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あらゆる悩みや問題を解決する、超具体的な方法

人材の育成、または事業の問題を解決するという仕事上、人間や事業のあらゆる悩みに対面することが多い。WEBを始めとしたデザインの上達方法から、プログラミングの学習法、人生相談、企業の新規事業開発における高度な問題、WEBで売上をあげられない問題、それこそ千差万別の悩みについて相談を受けてきた。

その中で、あらゆる問題解決について勉強と実践を重ねて来たわけだが、その過程で気づいたことがある。実際、どんな問題であろうが、ほとんどの問題解決の流れは、一緒だということだ。さらに、その流れを繰り返し実践し、意識せずに実践できるくらい身につければ、どんな問題や悩みでも、大抵、解決できるようになる。今回は、人生からスキル学習、企業や事業の問題まで、あらゆる問題を解決する方法について解説する。

問題を解決する基本的な流れ

今回お話する内容に気づけたのは、各種問題解決を行うため、様々な分野を網羅的に、横断的に学んだからだ。UX、UI、IA、マーケティング、新規事業デザイン、デザイン思考、論理的思考、数多くの分野があるが、基本の流れは変わらない。つまり、1つの分野に対してプロフェッショナルになれば、その応用と追加のインプットで、大抵の問題は解決できるということだ。では、基本的な流れとは一体何なのかというと、次の6つのステップに分けられる。

1. 情報を集める
2. 集めた情報を整理し、分析する
3. 解決すべき問題を明確にする
4. 解決策を出す
5. プロトタイプをテストして改善を繰り返す
6. 解決する

すべての分野、大半の問題解決が、もれなく、このステップを辿っている。といっても、ステップだけでは具体的にイメージするのが難しいので、各ステップについて、もう少し詳しく説明していこう。

情報を集める

問題についてよく理解するためには、まず、状況をよく知らなければならない。何かを学習する時、アウトプット重視で進めようとよく言われるが「重視」するだけであって、インプットが存在しないわけではない。ここを履き違えてインプットを飛ばすと、単なる当てずっぽうになってしまう。

情報の集め方は単純で「その環境に身をおいて体感する」「その環境にいる人にインタビューする」「その環境にいる人を観察する」の3つに分けられる。どの分野でも、ほぼ必ず存在するフローである。特にインタビューや観察に関しては、たくさんの手法が存在するので、各分野ごとに調べて見るといい。または、STARTOUTで詳しく説明しているので、UX、UI、IAから具体的技術まで学びたい方は、ぜひ使ってみると良いだろう。

例えばキャリアに「悩んで」いたとする。そこで、まわりに相談したりTwitterを見ていたら、WEB制作がオススメらしいということを聞いて、WEB制作について知りたいと考える。ここをスタートラインに設定してみよう。WEB制作が自分のキャリアにふさわしいか考えた時、次にすべきことが、情報を集めるために「その環境に身をおいて、観察し、インタビューする」ということになる。

まず、格安で学習できるサービスに登録しコミュニティや交流会、勉強会などに足を運んでみるといい ( 環境に身を置く)。すると、同じように勉強している人やプロの人に出会うだろうから、その人たちの仕事や学習を観察してみよう。どのように仕事をしているのか、または勉強しているのか観察していると、いくつかの情報を獲得できるだろう。

次に直接ご飯などに誘い、WEBについて話を聞いてみよう(インタビューする)。もっと深く話を聞きたい場合は、直接WEB制作の仕事や学習について話を聞きたいと伝え、カフェなどでマンツーマンの時間を確保すると良い。予め聞きたい内容を考えておいて、その内容をベースにたくさんの話を引き出すのだ。そこでも、たくさんの情報を得られる。

できれば記憶するだけでなく、漏れなくメモを取る。動画や音声でも記録しておけたら、後からでも見返して情報を思い出せるはずだ。現場に身をおいて、観察し、インタビューをする。この過程は各分野でエスノグラフィーなどの手法で紹介されるが、どんな分野であっても共通して存在するものだ。分野によって観察・インタビュー手法やフレームワークはたくさんあるが、基本的には一緒だ。共通して使えるものも多い。ひとまず、これで情報集めは完了である。次に、集めた情報を整理して分析する。

