しまのば

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しまのば

Twitter:島ノ葉尚 @Shou_Shimanoba 将棋を中心に雑多なことを書き殴ります あくまで適当なことを言っています。全部思いつきです。

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最近の記事

今週の小話#21

トイレ決戦  ある夜、自宅のトイレで用を足していたときのことである。視界に映る小さく黒い影。私は即座にそれを叩く。が、討ち漏らしていた。それに気づくや返す刀で半開きになっていたドアを閉める。さぁ密室、ここからが勝負だ。蚊よ、生きてここを出られると思うなよ。  私が用を足し終え本格的に戦闘モードに入ったことに蚊も気づいたのか、どこかに姿をくらましていた。狭い密室とはいえ、蚊が隠れられるスペースは多い。再び姿を見せた蚊に攻撃を仕掛けるも、再び空振り。すると蚊はタンクの裏へと

    • 最近見たアニメについて2024夏

      転生したらスライムだった件 第3期  今期の転スラはとにかく経済主義的だったという印象である。まぁ前からそうだったのだが、今期は特にそうだった。武力による支配ではなく経済的結びつきによる国家の安定を目指すという基本路線が明瞭に示されたような気がする。アインズ様は見習ってください。1クール目はルベリオスとの抗争というのがメインテーマだった以上わりとちゃんと戦闘していたが、これもどちらかといえば政治的な側面が強かったように思う。テンペストもルベリオスも会議ばっかしてたしね。七

      • 岐阜に行った話(後編)

        (前編はこちら)  一夜空けた私は、電車の音で目が覚めた。新幹線の始発だろうか。時計を見ると6時15分である。まぁ寝付きにくかったとはいえ布団に入ってからは8時間たってるし、十分だろう。ベッドから抜け出し昨晩買ったランチパックを食べ、大浴場というには狭い風呂に入る。これはこれで乙である。早めに岐阜に移動しようとも思ったが、せっかく羽島に居るので簡単に散歩して神社にいったりなどしてみた。7時頃にはすべての準備を終えて羽島を発ち、新羽島駅から名鉄岐阜駅に向かう。名鉄!久しぶりに

        • 岐阜に行った話(前編)

           先日所用があって米原を訪れた。滋賀の東の果てである。昼過ぎには用を終え、帰っても良い身分になった。……のだが。滋賀の東端、それは即ち岐阜がすぐそこにあるということである。暇な人は「from:Shou_Shimanoba "岐阜"」でTwitterを検索してみてほしい。私が年に一度くらいのペースで岐阜について言及しているのが分かるだろう。私は岐阜がそこそこ好きなのである。しかし京都から岐阜は決して近くはない。かつて友人が住んでいたころは毎年のように訪れていたが、コロナ禍以降は

        今週の小話#21

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        記事

          相掛かり模様から角対抗に行きたい!

           本稿は先週に投稿した二本の記事の続きである。簡単に内容をおさらいしてくと、初手26歩に対して34歩なら25歩と突いて角対抗を目指そうという魂胆で居飛車党への転向を目指したが、二手目84歩に対してどうすればいいのか分からず断念したという感じであった。この間には多くのことを考えていたので、本稿ではその一部を公開してみたい。今回の目標は、相掛かり模様から角対抗に持っていきたい!ということである。まずは初手から26歩84歩25歩85歩78金32金38銀72銀と進んで相掛かり模様にな

          相掛かり模様から角対抗に行きたい!

          居飛車党への転向を目指していた間に私の脳内で起こっていたこと

           前回の記事では、居飛車党への転向を目指して色々と勉強したり考察したりしていたここ一ヶ月半くらいの間に考えていたことを言語化していった。本稿はその続きなので、必ずそちらを読んでから本稿は読んでいただきたい。前回の記事を書いた後、「真理を求めようとする態度と横歩を取りたくないという態度は矛盾してないか?」というコメントがあった。これは言うまでもなく矛盾している。確かにこの辺りの論点が私の中でどのような意味があったのかについてはあまり論じきれていなかった。本稿では、私の脳内で起き

          居飛車党への転向を目指していた間に私の脳内で起こっていたこと

          居飛車党への転向を目指して考えていたこと

           先にネタバレしておくが私は居飛車党に転向しはしない。ただ、ここ一ヶ月半はそこそこ本気で居飛車党への転向を目指して色々と勉強したり考察したりしていた。結局居飛車党への転向は(一旦)断念することにしたので、この間に考えていたことを言語化しておこうという狙いである。一応断っておくが、本稿で私が使う"正しい"という言葉は、客観的な真理を示すものでは無く、それもしくはそれに近いと私が感じているという主観的な言葉である。  そもそも前提として、私は先手振り飛車という戦法を正しいと思っ

          居飛車党への転向を目指して考えていたこと

          神田事件に対する当時の言論状況

           今年2024年は日本将棋連盟の結成100周年である。非常にめでたいことであり、今後の棋界の発展を心から祈っている。その一方で、この100周年というのはどれくらい本当なのかとは思わなくもない。100年前の1924年は、東京を拠点に活動する関根派・土居派・大崎派の三派が合同し東京将棋連盟が結成された年である。その数年後に関西を拠点に活動していた木見派が合流することで日本将棋連盟と改称し、残る独立勢力は坂田派のみとなった。ここで坂田派が素直に連盟に合流することで決着したなら東京将

