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コーチングとカウンセリングわける必要ない。

タイトルにある通りなんですが、違いってなくないか?と。なのでこれについて考えたいと思います。今回の話は自分にとってもかなり重要なことです。実際に自分も相談を受けて感じたことから言葉にしています。

 現在、一般的にはカウンセリングとコーチングは別々に考えられています。例えば、カウンセリングは「精神的な問題を抱えている人の問題を解決するもの」、コーチングは「自分の目標を設定し、それに向けて行動を促すためのもの」。大体こんな感じの認識になる。

 でもおかしいと思うんですよね。だってカウンセリングだってコーチングと同じく目標を設定する。例えば「鬱を治したい」とか。じゃそのために何が必要かってなると、トラウマの克服だったり、自己理解になる。これって、「目標を設定し、それに向けて行動している」と思うのです。

 そしてカウンセリングとコーチングの説明として言われるのが下記のような感じ。

カウンセリングはマイナスをゼロに戻すようサポート
カウンセリングは、精神心理的な悩みを抱えた人を対象とした相談援助であり、治療的・予防的な処置に重点があります。そのため、どちらというと現在の状態に至った原因や過去に遡ってアプローチしていきます。一方、コーチングは、相手の方の目標達成や能力発揮を支援し、将来どうありたいかを重視したアプローチをとります。カウンセリングにもいろいろな手法がありますので、ひとくくりにはできませんが、両者の違いを簡単にいえば、通常の平静な心の状態が「ゼロ」の位置にあるとすると、カウンセリングはマイナスに陥ってしまった人を「マイナスからゼロの状態に戻すこと」を目指します。
コーチングはゼロからプラスの方向・未来に向かって支援する
一方、コーチングは、クライアントがありたい姿になることを目標に、「ゼロからプラスの方向に向かって支援をすること」にあります。カウンセリングは、クライアントの話を聞きながら、クライアントの過去の問題に焦点を当てて、クライアントの気持ちを整理することを重視したアプローチをとります。一方、コーチングは、クライアントの潜在能力やアイデア、強みを引き出し、クライアントが望む人生やキャリアにおける未来の目標を達成するためのサポートをします。カウンセリングも、コンサルティングも、コーチングも経験し、そのメリットも難しさも実感している者として率直に思うのは、コーチングには、カウンセリングやコンサルティングの領域をもカバーできるだけの深さがあるのではないかということです。もちろん、コーチングは万能ではありません。
カウンセリング的なアプローチが必要なときもあれば、コンサルティングが必要なときもあります。それぞれの場面に応じて使い分けていくことが必要です。私は、コーチングに出会う前に、産業カウンセラー協会というところで1年間カウンセリングを学び、カウンセラーとしてボランティアをしていたことがあります。
カウンセリングもコーチングも人の心を扱いますが、治療行為と成長のサポートというアプローチの大きな違いがあります。

コーチビジネス研究所から引用

他のサイトではこのように↓

コーチングとセラピー、カウンセリングは、それぞれ目的が異なります。
セラピーやカウンセリングは、主に、現在抱えている問題を解決するために使われます。そのためにカウンセラーやセラピストは、その問題が生じる原因を探るため、クライアントとともに過去を振り返り、さまざまなことがらについて深く掘り下げていきます。
一方、コーチングの目的は、未来に向けて相手の行動変容を促すことです。つまり、相手が未来に向けて行動を起こす、あるいは行動を変えるというのが、コーチングの成果を測るひとつの指標となります。コーチは、クライアントが目指す状態を手に入れるために、クライアントのおかれた現状、そして目指す状態をできる限り明らかにし、それを実現させるためにどうしたらいいかをともに考えていきます。
つまり、コーチングでは、主に現在と未来に焦点を当てます。
このプロセスの中で、未来に向けて行動を起こす際に障害となる問題を解消することもありますが、それは主要な目的ではありません。また、コーチングは、目標や目的を明確にもち、それを達成したいと願う人にしか機能しません。

coachacademiaから引用

 だいたいこのような説明がなされています。大きくは、カウンセリング「治療行為」、コーチング「成長のサポート」と分けられています。ただ、なにをもって「治療行為」、「成長のサポート」と言っているのか。そこが重要になると思います。

 「カウンセリングはゼロに戻すことが目的」を「精神的な問題をゼロにすることが目的」と捉えたとします。しかしこれは、コーチングと同じことだと言えます。コーチングは現状の打開策がわからないとか、強みがわからないといった問題を扱う。これも精神的な問題ではないでしょうか。「問題」という言い方をするとマイナスのように聞こえますが、言い方を変えれば、「やりたいことがあるけどそれが実行できない=想いを抱えたまま消化できていない」ということ。そもそも、強みがわからないという悩みを抱えていない人、打開策がわからないと思わない人=悩みを抱えてない人は、相談に来ないからです。同じくカウンセリングでも、鬱が治らない、どう対処すればいいかわからないという悩みがない人もカウンセリングには来ない。こう考えると、どちらも精神的に解消できない想いを解消することを目的としているわけです。

 また、「コーチングは未来に向けて」と書かれていますが、カウンセリングも未来に向けて行われています。その人が鬱を抱えているのは現在であり、それを治した状態は過去に戻るわけではないからです。苦悩から立ち直ることは、その人の経験として活かせる大切なものになります。鬱を経験して治したという未来に行くからです。苦悩した分、精神的な強さを得たり、自分の弱さに気づいたり。それは成長だと言える。なので、その人にとって鬱が治った状態は、しっかりとした未来なはずです。そのため、カウンセリングも成長のサポートと言える。そして未来にいくために、どちらも目標を設定し、それに向けて具体的な行動を起こします。

 過去を振り返るという点も、カウンセリングではたしかにその人の症状の原因を見つけるために過去を振り返ります。しかしコーチングも、今その人の強みを発揮するために過去を振り返ります。なぜなら、その人の強みは過去の蓄積によってできたものだからです。「自分の強みはこれだ」ということがコーチングで初めからわかっているのは、相談者が事前にそこまで理解していただけのことです。実際、強みがわからない状態でコーチングの相談に来られることもあります。逆にカウンセリングでも、「鬱がしんどい」という相談もあります。「あの経験がトラウマで」といった、すでに過去を振り返っているケースもあります。つまり、過去を振り返るという構造は同じだということです。

 つまりカウンセリングもコーチングもどちらも、治療行為と言えますし、成長のサポートともいえる。

 こうして考えると、グラデーションの問題ではないでしょうか。目標に向かうことも同じ、具体的な行動をとることも同じ、精神的な悩みを抱えていることも同じ。なので、程度の差はあれ、やっていることは同じだと思うのです。ならそもそも分けることがおかしいということです。構造が同じなら、構造を理解すればどちらも構造に沿って対応できるからです。具体的な表出は確かに変化しますが、それは個人のばらつきによって変化するもの。だとしたら、それは相談者との中で考えるものであって、構造自体に影響するものではないと考えられるのです。

 なので、両者は別の概念ではなく、もともと一つの構造として存在していたものを分割しただけだというわけです。あるいは、理解するために分割してきたのなら、統合してもいいじゃないかと。

 以上のことから、コーチングとカウンセリングの違いはないと考えたのでした。もう少し考えつつも、ほかの方の意見などもうかがってみようと思います。

では~

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