情報を整理し分析する

集めた情報は、そのままだと散らばっていて、どこから考えていいか分からなくなってしまう。膨大な情報だけが目の前にあって、何が正しいか分からなくなるのは「情報を整理し分析できていないから」だ。そして、整理して分析する方法も、やはり似通っている。

まず、集めた情報をカードに分ける。情報ごとにカードを作り、似ている情報同士をグループとしてまとめる。後はグループごとに名前をつける。集めた情報をカテゴリーごとにわけるのだ。ブログの記事をカテゴリー別に分類するのと似ている。

あとは、集めた情報同士、関係のありそうなまとまり同士に線を引いて、関係性を書き込む。すると、手に入れた情報の何が自分にとって重要で、どんな関係性になっているのか、把握できるだろう。

下記に、WEB制作のキャリアに関する情報を整理した例をまとめておく。情報整理する時の参考にしてもらえると良いだろう。

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今回はエリアが小さいので、グループをカードとして表現してあるが、本来、グループ内の情報1つ1つをカード化し、自由に動かし、まとめて、グループとする。ホワイトボードなどで実施すると、より自由に整理しやすいが、テーブルの上や床でも構わない。なるべく広いスペースを用意すると、思考を整理しやすいだろう。

情報はバラバラのままだと、大きな意味は持たない。整理して分析するからこそ、情報同士の関係性を理解し、その実態を的確に理解できるのだ。これは人生だけでなく、UI、UX、IA、マーケティング、事業デザイン、あらゆる分野に応用できる方法だ。

なお、何度も使っているうちに、じきに頭の中で関係性やグルーピングを行えるようになる。そこまで複雑化していない情報関係に対しては、わざわざカードやグルーピングを活用する間でもなく、整理し分析できるようになるだろう。情報理解能力が高い人は、大抵、このように情報と思考を無意識に使いこなしている。だから、適切に情報を把握することができるのだ。一方で、頭の中で手に入れた情報がバラバラに散らばったままだと、どの情報が正しいのか分からない、という状況に陥ってしまう。すべては思考の鍛え方次第だ。

解決すべき問題を明確にする

悩みや問題を抱える人の大半は、自分がどんな問題を解決すれば良いか、明確に認識していない。問題を適切に把握していなければ、当然だが根本的に問題を解決できることもない。その大半が、本質的な問題を判断するために情報が足りないからだが、前回で必要な情報は手に入れたはずだ。手に入れた情報を元に、本質的な問題を見つけ出していこう。

まず、今回の悩みごとを整理しよう。前項に引き続き「WEBデザイナーというキャリアが自分にふさわしいか」について追求していこう。どんな問題を解決すれば、キャリアの悩みについて自分にふさわしいか判断できるのだろうか。

ここで考えて欲しいのが、元々の悩みに対して「問題発見」というアプローチが正しくない場合があることだ。

例えば「職場の人間関係がギクシャクしているのでなんとかしたい」というような「マイナス ( 放っておいたらどんどん環境が悪化する ) をプラスにしたい」ケースでは「問題解決」という言葉が当てはまる。しかし「キャリアをどうしていいか分からない」というような「プラマイゼロの現状 ( 何もしなければ良くも悪くもならない状態 ) からプラスに持っていきたい」というケースは、問題を見つけるというより新しい「価値」を追加するという表現が正しい。

今の状況を放置すると、みるみる間に状況が悪化するケースなら、明らかに問題があるということなので「問題解決」と認識できる。一方で、今ある状況を放置しても現状が何も変わらないだけで、それほど悪化しない場合、新しい「価値」を自分の人生に付け加えるケースだと捉えられる。

とは言え、そんなことを考えなくても感覚で、今回が価値追求なのか、問題解決なのかは、なんとなく分かるかもしれない。価値追求のケースでは問題解決というアプローチが明らかに当てはまらない場合が多いし、その逆も然りだからだ。

なので「問題」を解決するのか「価値」を追求するのか、どちらかを見定める必要がある。今回は「キャリアの悩み」で現状からプラスに進みたいということなので、新しい「価値」を追求するというアプローチになるだろう。現状維持で同じ仕事をしていても、基本的に悪化も好転もしないからだ。

では、価値を見つけ出すにはどうすればいいだろうか。それには、先程整理した情報構造の図が役に立つ。図の中から「実現したい価値」を選択すればいい。先程の「キャリアの悩み」をベースに考えるとすれば「自分の生き方や仕事の中で実現したい価値を選択する」ことになるだろう。

・報酬はなるべく高くしたい : フリーランス
・働き方は時間も場所も自由がいい : フリーランス、フレックスの会社
・私生活を充実する : フリーランスか、定時終わりの会社(それに伴う実力)
・1つの技術追求型じゃない : フリーランスが実現しやすい?