          神田事件に対する当時の言論状況

          ぼざろの考察

          きくりの同級生  おそらくアニメでは採用されていない設定であろうが、原作のぼっちちゃんは2017年高校入学、すなわち2001年生まれである。したがってぼっちちゃんの一個上の虹夏は2000年生まれ、虹夏の12個上の星歌は1988年生まれになる。廣井きくりはぼっちの9歳年上なので、誕生日の関係を考えても1992年か91年生まれである。星歌が留年しない限りきくりとは大学の在籍期間が被らないという記述から星歌より4歳以上年下なのは確定しているので、きくりが1991年の生まれという

          ぼざろの考察

          『きみの色』を観て

           本稿は映画『きみの色』の感想記事である。ネタバレへの配慮などは行わないので必要があれば自衛してほしい。本作の感想を述べていく前に、まずは私が本作を観るにあたってどのような問題意識を持っていたのかを述べておきたい。  本作はバンドを主題にした、京アニによるアニメ映画である。京アニ×バンド=けいおん!というのは全オタク必修の方程式であろう。しかし、バンドアニメという分野はこの金字塔以降不毛の大地と化していたと言って良いだろう。アイマスとラブライブの伸長以降、音楽を主題としたア

          『きみの色』を観て

          今週の小話#20

          蜂対峙  先日山に登った時のことである。完全な思い付きであったが、標高も低いしハイキングコースもちゃんと整備された山であることを知っていた私は、ふらっと立ち寄って登ってみることにした。思ったよりは少々険しかったものの普通に登頂し、景色を楽しむ。やはり気持ちが良いものだ。来た道を戻るのもつまらないので、上ったルートとは別のルートで下山ですることにした。山々の更に奥地へと進んでいく。次第に電波の入りも悪くなってきた。早く街に出ねえかなぁとか思い始めたその時である。  危険!

          今週の小話#20

          将棋の戦法としての高飛車について

           「高飛車」という言葉がある。この言葉は元は将棋用語で、そこから転じて一般語彙に定着したとされることが多い。しかし、この言葉が将棋用語として使われている事例を探すと、それが驚くほど少ないことに気づかされる。本稿は、将棋の戦法としての”高飛車”とは何なのかを探るものである。今日では、高飛車という言葉が将棋用語として普通に用いられることはまずない。だが、一部で信じられている定義として、飛車を2五(後手なら8五、以下同様のためこの注記は略す)に配置する戦法のことを高飛車、2六に配置

          将棋の戦法としての高飛車について

          今週の小話#19

          夏の始まり、秋の始まり。  先日Twitterを見ていると、「秋を見つけた」的な呟きがあった。秋?馬鹿言ってんじゃないよ。こんな夏真っ盛りで秋だぁ?寝言は寝て言ってください。  私は夏より冬が好きである。夏は嫌いとまではいかないが、まぁ好きではない。だってクソ暑いじゃん。私はとにかく散歩が好きで外を歩くことに命を懸けているので、それだけで死にそうになる季節は好きになれない。  だがまぁ、せっかくなら楽しまなければ損である。燈花会がある。ぼざろの映画がある。花火大会があ

          今週の小話#19

          『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』を観て

           本稿は表題の通り『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』を観ての感想記事である。総集編という本作の性格からしてネタバレ要素などないと思われるかもしれないが、本稿には若干のネタバレ要素が含まれていると言わざるを得ない。必要に応じて自衛してほしい。  まずもって真っ先述べておくべき感想は、あまりにも濃密なぼ喜多だったということである。喜多ちゃんがリョウと虹夏に謝罪メールを書いては消すシーンから始まるが、これは多分新規だろう。そしてそこからギターを背負うぼっちちゃんを見つ

          『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』を観て

          なら燈花会に行ってきた話

           なら燈花会、というものの存在を私が初めて知ったのは、眼鏡を愛する半妖の少年と眼鏡がよく似合う呪われた一族の少女が奈良を舞台に戦うアニメであった。当時私はまだ関西に住んでおらず聖地巡礼などは夢の話であったが、進学を機に京都に越してきてからは隔月くらいで奈良に行くようになった。私は奈良が好きだったのである。だがどういうわけか、燈花会にだけは行ったことが無かった。流行り病が列島を襲い、ネット上で大仏建立の機運が高まる頃には、私は奈良まで足を運ぶことはほとんどなくなっていた。なら燈

          なら燈花会に行ってきた話

          島ノ葉の棋歴④大学生編・後編

           大学三回生の頃に再び将棋ウォーズに触れるようになった私は、とりあえずネットで最強の戦法は何かと調べることにした。かつては九間飛車を指していたなぁ位のことは覚えていたが、別に愛着があるとかではない。ネットの答えは、矢倉であった。矢倉24手組を、意味も分からず手順だけ暗記したのを覚えている。おそらく、私はここで初めて飛車先を受けるという概念を理解したのであろう。  しばらくは、将棋ウォーズの練習対局でポナンザと戦い続ける日々であった。とりあえず堅く囲えて攻めの形も作れる矢倉は

          島ノ葉の棋歴④大学生編・後編