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ユーザーの課題解決は自身の課題解決?様々な分野を経験し、プロダクトを生み出してきた小林さんの大切にしていること|小林寛和氏インタビュー後編

コデアル株式会社創業時にインターンをされており、株式会社リブセンスを経て現在はスタートアップで取締役をされている小林さんとコデアル株式会社CEO愛宕翔太の対談インタビューの前編

<小林 寛和プロフィール>
2012年 学生時にコデアル株式会社にインターン
2013年 株式会社リブセンスにエンジニア・インターン
2014年 大学卒業後、株式会社リブセンスに入社、分析基盤エンジニアとして3年4ヶ月勤務
2017年 現在の会社に執行役員として入社、現在は取締役執行役員に
現在に至る
@shotaatago プロフィール

即戦力エンジニアのあなたに、複業案件のスカウトが届くハイクラス複業案件サイト「コデアル」を運営中。コデアル株式会社社長。中卒の父に感謝してます。 東大発ベンチャーで働きつつ、学費を稼ぎながら、東大卒→ヒモ→24歳でコデアル社創業→事業売却→上場企業クラウドワークスへM&Aにてグループ入り。

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エンジニアから一転営業?どのように移り変わる役割に対応してきたのか

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愛宕)小林さんと話をしている時に、営業などはあまり自分は得意じゃないとおっしゃられてたんですが、先ほどの話だとご自身で新規事業の営業をされて、しかもちゃんと受注してきたんですよね?

小林)そうですね

愛宕)元々それほど営業経験がない中で、どうやったんでしょうか?

小林)セールスフォース社(顧客関係管理システム世界一位の企業)の
『The Model』という本があるんですけれども、そこを結構参考にしました。


SaaS型のビジネスを売る時に、どういう部署構成にするべきかとか
何を考えなければいけないのかみたいなところを、要素としてピックアップして、みたいなことをやってましたね。

愛宕)『The Model』という本があるというようなことを教えてくれる先輩がいたとかではないですよね?

小林)そうですね、でも色んな勉強会とか見ながら『The Model』というのを提唱してる人が結構多かったんです。本を読んだだけでは当然だめで、実際営業に行ったりしなければいけないんですけど、この部分はコデアルの時に営業を何度もしていた経験が活きました。

でもやっぱり人前に出たりするのは得意じゃなかったので営業は結構辛かったです。

愛宕)逆に、小林さんが色んな役割をやる中で、ここは得意だなって思ったところはありましたか?

小林)最初に自分のアイデアをプロダクトにしようと思って新規事業のプロダクトを作りましたし、プロダクトのターゲットが自分の歩んできたキャリアそのものだったんです。

今もデータエンジニアとかそういった方の課題を解決するためのサービスを作ってますし。

自分自身がユーザーで、自分自身が作り手なのでどんどんアイデアが出ますし、こういった課題を解決したいなどの意見をユーザーから吸い上げるプロダクトマネージャーのような役割が自分に向いてるとは思っていました。

愛宕)なるほど。自分自身のデータエンジニアとしての課題を解決する
ということなのでユーザーの細かいペインも分かりますよね。

自分の痛みでもあるから、早く解決したいよって思うでしょうし。


企画を立てる時のコツとは?それに気づいたきっかけ

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愛宕)今の会社では取締役をやられてると思うんですけど、取締役になったタイミングはどの時点になるんでしょうか?最初からでしたっけ?

小林)いえ、最初は平社員で入って、受託案件をひと段落させるというかちゃんと作り終えるタイミングで執行役員になりました。そして、主幹事業のプロダクトを作ってそれが成長してきたタイミングで取締役になったという形です。

愛宕)今の会社の新規事業を立ち上げる前にいたリブセンスでは、特に新規事業をやっていた経験とかないですよね?全社のデータ分析基盤のところを作るという仕事内容でしたから。

小林) 実は、新規事業の経験がリブセンス時代にもありました。リブセンス時代にすごくお世話になっていた先輩がいて、その方と一緒に放課後プロジェクトでサイトを作ってみようとなったんです。

そういったきっかけでサイトを作るみたいなものはやってましたね。

愛宕)それはうまくいったんでしょうか?

