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テレビっ子がテレビを見なくなった理由

自分もテレビ…いや、いわゆる民放のテレビ番組を見なくなった気がする。実家にいるので家族で食事の際は地上波の番組を見ることがほとんどだが(好き好んでというより、その場で流れているので一緒に視聴するような感じ)1人で部屋で作業をしたり夜を過ごす際はほぼ、見ていない…というのも、Youtubeも含めて今は魅力的なコンテンツがどこもかしこも溢れていて、正直12チャンネルの極めて限られた選択肢に魅力を感じていない、というのもあるのだろうし、現代のテレビの中の文化に魅力をあまり感じなくなったというのも正直あるのだと思う。

それでこそ下記の記事における、やひろさん(いつも拝読させて頂いております♪87年世代ということもあり、非常に興味深い記事が多数ありますので皆様もぜひ!!!!)の「現代の番組」に対する印象と似たようなそれを自分も常日頃から感じているし、一時期はYoutubeといった新興メディアとそれに関わるクリエイターに対する、明らかな敵意や上から目線も感じられたので、そういう「お前らとは違うぞ」的な態度にも嫌気がさしていた部分もあったのだと思う。あとは、前職の帰りが遅くなり、リビングで食事をしていると「見たくもないのに見せられるテレビやニュース」に嫌気がさしていた時期も大きかったのだろうなぁ…。

ただ、子供の頃はゲームと共に夢中になる位のテレビっ子だったんだよね…。はて、どうしてこんなことになってしまったのか…(笑)

やひろさんのようにテレビが子供のころから好きでなかった、という方は同世代(1987年世代)としては珍しい…のかもしれない。いや、ひょっとしたらクラスメートの1人や2人はいたのかもしれないけど…基本的に自分たちの世代はテレビとマンガとゲームがエンタメの3本柱…いわば、「3種の神器」という印象で、ある意味そこから企画され放たれるブームに非常に左右される世代だったのだと思うし、その意味では物欲すらも大いに左右される世代だったのだと思う。クラスメートでも、一部コミックボンボンを愛読している同級生もいたりはしたけど、やはりテレビとマンガとゲームという軸は強く、テレビをほとんど見ない…という人は珍しかったんじゃないのかなと思う。

自分も基本的に天邪鬼ではあるのだが、コロコロコミックのブームには大いに熱狂し絶えず流れに乗っていたので、自宅には今もミニ四駆やポケモンカードといった当時人気だった玩具がいくつも残っているし、当時は近所のおもちゃ屋に並んでゲットしていたのも憶えている。やらないと友達ができないとか、そういう消極的な参加では決してなかったうえに、むしろ「お前もやってるのか、アツいな!」って共鳴するような感じに近かったので、間違いなく自分の子供時代の思い出として色濃く残っているんだよね…。唯一天邪鬼だったといえば、家系的に任天堂よりもセガやプレステ界隈のゲームを好んだ点かもしれないけど…。

少し脱線してしまったので話を戻すと、そうした3種のメディア世代の自分なので…ゲームをやりすぎたら怒られるので時間をつぶすのにテレビ、というような感じもあり当時の番組は結構見ていたと思う。しかも、当時はウッチャンナンチャンの全盛期だったので、彼らの番組を見る頻度は非常に高かった。「イライラ棒」なんて今じゃ知ってる人も少ないのかもしれないけど、当時はメチャクチャブームで「俺も一度参加したい」と思うほど…なんかこう、熱狂してたよね。

あるいは「勝俣病」という単語でなんの番組か分かる方なら、恐らく自分と同じくらい見ていただろうなと思う…そう、ウリナリのドーバー海峡横断企画の話です(笑)今思えば演出の1つにすぎないのだろうけど、本当に勝っちゃんが「逃げ出すキャラ」思ってしまっていた自分もいたから…そういう意味でのテレビの洗脳って、恐ろしいとも思うよね…(笑)

メジャーなバラエティのみならず、当時は日曜の朝だけでもコロコロ系のマンガのアニメ番組だったり、プラモメーカーのタミヤの番組枠がテレ東にあって、その番組は欠かさず見ていたのも憶えている。アニメは当時のほうがたくさん見ていて、ポケモンも「ポリゴンショック」で見られなくなった時までは毎週のように見ていたし、平日7時半からもテレ東とテレビ埼玉でアニメの放映があったので、ほぼ毎日のように見ていたのを覚えてる。唯一、ドラえもんはあまり見なかったんだよね…あれ見るとサザエさんとは比較にならない位、色々な現実を思い出して憂鬱になるっていうか、まぁ深くは触れないけど…そのあとのクレヨンしんちゃんはバイブルみたいなもんだったんだけど(笑)

