【800字エッセイ】朝のご褒美
あたくし、オジおばさんは健康のために早朝ウォーキングをしている。
ダイエットも兼ねているが、全く痩せない…停滞期が長すぎる…
それはさておき、今朝も5時前に起床し外を見ると小雨が降っている。
オジおばさんは基本的に面倒臭がりなので、何かと口実をつけてウォーキングをやめようとする。
「小雨だからやめとくかぁ。いやでも今週はこれから天気悪そうだからなぁ。歩ける時に歩いとかないと。」
自分自身を鼓舞してウォーキングスタイルに着替える。と言っても、ハーフパンツを履きTシャツは寝てた時のまま。そして靴下を履く。それだけだ。
この「靴下を履く」ってのがオジおばさんの切り替えスイッチだ。靴下を履く=外に出かける、という思考がインプットされているのだ。だから一日中家でダラダラしている時は決して靴下は履かない。冬でも同様である。
話が逸れたが、外へ出ると小雨も上がっていた。そのままいつものコースを歩き出す。東の空から優しい陽が差し込んできた。
するとどうだろう。西の空に虹が架かっているではないか!!久しぶりに大きな虹を見たもんだからテンションがあがる。
公園まで行けば空が開けるから、そこまでの歩調も軽やかになる。
公園に集まっている人たちもスマホを手に写真を撮っていた。東から引く光が当たっているせいか、虹から光の帯が発せられている感じが幻想的だ。
公園を一周してくると、なんと二重に虹が架かっている。
「これは自分に負けなかった朝のご褒美だ」
そう思って歩き出した途端、雲行きが怪しくなり、本降りの雨に降られてしまった。それと同時に虹も姿を消してしまった。
やはり世の中は「正と負」で成り立っているのだと改めて感じた、ずぶ濡れのオジおばさんであった。
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