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松本紹圭の方丈庵

このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじり仲間と対話と巡礼の旅に出ませんか? … もっと読む
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#マインドフルネス

Mindfulness for shameful evils

マインドフルネスが世界に広まって久しい。先行して広まったヨガが個人のエクササイズやウェルネスとして広まったのに対し、マインドフルネスは「生産性」や「集中力」といったキーワードとともにビジネスの文脈でより広く受容されてきた。しかし、マインドフルネス実践者が増えるにつれて、その副作用も認識されるようになってきた。 (オリジナルの英語記事) (同内容の日本語記事) このところマインドフルネスの負の側面に関する論文を読み込んでいたのだが、さまざまな調査研究が示すところによると、

マインドフルネスと資本主義をめぐる考察(後編)

マインドフルネスの倫理と資本主義の精神 ─ いま改めて考えたい、その思想と実践のかたち ▼ 前編はこちら ---

マインドフルネスと資本主義をめぐる考察(前編)

友人の宇野常寛さんが編集長を務める『PLANETS』へ寄稿した考察を、皆さんにもシェアしたいと思います。 ---

「近代」のお葬式

ブルーノ・ラトゥール『地球に降り立つ(新気候体制を生き抜くための政治)』を読んだ。 今、世界で起こっている変化を鮮やかに捉えた良書だ。本書がフランス語で出版されたのは2017年、英語版が2018年、そして日本語訳が2019年末に出版されたので、内容はコロナ前のものだが、ここでなされている議論は全く色褪せないどころか、コロナによって加速した社会の変化を捉える上で、ますます重要性が増していると思う。 帯にもあるように、人間と自然、グローバルとローカル、右派と左派、といった拗れ

ジェフリー・マーティン「FINDERS」を巡って

トランステック研究会 in 鎌倉 w/ジェフリー・マーティントランステック研究会に参加してきました。 鎌倉駅からバスで15分。バスに乗った時点で、この人たち、同じ研究会の参加者だなとわかったので(FBで参加者の写真とかも見てたし)、声をかけて、一緒についていきました。鎌倉山の一軒家が、その会場でした。 メインは、トランステック(Transformative Technology)を北米から盛り上げているジェフリー・マーティンの来日に合わせて、彼を囲んでの議論でした。ちょう

デジタル・ウェルビーイングの先にある仏教の不思議な未来

デジタル・ウェルビーイング〜「わたしたち」のウェルビーイング今回は、宗教を取り巻く注目すべき外部環境変化を押さえた上で、これからの宗教を考える上で大切な示唆を、私なりに読み解いてみます。 私はこれからの宗教の外部環境を考えるとき、3つの重要な変化があると思っています。 ・AIやバイオテクノロジーの進展とデジタル・ウェルビーイングの隆盛 ・サーキュラー・エコノミーやSDGsが象徴する地球規模の課題への取り組み ・Post-religious感覚の広がりを含む宗教観の変化