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J.J.エイブラムス版スタートレックの好きなところ

2009年版のスタートレックを観た。実を言うとスタートレックのオリジナル版は断片的にしか観ていない。しかし、この作品から始まるケルビン時間軸のスタートレック3部作が大好きなので、具体的にどの辺が好きなのかを語ろうと思う。

階級制度


スタートレックを字幕で見ると日本語字幕に違和感を覚える。なぜかと言うと、大佐、中佐、大尉に当たる単語が艦長、副長、航海士と翻訳されているからだ。そして、この翻訳は間違っているわけではない。そして、その翻訳の違和感からスタートレックの世界観がにじみ出ているように見える。

そもそも、英語における軍隊の階級は陸海空でそれぞれ違う。そして海軍における階級はもともと艦内の役割の名前であった。(キャプテン=大佐 船全体の責任者。コマンダー=中佐 軍艦における戦闘の責任者、レフテナント=大尉 船の操艦責任者 操艦と戦闘が一体になるに従って階級としてのニュアンスのみが残った。現在でも大型艦の艦長は大佐が務める)

つまり、日本語字幕は何も翻訳ミスをしていない。しかし、劇中ではコロコロ呼び方が代わる。この辺りからスタートレックにおいては役割に重きをおいた階級制を持っていると想定できる。(艦長が艦を離れるときに毎回代理の艦長と副長を指名していることから階級を軸にした指揮権継承順位が確立されていないと想像できる)

このようになっている理由として、
宇宙艦隊が探検を主体とした組織であるので兵站部門が少なく、艦隊勤務を中心とした人事制度を持てる。
長期航海中は頻繁な連絡ができないので、司令部の指揮権と衝突する恐れが少ないでの艦内のみで階級を完結させられる。
などが考えられる。このように軍事組織として制度が未完成なところが好きなのである。

武装

U.S.S.エンタープライズの武装は正直貧弱である。(ネタバレ注意)バルカンが襲われた時も艦載機に類するものがあれば空挺降下の必要はなかった。このことは世代が違うとはいえ、元採掘船に武装で遅れをとることからも明らかである。

スタートレックの世界線では長期にわたって戦乱がなかったために武装船のノウハウが失われていると言う話を聞いたことがある。(このことが2作目の展開に結びつく辺りも好き)エンタープライズが圧倒的火力で敵をなぎ倒していくとしたらそれは違う話だろうと思う。

パラレルワールドでリメイク版を正当化

アニメであれ、ドラマであれリメイク版を作るのは大変だろうと容易に想像できる。スタートレックのような世界中に熱狂的なファンのいる作品では尚更だと思う(こうやって思いつきの考察を書いているだけでも反論が来そうな気がする。もし考察に勘違いがあればコメントで指摘してください)。宇宙戦艦ヤマト2199のように開き直って最初から作り直すという方法もあるが、スタートレックではブラックホールでタイムリープした世界線ということにした。これならキャラクターの見た目がちょっと変わってても性格がちょっと変わっていても情勢がちょっと変わっていても許される。そして元の世界線を知っているキャラを1人混ぜることで作品世界は正当な続編となる。

まとめ

リメイク版スタートレックは映像美としても脚本としてもとてもよくできている作品である。オリジナルを知らなくても楽しめるし、知っていればもっと楽しめる。
是非観て欲しい一本だ。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。長寿と繁栄を。


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