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【800字エッセイ】足を攣った

あたくし、オジおばさんは若い頃によく足を攣っていた。

足を攣るのは癖になるのか知らないが、「あ、これからふくらはぎが攣るな」と事前にわかる。筋肉がギュッとなる感覚が来るからだ。

金縛りに遭う時も同じような感覚になる。「あ、金縛りに遭うな」と直感的に感じる。

足を攣るのは、筋肉が急な収縮を起こし元に戻らない状態だという。
原因は、急に身体を動かした時や、栄養不足、水分不足、冷えや熱中症でも起きるようだ。

3日ほど前、寝ている時に急に目が覚めた。
「ん?久しぶりに右足のふくらはぎが攣るかも」
そう感じた瞬間、久しぶりの激痛に襲われた。
「うぉー、きたぁー、痛いよー」
ベッドで悶えている時に思い出した。昔父親から聞いた話で、攣った方の足の親指と人差し指を動かすと治るというものだ。
やってみると、症状は治り激痛は去った。
「よかったぁ」とそのまま眠りについた。

翌朝、普段通りベッドから出て歩こうとした瞬間、
「痛ぁー」
右足のふくらはぎに激痛が走った。
攣った状態は治ってるのに、まだ筋肉が痛い。しばらくすると激痛は無くなったが、それから1日は歩くたびに鈍痛があった。

何が原因だったのか。この時期だから水分不足だったのかもしれない。
いや、待てよ。攣る原因のひとつに「イオンのバランスが崩れる」ことと書いてあった。
え、昨日飲んだイオンウォーターが原因か??だとしたら、無茶苦茶イオンの影響、しっかりしてるじゃん、と感心してしまった。

若い頃は攣ったとしても、翌朝まで痛みを引きずることはなかったのに…
傷は治りにくくなるし、蚊に刺されたところはしばらく後になるし、組んでいた腕はワイシャツのボタンの後がしばらく取れないし…

こうやって徐々に衰えを感じ始めるのだなぁと、しみじみとした朝を迎えたオジおばさんであった。

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