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方丈庵は、Post-religionを中心に置いた、僕自身の自己変容のためのお寺

ここ数日間、宗教ムラでホットな話題といえばこれだ。

諸手を挙げて喜ぶ困窮寺院もあれば、寺院の布施収入を事業「売上」とみなして将来課税するための布石ではないかと訝しむ寺院もある。

論点は山ほどある。山ほどあるが、最近、そういう話題にあまり興味が湧かなくなってきた自分もいる。法律の枠内で「宗教」の権益をなるべく大きく確保することは宗教界あるいは宗教ムラとしては大切なことかもしれないが、既存のムラの文脈で語られる「宗教」には、未来の社会を作る人々に貢献できる余地がほとんどないように感じる。そんな文字通り「不毛」な領域にエネルギーを注ぐ気持ちになれない。それは、上げ潮に乗って自分が美味しい思いをしたいのとも違う。コロナがはっきりさせてくれた僕らの生きる”Nowhere(どこにも逃げ場のない)”時代には、世界中のどこにも「対岸の火事」は存在しないし、誰も抜け駆けして勝者になることなどできない。ハラリ氏に言わせれば「そんなどうでもいいことにエネルギーを注ぐなんていう”贅沢”をする余裕」が僕らにはないということだ。世の中には、本当に大切なことから僕らの注意を逸らす罠が溢れている。くれぐれもご用心。

ここ最近、自分そして自分の関わってきたプロジェクトの方向性について、あれこれ書いてきた。前回のコラムでひと段落した感じがしたので3部作完結と言ったが、やっぱりもう少し考え続けてみたい。完結していなかったのか、番外編なのか、ダイジェストなのかわからないが、同じ流れでさらに書き進めてみる。

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