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仏像について

こんにちは!今月のバーチャル坐禅会では仏像についてお話しさせていただきました。

無仏像時代


実は仏教を開いたお釈迦さまが亡くなってから、500年の間仏像の制作は行われておりませんでした。この期間を無仏像時代といいます。

お釈迦さまの言葉で「自灯明・法灯明」という言葉があります。お釈迦さまが亡くなる直前の言葉で、お釈迦さまの遺言でもあります。

今にもお釈迦さまが亡くなろうとしている時に、一人の弟子がお釈迦さまに尋ねました。
「あなたがいなくなってしまったら、私は一体なにを拠り所にして生きていけばよいのですか。」

するとお釈迦さまは
「自灯明・法灯明」と答えました。
自灯明とは「自分自身の明かり」を頼りにする、つまり自分自身を拠り所にするという意味です。
また、法灯明とは「法の明かり」、お釈迦さまの残した教えを拠り所にするという意味になります。

自分と教えを拠り所にすること、
お釈迦さまは決して亡くなったお釈迦さまの存在というものを拠り所にしろといいませんでした。

お釈迦さまの存在を拠り所にしないので仏像を作る必要はないので、仏像の制作が行われませんでした。

また、「お釈迦さまの像を作るなんて畏れ多いからできない。」
「私たち人間が信仰を左右してはいけない。」などの理由もありました。

ガンダーラ仏

「えっ、お寺とか行くと、仏像あって、お坊さんも拝んでるじゃん」って思いますよね。

仏像の無い、無仏像時代も終わりがあります。
実は仏像をつくることが始まったのは、西洋の影響を受けたからです。

世界で初めて仏像がつくられたのはガンダーラ(パキスタン)だったと言われています。
ガンダーラの仏像なので、ガンダーラ仏と呼ばれています。


こちらの仏像をみていただくと、ギリシャやローマの彫刻に似ていたり、なんとなく顔つきが西洋人のような顔つきをしているなぁって思ったりすると思います。

それまでは仏像を作ることが無かったが、ギリシャ・ローマのヘレニズム文化の影響をうけて仏像の制作が始まりました。
そして、仏教が広がっていくにつれて、仏像にも様々なものが付け加えられ今の仏像になりました。

仏像の種類

いろいろな仏像がありますが、仏像は大きく分けて4つに分けられます。

如来

仏像の中でのトップが如来です。

仏教の一番も目的は悟りを開くことですが、この如来は完全に悟りを開いたものの姿です。

スライドの写真は祥雲寺(私のお寺)の釈迦如来像です。
薄い衣をまとっただけのシンプルな姿をしています。

菩薩

仏像界のナンバー2は菩薩です。

菩薩は悟りを目指す、修行中の姿です。

菩薩の誓願は「自未得度先度他」です。
「自分が救われる先に、他の人すべてを救いたい」という意味です。
菩薩は私たちを救済してくれる存在です。

観音さまや、お地蔵さんって有名ですが、
観音さまもお地蔵さんも菩薩です。
観世音菩薩、地蔵菩薩が正式な呼び方です。

スライドの金色の仏像は祥雲寺の夢違観世音菩薩像です。
悪い夢を、いい夢に変えてくれる観音さまです。(メタバースにぴったりって思っています)

写真をみていただくとわかると思いますが、冠や、ネックレスなどのアクセサリーを付けているのが特徴です。

明王

次は明王です。不動明王や、愛染明王が有名です。

眼を吊り上げた怒った表情をしているのが特徴です。
力強い仏さまで、人々の迷いを断っていきます。

剣を持っていたり、炎の光背を背負っていたりします。

祥雲寺には明王の像がないので、フリー素材になってしまいました。

天です。韋駄天や毘沙門天などが有名です。

もともとはバラモン教やヒンドゥー教などの古代インドの宗教の神さまで、お釈迦さまの誕生前からあがめられていました。後に仏教に取り入れられ、仏法を護る役割を担いました。

さまざまな姿をしています。

スライドの写真は祥雲寺の韋駄天像です。
この写真をみていただくと動きがあるように感じると思います。

韋駄天さんは足の速い神さまです。「韋駄天走り」もこの韋駄天さんからきています。
曹洞宗の寺院では台所にまつられていることが多いです。
火を扱う厨房で、火災が起きた時に自慢の足で早く火を消して欲しいという火防の意味があります。

ご参加いただきありがとうございました!

現実世界でも、メタバースでもお寺などにいって仏像をみることがあると思います。

手を合わせてお参りすることも大事ですが、
ぜひ「どんな仏像なのかぁ?」とゆっくりと仏像を見てみるのもいいと思います。


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