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アセファル(無頭人)

本当かどうか、かつて、良い説教使になる三つの秘訣、みたいな話があったとか。

一声 二節 三男(いちこえ、にふし、さんおとこ)

ネットで調べてみたら、確かにそんなような記事も散見され、まんざらフェイクニュースでもなさそう。説教使が「男」であることを前提としているあたり、まぁ時代を感じるけど、この言葉を教えてくれたお坊さんが言っていたのは、「面白いのが、説教使の話をしているのに、3つのうちどこにも”中身”の話がないんですよ」ということ。確かに。法話というのは実は中身ではない、という話は、以前テンプルモーニングラジオの出てくださった、僕の法話の先生である福間義朝さんも仰っていた。「法話の聴衆は、話の意味ではなくて、話し手その人自身の存在を聞いている」と。

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このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじ…

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