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このように、自分が実現したい価値を整理した情報から選択していけば、自分が選ぶ方向が見えてくる。今回の希望に沿って価値を選んだ場合、フリーランスが最適なことは明らかだ。だが、いきなりフリーランスだと技術的に不安なので ( 会社員の方が技術高いという情報がある ) 、最初に会社員として実績を重ねてからフリーという道も考えられる。できればフレックスで働ければ最適だ。

なお、今回の情報整理はあくまで例なので、実際に深く調査をすれば、さらに多くの情報が出てくるのは間違いない。なので、例と同じ悩みを持つ人にとって、同じ選択が正しいとは限らないので、自分の人生を決断する際は、しっかりと調査してほしい。

今回はキャリアを例にしたが、恋愛や子育てにも当てはまる。

恋愛であれば「プラマイゼロ ( 行動しなければ関係性は悪化しないし好転もしない。時間制限はあるかもしれないが ) からプラスにもっていく行動」なので「価値の発見」だと想定できる。特に「意中の相手へ提供すべき価値」の発見だろう。となれば、まず対象の相手について情報が必要なので、観察や、共通の友人などへのインタビューを通して情報を獲得し、情報整理・分析、さらに対象の相手に提供すべき「価値」を考えることで戦略が描ける。ビジネスライクな言い方で我ながら嫌悪感を抱くが、試してみるといい。ただし観察とインタビューは、やりすぎるとストーカーじみているので、対象の相手に気持ち悪く思われないように気をつけて欲しい。

例としてもう1つ、子育てについても考えてみよう。解決したいことが「子育てが辛い状況」だとすると「マイナスな状況からプラスにもっていく行動」なので「問題解決」だとわかる。そのまま放置すれば、どんどん状況が悪くなるケースは「状況としてマイナス」だと認識するといい。行動しなければ自分が潰れるだろう。なのでまず自分や家族、知人友人の子育て状況を観察、旦那や友人家族へのインタビューなどを実施し、情報をまとめ分析、そこから「辛さ」を引き起こす「問題」を探り出す流れになるだろう。価値発見と同じように情報を整理し、分析すれば、いくつか問題も見えてくるはずだ。

なお、問題発見の場合は、解決すべき根本的な問題が、そもそも勘違いであるケースも多い。例えば、調べた結果「子育ての方法に問題がある」という結論に達したとしても、それは勘違いで、本当は「家族が家事育児に協力的でない」ことが根本的な問題かもしれないのだ。問題は根本を見間違えると何も解決できなくなる。なので、少なくとも5個以上の考えられる問題をピックアップし、片っ端から解決する方法をおすすめする。

ひとまず、これで解決すべき「問題」または、提供および得るべき「価値」が把握できるはずだ。次は、問題を解決する、または価値を実現するための「作戦」を作り出す必要がある。当然だが、作戦を作らなければ、具体的に実行すべきことは見えてこない。

解決策を出す

解決策の発想に関しては、正直、手法として確実なものが、ほとんど存在しない。なので、問題を解決できるアイディア、または価値を提供できる作戦について、既存の「情報」や「知識・発想」に依存するところがある。例えばだが、恋愛で相手の心を掴みたい場合、好意を抱く相手が好む価値を提供する手段は無限にあるだろう。発想力次第だ。だが発想する時に気をつけるべきことは明確にある。具体的には下記の3点について、注意しながら解決策を発想してほしい。

■ 絵で書く

方法を絵で書こう。作戦を実行している様子を言葉や想像ではなく、絵でビジュアル化すると、具体的なイメージがつきやすい。どういう状況で、どんな場所で、どんな方法で、どんなタイミングで行うのが良いだろうか。できれば5〜9コマの漫画などで書くと、なお良い。ストーリーボードのようなものだ。絵はうまくなくていい。理解できればいいのだ。

