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ダボスにて@世界経済フォーラム 2023 (1)

昨年5月に続き(前回報告)、2023年1月16日〜20日開催の世界経済フォーラム(ダボス会議)に参加している。スイスの山間部、ダボスの町に世界から忙しなく人々が集まっている。

メジャーなカンファレンスはオンラインでもLIVE配信されているので、興味があれば、世界経済フォーラムのサイトからぜひアクセスしてみてほしい。自分はカンファレンスを聴講しつつ、会って話をしたいと思っていた方々や、会場で声を掛けていただく方との個人的な対話を大事にしよう。

まずは1日目、話をした方々の記録メモ。

◉Nicolas Mariscal Torroella氏 (メキシコ)

実業家・Marhnos Group 会長

宗教と社会の接点
(・奥様が神学者)
・メキシコにおける先祖を想う日「死者の日」
 10月31日〜11月2日
 キリスト教のみならず、マヤ・アステカ文明から続く祖先崇拝の影響が色濃く残る。

*メキシコの死生観
「メキシコ人は、死としばしば出合い、死を茶化し、かわいがり、死と一緒に眠り、そして祀る。」

【参考】『孤独の迷宮』オクタビオ・パス


◉Gopal D. Patel氏 (ニューヨーク・USA)

環境活動家
Bhumi Global(ヒンドゥー教・環境保護団体)共同設立者・ディレクター

Instagram:https://www.instagram.com/gopal/

未来に向けた宗教者と信仰の繋がりを
ヒンドゥー教の教えに基づく環境団体を設立し活動する。環境保護をめぐる異なる宗教者間のつながりや、“Future Faith(未来への信仰)”という名のグループづくりを検討中。

◉Tian Wei氏 (中国)

国際放送 キャスター・ジャーナリスト

Twitter:https://twitter.com/tianwei

昨年のダボス会議で私から皆さんに投げかけた「よき祖先」の問い "How can we become better ancestors?" に対する彼女なりの答えをシェアしてくれた。

becoming ancestors to myself
(私が私の祖先になる)
人はそれぞれ、様々な顔と辿ってきた歴史がある。時に取り巻く環境や世界の動きに振り回されるが、変化を生き、経験を重ねるごとに、自ら変容・成長していく。そうして私が、私自身のよき祖先になっていく。

◉Tariq Olaimy氏 (バーレーン)

3BL Associates(シンクタンク・コンサル)共同設立者・ディレクター
Inayatiyya(イスラム教神秘主義・スーフィズムコミュニティ)

Twitter:https://twitter.com/tariqal

越境する宗教
宗教の枠がほどけるなか(Spiritual but not Religious)スピリチュアリティに開かれるとともに、宗教同士がコラボレーションする時代を迎えている。民族的にユダヤ教でありながら仏教に親しむ人々を「Jewish Buddhist(JewBu)」と呼ぶように、スーフィズムに親しむ仏教徒「Buddhist Sufi」もあるだろう。

◉Dr. Azza Karam氏 (ニューヨーク・USA)

Religions for Peace 事務総長

宗教間協力
グローバルな課題に対し、異なる宗教が協力し包括的に取り組むことを提案。Religions for Peaceでは、「Multi-Religious Humanitarian Fund(多宗教人道基金)」を設立し支援活動を行う。

No more Politics
宗教団体は、ともすると政治の影響を受け政治力に巻き込まれやすい。Independentな宗教者(独立して活動する宗教者)への関心と敬意。

◉その他

最近では「SDGs(Sustainable Development Goals)」に並び、人間の内的開発を目指す「IDGs= Inner Development Goals(内的開発目標)」という言葉も生まれているという。


明日以降も、会場全体の動きを見つつ個人と出会うご縁を大事にしよう。

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このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじ…

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