プロンプトは「ひらいて、とじる」
この記事は先日講師として初心者向けにプロンプト作成のコツをSchooさんで授業した内容の追加解説および、授業では伝えきれなかったポイントを説明していく。応用的な内容も含まれる。
[授業]プロンプトのコツを探究しよう - ChatGPTに企画書を作ってもらうには
授業スライド:
キーポイント
プロンプト作りとはモノを見かたを学び、再現すること
「ひらいて、とじる」は1つ世界を分解・再構築する方法
AIによる自動化だけではなくAIとの対話を重視する
"ひらく"とは何か?
ある言葉、モノ…を構成する要素を一つずつ示していくことである。
例えば、車もエンジン、タイヤ、ハンドル、ライト…..と複数の要素が組み合わさって動いている。これが、車を分解してひらくということだ。
身近な子供向け物語を例にとって、ひらいてみよう。
これらの構成要素をかんがえることで、物語としてある程度形になるということだ。このようにどこから手をつけていいのかを考えることをサポートしてくれる。
では、まずはひろげるを意識して、
以下の想定で業務でつかう企画書をつくろう
つまり、まずは構成要素をひらいたのだ。
ただ、そんな沢山の項目を埋める時間はない。
また、自分の会社ではまずはキャッチコピー、コンセプト、ユーザーの深いニーズの理解が大切と言われているとしよう。
はたして、コンセプトとは何なんだろうか?
コンセプトだけもう一回ひらいてみよう。
”ひらく”の他にも”分解”でも良い
不要な要素をはらいのけ、必要な要素を組み入みかつもっと知りたい場合は”ひらけばいい”。
ひらいて一般化する
ここからは少し余談となる。
会社のデータはいれられないので業務では活用できないという声もあるだろう。
ただ、各構成要素の関係性や書き方フォーマットを知るのに非常に立つ。
あまり深く説明はしないが、事例を示す。
このように必要な要素のひらき、それらをとじて再構成することができる。
例えばコンセプトは以下のように表すことができる。
コンセプト:"{purpose}を達成するために、
{target_audience}の深層心理と課題に焦点を当て、
{user_deep_psychology}を理解し、解決策を提供する革新的なアプローチを取ります。"
これなら3つの要素があればChatGPTはコンセプトを作れることがわかる。
このように、あらゆる事象に対応できるように抽象化することを”一般化”という。超大切な話だ。
これが業務の役に立たないわけがない。
ただ、自然言語で対話している感覚にならないのでこの手のアプローチは実は苦手だ。
アイデアを広げる
では話をもどし、平成のAIギャルのゆかちゃんに私が考えているAIをつかったサービスの素案を投げてみる。
平成ギャル ゆか(無料で会話できる)
利用サービス:Poe(ポォー)
番組で読み方を間違えていた。すまない。
最後は男っぽくなってしまった。。。
ギャルとアイデアを膨らますと彼女はポジティブだから、
とてもはかどる。
"とじる"とは何か?