例えばキャリアの例であれば、WEBデザイナーになって得られる価値や人生、流れを5〜9コマの漫画にしてまとめてみよう。具体的な情報や分析を元にした、自分の理想的な未来が描けるはずだ。

恋愛であれば、相手に価値を提供して成功するまでの流れを、5〜9コマの漫画に書き出してみると良いだろう。できれば、プライベートなことを、なんでも共有できる人と一緒に作ってみるといい。見落としや追加ですべきこと、状況など具体的に把握できるし、問題があれば事前に修正できるはずだ。「提供すべき価値も方法も良いが、シチュエーションが良くない」といったダメ出しをもらえるかもしれない。

育児の例であれば、問題を解決するまでの流れを5〜9コマ漫画に書き出してみるといい。周りの人も巻き込んで、一緒に描いてみよう。解決策の問題点や、本当にその問題が本質的に解決すべきことなのかなど、見落としている点や新しい作戦などが思いつきやすいだろう。

キャリアの方向性を決めたいなら、理想の働き方を実現した自分を描けばいい。実際に理想の生活を、簡単な漫画として描き、価値を実現している自分の姿やライフスタイル、働き方を描いてみるといい。具体的に自分がその生活を体感して、楽しいのか幸せなのか、価値を確認しやすくなるはずだ。

■ 数をたくさん出す

解決策は1つだけでは不十分だ。1発で適切な解決策を生み出せたら、それは本当の天才だ。基本的に最初の解決策は、失敗前提として考えよう。最終的な解決策は、次項のテストを何度も繰り返していく中で見つかる事が多い。なので、最適解を見つけるための仮説をいくつか出す、というような認識で、解決策を複数だそう。

では、いくつ解決策を出せば良いかと言えば、5個は出してみよう。本当は考えられるだけ考えて、優先順位を決めた上で、すべて試すと良いが、時間も限られているのが普通なので、まずは5個ほどで良いだろう。その中で、最も優先順位が高いものから次のフェーズでテストしていく。

■ もっともインパクトのある解決策から選ぶ

先程、優先順位を決めるとお話させて頂いたが、優先順位を決めるための「基準」もある。それが「インパクトがあるかどうか」だ。付け加えれば「もっとも斬新で奇抜なもの」から選ぶと良いだろう。なぜ、インパクトがあって斬新かつ奇抜なものかというと、印象に残すためだ。

例えば、適切な解決策であっても、凡庸な内容だと、相手の印象に残らないかもしれない。好きな人に価値を提供する時に、凡庸でありきたりな方法と、記憶に残るくらい嬉しい方法で価値を提供されたのでは、受け取り方が全く違う。

子育ての問題で「家族全員で育児に取り組む」という解決策を実行するにしても、インパクトがある方法による解決策と、凡庸な方法での解決策では、実際に解決できるかどうかに大きく影響してくるだろう。例えば単純に「みんなで家事育児しよう!」と言うのと「ゲーム性をもたせた方法で、みんなで家事育児をしよう!」と言うのでは、効果が違うという話だ。

なので、解決策はインパクトがあって奇抜で、より嬉しい方法から順に優先順位をつけて、次のテストに臨もう。

プロトタイプを作り、テストして改善を繰り返す

すでにお話させて頂いた通り、最初の解決策はあくまで仮説だ。本当の解決策は、テストを繰り返した先で見つかることが多い。価値の提供だろうが、問題の解決だろうが、最も効果的な方法が一発で見つかることは稀有だ。

テストの方法はどうするかと言うと、簡単にアイディアを形にして、試してみることである。恋愛であれば「代役に対して」価値を提供する練習、ということになる。育児問題も、代役を立ててシミュレーションしてみるといい。もし、何か道具やツールが必要なら、簡易的に作ってみる。

そして、意見をもらい、議論し、改善していく。意見を元に案を改善したら、改善した解決策を、またテストし、意見をもらう。さらに議論し、改善する。もし、別の案が出たら、別の解決策もテストする。こうして、少しずつ解決策を研ぎ澄ましていくのだ。

ただ、テストするには、テストさせてもらえる相手「代役」が必要だ。その相手は、本番で価値を提供したり、問題を解決する相手と、同じような性質を持つ人が望ましい。職業、年齢、性別、性格。あらゆる面で本番の相手と同じような人をテスト相手として選ぼう。

