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男2人×女1人の恋愛事情⑱ あなたもそれでいいの?!

私は慎吾と飲んだ次の日、涼太に電話をした。
 「もしもーし」
 と、いつもの緩い感じで会話が始まったが、最初に突っ込んできたのは涼太だった。
 「昨日の飲み会はどうやったー?」
 おっふ!確かに話そうと思っていたけれど、涼太から突っ込まれるとやっぱり動揺する。私は少しばかり心を落ち着かせて、正直に話を始めた。
 「あの・・・告白されまして・・」
 「・・・それで?なんて返事したの?」
 「涼太に話したように、正直に話したよ。婚約者との突然の音信不通の事とかあって、今恋愛する気がない事。涼太っていう存在が今いる事。だから、辞めておいた方がいいよって事」
 「そしたら向こうはなんて言ったの?」
 「なんか・・・それでもいいって」
 「・・・・なるほど」
 「「・・・・」」
 沈黙が怖い。今、涼太は何を考えているのか。
先に耐えられなくなったのは私。
 「涼太、あの、毎月涼太が来てくれて、私は嬉しいけれど、やっぱりすぐに恋愛が出来るほど私はまだ恋愛に前向きじゃなくて。本当にごめん。でも、次に会うまでまだ時間あるし、涼太が嫌だったらまだ飛行機のキャンセルは出来る期間だし、こんな女は辞めてもいいんだよ。」
 自分で言いながら、涼太がいなくなるのが寂しいと思っている私がいる。でも、引き留めてはいけない。これは全部、私が悪いんだから。
 「・・・分かった。しょうがないな!」
 あ、なんか泣きそうだ。もう今までみたいに遊んだりも出来ないよね。涼太はいなくなってしま・・・・

 「それでいいよ」

 それでいい?それはこんな女を辞める事をそれでいいと言っているのか、それとも、慎吾という存在がいてもいいと言っているのか。
 「俺が翔英には自由にしてもいいって言ったしね。今比較されたら距離的にも近くにいられないから、俺負けそうだし。それでいいよ」
 後者なの?
 「え?いいの?」
 「言っておくけど、良くはないからね!笑。でも、俺が今嫌だと言ったら、翔英は俺から離れるって事でしょう?」
 「まぁ・・・そうなるよね。やっぱり」
 「だから嫌だけど、それでいいよ!」
 「え?今まで通り?」
 「今まで通り!」
 涼太とお別れしなくていいのかとほっとした部分が大きかったけれど、このカオスな展開についていけない自分もいる。いいの?私。この展開はありなの?
 涼太が最後に「この浮気者―!笑」と言っていて、不謹慎ながら笑ってしまった。

 こうして、不思議な関係の土台が完成していきました。

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