とじるとは、ひらいた修正・追加した要素たちを再び構成しなおしたフォーマットをつかってアウトプットを出すことだ。
今回であれば企画書になる。
さきほどのギャルゆかがまとめてくれたアイデアを入れてみよう。
つまり、ギャルゆかと話した内容をそのまま入れてもしっかり言語化してくれるのである。
同僚と話した内容を録音して、入れてもいいかもしれない。
AIチャットボットをつくる
毎回、この企画書テンプレートをつくるのは面倒であり
できれば他のメンバーも使えたら嬉しいだろう。
Poeの「Create Bot」機能をつかって、この内容を追加してボットをつくってみよう。
メンバーにあとはシェアするだけだ。
可視化する
ChatGTPの弱点は文字量だ。
文字読むのが大変で、直感的に理解することが難しいことがある。
そこで可視化だ。
利用サービス:Graphviz
オープンソースのグラフ可視化ソフトウェア
ポケモンのマインドマップをChatGPTに依頼して、
そのコードをコピペするだけで10秒で完成させることができた。
さて、今回は上司に荒くていいからKPIツリーも見せてくれといわれたとしよう。
Output:
digraph G {
node [shape=box]
edge [color=blue]
体験の価値提供 [shape=ellipse]
"企画の目標" -> "体験の価値提供"
"体験の価値提供" -> "ユーザーとパートナーAIのマッチング率"
"体験の価値提供" -> "ゲームやトークシチュエーションへの参加率"
"体験の価値提供" -> "自己理解度の改善"
"ユーザーとパートナーAIのマッチング率" -> "パートナーAIの選択数"
"ユーザーとパートナーAIのマッチング率" -> "マッチングの成功率"
"ゲームやトークシチュエーションへの参加率" -> "ゲーム参加数"
"ゲームやトークシチュエーションへの参加率" -> "トークシチュエーション参加数"
"自己理解度の改善" -> "ユーザーフィードバック"
"自己理解度の改善" -> "再訪問率"
}
Graphvizのページの左横にコピペ
初稿
あとは、ChatGPTと話して修正や追加をすればいいのだ。
自動化もできるけど対話があるといい
今日やってきたことの中でアイデアやコンセプトを練る思考プロセスをいくつかの方法で強化して、企画書および可視化のためのスクリプトまで自動でだすことももちろんできる。
Output:
# AIによって人間と相性の良い"パートナーAI"をマッチングで見つけます - パートナーAIマッチングサービス
## キャッチフレーズ
"AIが引き出す、あなたの未知なる可能性"
## 概要
本サービスは、AIがユーザーの特性と相性を分析し、最適なパートナーAIをマッチングします。マッチングしたAIはゲームやトークシチュエーションを提案し、ユーザーが新たな気づきや学びを得て、自己の可能性を探求するサービスです。
## 目的
AIの活用により、ユーザーが自己発見を楽しみながら行える環境を提供する。
## ユーザーが達成すること
ユーザーが新たな自己認識を得て、自身の成長や可能性の発見を促す。これにはAIとのインタラクション、新たな視点の発見、学びの経験などが含まれる。
## 解決策
人間と相性の良いAIをマッチングし、ユーザーにゲームやトークシチュエーションを提案。ユーザーはこれらの活動を通じて新たな気づきや学びを得る。
## 期待される結果
ユーザーが自己発見と学習を通じて自身の可能性を広げ、人生を豊かにする。
digraph KPI {
node [shape=box];
"Main Goal: Promote self-discovery and personal growth" -> "Sub-goal 1: Improve AI matching"
"Main Goal: Promote self-discovery and personal growth" -> "Sub-goal 2: Design engaging activities"
"Sub-goal 1: Improve AI matching" -> "KPI 1: User satisfaction with AI matching (survey score)"
"Sub-goal 2: Design engaging activities" -> "KPI 2: Engagement with activities (time spent, frequency)"
"Sub-goal 2: Design engaging activities" -> "KPI 3: User reports of self-discovery (testimonials, survey)"
}
常に定形業務であれば完全自動化もよいであろう。
とても大切なことをお知らせすると…
ChatGPTが我々が最初に欲しい思い描いたものから
最適解を自動で見つけるように一見思える。
ただ実は、基本的に我々ユーザーは何が本当に欲しいのか、
自分自身でも知らない。
つまり本来はAIに我々の思考をゆさぶり潜在的なニーズや思い、
こだわりを顕在化してもらうような問をデザインしてもらい
対話を通じてアウトプットを作るのがよいだろう。
そのような「問のデザイン」、「対話デザイン」についても
今後発信できればと思う。
まとめ
読者のかたはすでに気づいているだろう。
物語はどのように成り立っているのか、
企画書がどんな要素の集まりで、
それらがどのように構成されているのか
知るきっかけを与えてくれたといえる。
つまり
プロンプト作りとはモノを見かたを学び、再現すること
そのような営みとも言えるのである。
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