天冥の標4巻 機械仕掛けの子息たち 感想(まさかここまでとは思ってなかった)
ややネタバレを含みますが、楽しめなくなるレベルでのネタバレはいれていないと思います。
10巻17冊に及ぶSF大作「天冥の標」その4巻である「機械仕掛けの子息たち」を読みました。大まかなストーリーを説明すると
元々いたコミュニティから孤立した一人の少年が旅先で出会った仲間との交流を通じて成長し、仲間のコミュニティを救うことで信頼を勝ち得てコミュニティのリーダーになる。
というありふれたお話です。仲間との交流が具体的には200回を超える性交渉を意味することを除けば。
アマゾンのレビューなどを見れば、1から3巻までと比べて異常に性的描写が多いという感想や、本当に全年齢向けなのかを怪しむ感想が出てきます。それらの感想を見た上で読んで、感じたことがタイトルのカッコ内
「まさかここまでとは思っていなかった」
です。
性行為に始まり性行為に終わると言っても過言ではないレベルでした。
しかし、そんな中でもしっかりSFをやっていて葛藤があり、3巻までとの内容と密接に結びついているあたりに作者の作家としての力量を感じました。まさにSFというジャンルの自由度を試していると言った作品です。
以下は、4巻までを読んだ段階での天冥の標全体の感想です。
経験則からシリーズ物の作品は巻数を重ねるにつれ元の主題からだんだんと離れていき、しまいには「これは別の作品では?」という感想を持ってしまうことが多いです。しかし、天冥の標は1巻のメニーメニーシープが「始まりにして終わり」と言えるポジションを守っているので物語が迷走する心配をせずに読み進めることができています。かと言って今後の展開が予想できてしまう様なこともなく、次の巻はどんなひっくり返し方をしてくるんだろう?と楽しみながら読める本です。
まだ読んでいない方は手にとってください。損はしません。
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