋由一さんの「鮭」とかね。生の儚さじゃなくてただおいしそうとしかみえないでしょ?www

《一九〇〇年》1937年
それぞれ赤と白のドレスを着て立つレディを座席で見るシルクハットのおじさん。乗っているのは馬車ではなく蒸気機関車かなんかじゃないか。1900年その当時の最先端風景じゃなかったか。新世紀に湧くパリ?を想像して描いたのでは。
秋田で見た絵じゃないか。記事中では触れてなかったが。

その他さすがに見どころは多い。ゴッホ、ピカソ、エコール・ド・パリの面々…世界の名画をよくもこんなに集められたものだ。

橋を渡って別館に行く

彫刻もやたらとあって、舟越さんがたくさん見れたのは嬉しい。

舟越保武《春の城》1971年

なんとここの創始者御夫婦の彫像まで舟越さんが制作してるのかゴイス〜(撮影不可)。

佐藤忠良さんもやはりあるのね。

川の他にも広い庭(丘?)や数棟展示館がある広い美術館なのだ。中にデッサン室ってのがあった。なんだ? 中でデッサンしていいよという意味? 少なくとも飾られてるのはデッサンでなく完成品だな。スーラの素描があった!のは貴重。

更にはパレットルーム、ってなんだよ??と思ったら画家の皆さんから実際に使ってたパレットをもらって集めたらしい。サービスでちょこっと絵を描いてくれた人も少なからず。そんなサービスはないがピカソとダリのパレットもあった。

果てしなく遠いがまた定期的に来てみたいところだ。

帰りの電車から空からたれてきそうな雲が見えた


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