ある人との他愛無い雑談『強者ぬっころゲーム』

■架空のゲーム

 先日、ある人との雑談の中で「もしもこんなゲームがあったら」話になった。端折りながらも、まとめるとこういう感じ。

<架空のゲームの説明①> このゲームは、プレイヤーが『弱者』たちのために『強者』たちを攻撃するゲームだよ。

 恥ずかしいほどシンプルなゲームだな。でも弱者のために戦うなんて素晴らしいじゃないか。気分がよくなりそうだぜ。

<架空のゲームの説明②> 『強者』のヒットポイントはMAX10、『弱者』のヒットポイントはMAX5。ヒットポイント残6以上の『強者』は『弱者』を攻撃することがあるよ。

 強者まじ許せねえ。よしわかったおれにまかせておけ。

<架空のゲームの説明③> 『強者』のヒットポイントを0にすれば強者は死ぬよ。でも、『強者』はヒットポイント6以上あると1分につきヒットポイント1を自己回復できるんだ。だって強者だからね!また、ヒットポイント6以上ある『強者』は近くにいる別の強者に回復の呪文をかけることがあるよ!

 まじ強者だな『強者』の野郎…

<架空のゲームの説明④> さあ!きみも『弱者』のために『強者』をぬっころそう! 

 そこでこの架空ゲーム『強者ぬっころゲーム』のプレイヤー将鼓は『弱者』のために『強者』を攻撃しまくった。

 積み上がってゆく『強者』の死体!攻撃をくらって身体ボロボロになった残りの『強者』たちのうめき声!すべては『弱者』たちのために!ヒャッハー!

■プレイヤーのおまえは一体なんやねん

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わい「ほんまプレイヤーのわいはいったいなんやねん感ハンパないよなあ」

A氏「『強者』のヒットポイントが5になったら、将鼓さん、ピタって攻撃するのやめる?攻撃やめないでしょ」

わい「6以上の『強者』が何人もいるうちはやめんよー」

A氏「最初に『強者』の頭数減らしに行くよね」

わい「『強者』はぬっころ!」

A氏「うぇい!ぬっころ!」

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 …というあほげな話をしてたわけです。これはあくまでこれは架空の話で、現実社会の強者と弱者なんてものはこんなに単純ではないのは当然わかっております。

 ですが、この『強者ぬっころゲーム』のプレイヤーのごとき単純さでもって「弱者のため」を理由にして自分が強者側と見なしたものを潰しにかかる人々…

( ˘•∀•˘ )少なくないと思うのですよ

 「弱者に優しい社会に変えるには強者相手にガンガンやっていいんだ。そうしなきゃ変わらないんだ」という考えを全否定するつもりはありません。

 だけどガンガンやっても許されると思ってるあなたは一体なんなのです?

■「弱者のために」

 先のゲームの話でいえば、ヒットポイント6未満になってしまうともはや弱者を攻撃できなくなる『強者』に対しても、強者全体の力を削ぐために攻撃し続けて死体の山を作った私。6以下でどうにか生き残った『強者』たちから見て私は何様なんでしょか?

「みなのもの。たしかに私は力をふるった。それは弱者が生きやすい社会を作るために仕方がなかったのだ。『強者』のおまえらの力を削った今、私はもう力をふるわないから安心してくれたまえ」

 そう私が言ったところで、私が自分の言うとおりにする保障はどこにもない。そのうち、私への恐怖と憎悪を抱えた『強者』の生き残りたちが私への抵抗を見せ始めるかもしれない。

わい「弱者のために戦う私に刃向うなんて!とにかく『強者』は殲滅だー!ヒャッハー!」

 そうして「弱者のために」を掲げて、弱者となった『強者』たちの死体の山をさらに積み上げてゆく私。『弱者』からは感謝と拍手。なんてすばらしいんだ弱者のためのこのゲーム…

( ˘•∀•˘ )そこの弱者の味方気取るあなた。あなたも『強者ぬっころゲーム』に酔いしれてませんかね?

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A氏「このゲームで将鼓さんをぬっころす役やりたい」

わい「それ一番おいしいやん」

A氏・わい「強者はぬっころ!」

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