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登場人物の温度を感じる時

物語を書く時、どうやって書きますか?

私は最初、紙にストーリーをざっと書き出します。
その後で、登場人物の名前を決めて、この人達がどんな見た目をしていて、どんな性格をしていて、何が好きで何が嫌いかを書き出して、物語成立するにあたって、どんな過去があったのか、どんなセリフを言わせたいのかをどんどん不随してつけていく。
登場人物の人物像が決まったら、ストーリーを章に分けて書いて、どの章でどんな話を展開するのかストーリーと枚数の当たりを付けていく感じ。

翔英、めんどくさがりだけれど、ここはしっかりと固めたいタイプ。
ここがふわふわしたままだと、物語を書く時にかなり苦戦する事が分かっているから。

とはいえ、自分ではかなり固めたと思っていても、実際書き出すと、思うように動かなくて、最初の10ページぐらいはかなりつまづく。

この時、この子は何を思っているんだろう?
この描写はいるのか?
なんだか描写が少なくて、重みが出ないぞ?

等々。

生みの苦しみとは言いますが、物語を作る時も大変苦しみます。

でも、ある時ふっと、登場人物の息を感じる瞬間がある。
ああ、来た来た来た。
そう、お前はそう動くよね!と、私の頭の中の人物が実際に文章の中から飛び出してくる感じ。

多分、もっといい表現があるとは思うけれど、この時の翔英の感じる感覚は、「ぬるっとしている」だ。

多分、登場人物の温度なんだと思う。
これまでよそよそしかった顔見知り程度の知り合いが、急に半径1メートルの円の中に入ってきたような、リアルな生暖かさを感じる。

「ぬるっと」感じたら、勢いでガーっと文章を進める。
このぬるっと感が、次にいつくるか分からないからだ。

でも、このぬるっと感、温度を感じた登場人物が出ている間しか続かない。
なぜなら温度だから。物語の都合上、地の文や他の登場人物に視点が変わった時、急激に温度は引いていく。

そしてまた、次のぬるっと感が来るまで、私は頭を抱えるのだ。


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