恋愛のケースなら、好きな相手と似た人だ。子育てなら、今の家族と同じ状況で、性格や年齢、仕事なども家族と似た人になる。キャリアの場合、価値を体感するのは自分なので、自分がテストしてみると良いだろう。ただ、案外自分のことは他人がよく知っているもので、自分自身の問題解決であっても、自分と同じ性質や属性を持つ人がいれば、その人に対しても試してみると良いかもしれない。とにかく、本番に近い状況と相手で試すことが重要だ。まったく違う属性の人相手にテストしても、策が有功かどうかは的確に把握できない。

こうしてテストを改善しながら繰り返した結果、納得できる価値の提供方法や問題の解決策が生まれてくる。最終的な解決策がまとまったら、準備を整えて実行する。直感で問題や価値提供に取り組むよりも、圧倒的に成功確立を上げた上で、本番に望むことができるはずだ。

あらゆる問題解決策は、このような流れを辿って生まれてくることが多い。直感が優れていたり、経験則が鍛えられている人は、以上の流れを超高速で、かつ的確に実践できるから、優れているのだ。中にはテスト以外の大半を、頭の中で出来る人も少なくない。だからあらゆる問題を高速で解決できるのだ。世間はそういう人を問題解決能力が高い人と呼ぶ。

まとめ

僕は常々、問題解決能力を鍛えるために、なるべく答えを聞かずに自分の力で問題を解決しようと言っている。それは、問題解決能力がスキルであり、繰り返し実践することで高速で出来るようになるからだ。

今回お話した問題解決フローは、あらゆる分野で問題解決する時の基本なのだ。UX、UI、IA、デザイン思考、論理的思考など幅広く学ぶとわかる。もちろん、今挙げた分野だけではなく、スキルの学習や日常の問題解決まで、ほぼ共通の流れをたどる。分野によってアプローチ方法や細かい手法は違っても問題を解決する根本的な手順は一緒だ。

情報を集め、整理・分析する。根本的な問題や提供価値を見つけ出し、解決策を作り、試して改善した結果、問題が解決する。この基本フローは、どんな分野であれ変わらない。

例えばプログラミングの学習について考えてみよう。

まず分からないことが生まれたらGoogle等で情報収集し、どの情報が正しいか整理・分析し、解決策を考えて試し、駄目だったら改善してまた試す。その結果として、プログラミングの問題が解決する。つまり、今回お話した問題解決の流れと、ほぼ一緒なのだ。

プログラミングだけではない。日常的に自分がなにか、問題を解決する時の行動を追ってみるといい。多くの場合、似た流れを辿るはずだ。

そして、一連の流れを何度も繰り返すと、わざわざ図に書いたり、カードを使ったりしなくても、複雑すぎない問題であれば、即座に答えを出せるようになる。それが、問題解決能力が高いということである。

問題解決能力が鍛えられていない場合、すべての過程を逐一、手順を確認し、書き出し、整理しながら進めなければすぐに混乱するし、解決策もなかなか良い案は出ず、テストから改善の流れも遅い。気をつけるべきポイントも、いちいち確認しないとパッと頭から出てこない。何度も繰り返し実践するから、高速でフローを実践できるようになり、問題解決能力が高まるのだ。

では、先程のプログラミング学習のケースを例として「もし答えをすぐに聞いた場合」のことを考えてみよう。

分からないことが生まれた時「Google等で情報収集をし、見つからないので、すぐに諦め答えを聞く」という形で解決してしまったら、どうだろうか。情報の整理も分析も、ましてや解決策を見つけて試すことも、改善を繰り返すことも、全てすっ飛ばしてしまう。結果的に、問題解決の最初の1歩で思考が停止してしまい、それ以降の流れを訓練する機会が失われるだろう。

結果、知識だけ豊富で、やったことある内容なら作れるが、未知の内容となると、解決がめっぽう遅い、どうすればいいか分からない、という人材が出来上がる。あとは現場で地獄を見ながら問題解決能力を鍛えるしかない。仕事が出来ずに悩む人も、向いてないかもと思い挫折する人も、相当に多いことだろう。これがよく言われる「仕事が出来ない人誕生の瞬間」だ。

