南森なも

本|映画|美術館|おいしいもの ちょっとポエミーな日常の記録。

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最近の記事

短歌妄想|たくさんのおんなのひとがいるなかで

三十一文字の詩から思い浮かべた情景についての雑記。 出逢いについて詠っているのになぜか、雑踏に紛れて見つけられなくなるふたりの最後を想像してしまう。 愛するひとの背中を見送りながら、思い出へと語りかけるような静けさが、この歌にはある。 ストレートに澄んでいる。 平仮名だけで構成されることで、子どものような純粋さを思わせるんだろう。 ガタンガタン。 時おり通り過ぎる電車の音。 わたしたちはさっきまで駅の近くの喫茶店で話をしていて、最後にいつものように歩こうかと彼が提

    • 英語での道案内に失敗した話〜あたふたした英語だけでも持ち帰ってマスターしていけば、刹那的国際ガールくらいにはなれるんじゃないか〜

      (あいきゃんとすぴーくいんぐりっしゅ……あいきゃんとすぴーくいんぐりっしゅ……) 家を一歩出ると無意識に心のなかで復唱してしまう呪文。 本日、マンションのエントランスの前でたむろしているのは、西洋系の、なんか柔らかく聞こえる言語……Vっぽい音が多いからたぶん……フランス人……!!!(?) と大して良い耳を持たないわたしの当てずっぽうの国当てゲームが毎朝行われるのはここ、言わずと知れた国際都市、京都である。 韓国や中国のツアー客に紛れながら駅へ向かい、コンビニではヒジャ

      • 読書ログ|今まで夢を追いかけてくれてありがとう、なんて言われたら泣いてしまうような人たちへ|火花:又吉直樹

        幼い頃からたくさんのなりたいものがあった。 漫画家、声優、役者……。 口にすれば、すべて「夢」と呼ぶに相応しい、キラキラした現実味のない音が反響することは、子どもながらに気がついていた。 だってみんなが憧れていた。みんなが憧れているものは、競争率がすごく高い。そしてクラスという狭い狭い世界でさえ、わたしはなにも一番にはなれなかったのだ。 たった十数人しかいない田舎の小学校で「クラスで絵が上手な人ランキング」万年二位の立場からみる夢は、あまりにふわふわしていて、布団の中

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