ドラマは正直そこまで見ていなかったけど、土曜9時の日テレ枠はユース向けだったり実験的な企画も多かったので毎週楽しみにしていたのも憶えている。確か、榎本加奈子主演のドラマは完全にマトリックスのオマージュだったんだけど、毎週見てたんだよなぁ…。あと、松本人志と中居正広のダブル主演の「伝説の教師」も見てたし、途中からだったけど香取慎吾主演の「蘇える金狼」は子供ながらに演出のカッコよさに惹かれたのも憶えてる。サイコメトラーEIJIも特番で見て面白かったんだよなぁ…。

要するに…それだけテレビもゲームやマンガと同じくらい触れてきた世代なので、現在でこそ敬遠するようになってしまった印象もあるが…基本的には今もやっぱりテレビっ子なのかなと感じることが非常に多い。なんだかんだ、本を読むより映像を見るほうが正直今も楽しいし、それが高校になると「映画」という形に変わって2時間の中で世界中の映像に触れる形になるのだけれど、本質的にテレビっ子として育ってきた故の結果だとも思うので…。

ところで、その当時のテレビと今のテレビ、どっちのほうが面白いのか…と言われたら、それは確かに当時のほうが面白いという感想を抱きやすいのは否めないと思う。子供の頃や若いころの体験と、大人になり物事を知った上での体験はどう考えても、前者のほうが圧倒的に印象的になるものだと思うので、逆に言うなら「純粋な質の面での比較」は難しいと思う。

ただ、倫理面で言うなら…恐らく今のテレビのほうが厳しい環境で知恵を絞りアイデアを実現している意味では、自分が黄金期のように感じていた90年代のそれよりも改善しているのだと思うし、その意味で「つまらない」という意見が出てしまうのなら、それはナンセンスでもあると思う。

近年は芸能人やテレビ関係者がYoutubeという媒体に参入を試みているけど、そうした「倫理面」に縛られないコンテンツを制作したいが故のことでもあるのかなと感じている。一番そうした流れで成功したのは「貴ちゃんねる」の石橋貴明で、彼はコンプライアンスの厳しいテレビの場よりも、視聴者が自己責任で視聴できるYoutubeという媒体のほうが相性が良かったのだと思うし、結果的にYoutubeが90年代のテレビの流れを取り戻すような印象にも見えるんだよね…。

あるいは、やひろさんもおっしゃられていることで、自分も強く感じてはいる「ステマ」「誘導的な構成」というのも否めないんだけど、これも不景気による予算の削減や、新興メディアの台頭による競合も大きいのかなと感じている。ただ、テレビに深く信頼を置いている視聴者層は別として…自分も含め、そうした企業広告としての番組に懐疑的な層も増えている故に、テレビ離れがますます加速している流れも見受けられて、まぁ…思うようなコンテンツの作れない中での悪循環といえばそうかなと思う。

そうはいっても、意外とそういう番組って「見ていて不快」になるようなものは極めて少ないから、その意味では「クスリにも毒にもならない」程度の話だったりするんだけどね…。逆に、明らかに炎上で注目を集めることを意識しているような番組のほうが、個人的には敬遠してしまう傾向が強い…今見たら、電波少年辺りも結構倫理的には酷い番組だったもんね…(笑)

少し話を戻して…自分が見てきた90年代のテレビもそうだろうけど、それ以前の番組の空気感を再現するようなYoutubeチャンネルも近年登場していて、その中でも特に個人的に洗練されていると感じているのが…「フィルムエストTV」。

タピ抜き騒動…一時期流行した「タピオカドリンク」のブームが去った後の様子を、面白おかしくフィクションながらニュースという形で伝えている動画で、これがもう…面白すぎる(笑)変声や強引な取材の再現も含め、恐らく自分たちよりも年下世代のクリエイターが、ここまで自分たちも見たことのない映像を再現してしまうのか…と、ホントに度肝抜かされたよね。

彼らの映像作品は、単にノスタルジーの空気を再現する…のではなく、当時のスキームを再現しながらも若者を中心として幅広い世代にも楽しめる、あるいは非常に魅力に感じるものになっている上に…ある意味、現代のテレビっ子が自分たちの知らないテレビの時代を再現して、もっと面白いものを作っちゃった感じもあって…ホントに才能と努力に脱帽してしまうし、ただただ敬服するばかりで…。若い才能が本当に羨ましいし、恐ろしいと思う…(笑)もちろん、彼らの才能やコンテンツが現代のテレビ市場に通じるのかどうかは別の話…ではあるけど、細々ながらも堅実にコンテンツを提供してくれる彼らを応援したいし推していきたい気持ちは非常に強い。

ということで、自分も30代の「3種のメディア」世代として…何か面白いものを提供できればと強く考えている。もうすぐ休養に入り1年になって、体調も完全ではないにしろ大きく改善してきているから…。

余談だけど、この前放映していたウッチャンナンチャンの特番で、あの2人が久々に漫才を披露していたのは感慨深いものがあったね…自分はナイナイとウッチャンナンチャンが子供時代のアイドルのようなもので、彼らの番組はかなりの頻度で見ていたから…なんか、2人が並んでるってだけでもグッとくるものがあったんだよなぁ…。


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