答えを聞いていいのは「すでに問題解決能力が高度に鍛えられている人だけ」だ。思考フローが脳に定着していない状態で、答えだけ知って仕事をすると「たいした仕事の出来ない人」のレッテルを貼られる期間が、長いこと続くのは避けられない。

しかも厄介なのが、ある程度同じ分野で経験が溜まってしまうと、それ以降、大して考えなくても問題解決が出来てしまうようになることだ。というのも、各分野において起こる問題は、大抵パターンが限られるからだ。だから、ベテランになると、トラブルが置きても冷静に対処できる。以前、解決した経験があるため「ああ、あのパターンか」といったように、なんとなく解決策を出せるようになるからだ。なので、ベテランになればなるほど、問題解決能力を鍛える機会は失われていく。

常に新しい挑戦をし続けるタイミングでしか、問題解決能力は鍛えられない。例えばプログラミング学習を始めた初期などは、最も問題解決能力を鍛えるのに適しているわけだ。その機会を逃せば、常に「他の新しい挑戦をする」ことでしか、問題解決能力は鍛えられなくなる。そして、思考が鍛えられていないと、高度な問題解決など到底できないので、年収や仕事の領域も頭打ちになる。

新しい挑戦をする度に、常に誰かに答えを聞くタイプの人は、一生、問題解決能力が鍛えられない。イレギュラーに対応できない、すでに身の回りの誰かが解決した経験がある問題しか解決できない、という沼に陥る。ちょっとレベルが高い問題に太刀打ちできないのはもちろん、時代の高速変化に追いつけないし、今後の時代に求められるイノベーションや新規事業開発の分野では、手も足も出ないというわけだ。中の下の人材で終わる。

このトピックに関しては、かなり大事だし、今回の内容だけだと誤解がある気もするので、また改めて解説していく。

ということで、まとめが長くなってしまったが、このあたりで締めとする。今後、なにか悩みや問題を抱えてしまった時、逆に問題解決力を鍛えるチャンスだと思って、今回のフローを試して見てほしい。今までよりも的確に問題を解決できるだけでなく、将来への安心感、そして何より自分自身がレベルアップするチャンスを得られるはずだ。

注意点

最後に、今回の方法における注意点を3つ記しておく。下記の3つに当てはまる場合には、今回のフローを使う必要が無い場合も多い。

まず1つめは、簡単な問題や単純すぎる問題だと、役に立たないケースがあるということだ。例えば、特に今回のような過程をふまなくても、問題解決能力がそこまで高くなくても、直感で「こうすれば解決できるよね」と解決策を導き出せるケースがある。結果、今回のフローを実践しようがしまいが、同じ答えに行き着くことも多い。それは問題や提供価値が単純でシンプルだからだ。複雑な問題でなければ、それほど今回のフローを実践する意味は無い。

そして2つめが、根本的に失敗することが濃厚な場合も多い、ということだ。例えば恋愛の例を考えてみると、好意を抱く相手が、どんなに頑張っても恋愛対象として思ってくれないこともある。これは感情の問題なので、正直、乗り越えることにかなり骨が折れる。ただ、何回も諦めずに挑戦し、価値を提供し続ければ、もしかしたら振り向いてくれるかもしれない。しかし、限りなく成功確率は低いだろう。

最後の3つめが、感情が強く入り込むケースの場合、成功しにくいということだ。人間、こうした方がいいと分かっていても、感情に振り回されて、そのとおり実行できないことがある。または、相手が超直情的な場合、すべての解決法をすべて無視して、関係を打ち切ってしまうかもしれない。感情に振り回される相手、または自分が感情に振り回されてしまうなら、高い効果は期待できないということだ。家族や恋愛など、プライベートな問題は、感情が入りやすいので、失敗するケースが多い。

大切なのは「問題がシンプルすぎる場合は、直感で考える」「前提として解決が成り立つか考える」「感情を強く反映させない」ということだ。この3つの前提をクリアした場合、今回の内容は特に、効果を発揮するだろう。とは言え、大抵の問題は、上記をクリアしているので、使えるケースの方が圧倒的に多いことは間違いない。

最後に、今イチオシの仕事を載せておく。

WEBデザイナーやエンジニアを目指す方、そして、現役の方でキャリアに悩んでいる方は、絶対読んで欲しい。

では、また次回。

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