小林)そうですね、上手くいきました。月間百万を超えるようなPVが集まるようなサイトに育ちました。

愛宕)こういうものをやったらいいんじゃないかとか、企画を立てる時のコツというのはあるんですか?

小林)とにかくユーザーの課題に向き合うことだと思います。ユーザーは大体要望を言ってくれるんです。

でも、その裏側にある本当の課題や問題は何なのかというところまで根気強くヒアリングして、なおかつその裏側にあった問題に対して最短の解決策は何なのかを整理して考えるのが非常に大事だと思ってます。

愛宕)今、すごくまとまった言葉で説明してくださったんですけどそういう考え方ややり方というのはリブセンスの中で学んだことなんでしょうか?

小林)エッセンスは確かにそこにもあったかもしれません。

愛宕)先ほどの『The Model』と同じように、そういうことを語っているような本などがあったんでしょうか?凄く綺麗に言語化されてるなと思ったので。それとも自己流で考え方ややり方を身につけたんでしょうか?

小林)リブセンスに入った時、テックブログなどを書く機会があったんですけど、日本語や論理的なロジックみたいなのがしっかりしていなくて、一度
全社的に注意されたんです。

そこから同期の方に、論理的思考力を高めるためのトレーニングなどの本を紹介してもらったりしながら、徐々にそういう勉強をしていったことで論理的思考が身についたと思っています。

論理的思考について学ぶ中で、何か問題があって、課題があって、それを解決するという、いわゆる課題解決フレームワークみたいなものがあるというのも勉強していったという感じです。

あとは実際の経験から学んでいきました。実際にプロダクトを売る中で、お客さんが付いてくると、色々な要望や問題があるんですけど、それをどうやって整理するのが良いのかというのを必死に考えながらやっていたら、自然とそういう考え方ややり方が身についていたという感じです。

取締役になっての役割の変化は?プロダクトにも経営にも関心があるような人材になるには

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愛宕)ここまでは技術とか、データ分析、サービスを作るという話がメインに出てきてましたが、取締役になられたことで役割にはどのような変化がありましたか?会社の経営的な観点で言うと、財務三表とかそういうところをやったりとかを今はしてるんですか?

小林)今役割としては、CPO(チーフプロダクトオフィサー)で取締役なんですけれども、会社全体のPLを見たり、財務諸表みたいな部分はCEOがやっています。

ただ、新規事業における売上、利益、コストなどは見ています。事業に関する責任というか裁量はかなり与えていただいているので、その売上や利益を最大化するためにどうすべきかを常に考えてるような形になります。

愛宕)なるほど。でも小林さんのようにプロダクトを見ながら、そういう経営的な数字にも触れるというのをやれる人って少ないと思うんです。プロダクトにも関心があって、経営に近いところにも関心を持つには何をやったらいいですかね?

小林)プロダクトマネージャーとしてやるべきことって、最近わりと確立してきてると思うんです。

PDM(プロダクトマネージャー)とPM(プロジェクトマネージャー)の違いは何かなどもよく言われますし、一般的にPDMという職種が浸透してきていますし、CPOっていうポジションを置く会社も増えてきましたよね。

そういった意味で、プロダクトをいかに効率的にデベロップしていくかというところは学問としてちゃんと育ってきていて、そこを学ぶのは今や割と誰でもできると思うんです。

愛宕)そうですね。

小林)そういう風に学ぶことができるようになってきているのはいいことだと思います。ただ、一番重要なのはプロダクトのミッションや解決すべき課題に自分が共感できているかどうかだと思います。

要は、全然自分が関心のないプロダクトに入って、PDMをやることって
あんまり面白くないと思いますし、成長するモチベーションにも繋がらないと思います。

自分自身に課題意識があることを解決するプロダクトのPDMをやるというのが凄く大事なことだと思います。

そうすると、自分自身もユーザーになるので、ユーザーのペインも分かるようになるし、そのプロダクトが真に成長することを望むことになる。そうなった場合、必然的に売上を上げたいと自分で思うようになったり、経営とか
そういうところにも近づいていくんじゃないのかなと思いました。

愛宕)確かにそうですね。技術としてのプロダクトマネジメントだけではなく、むしろ自分自身に課題意識があることを解決するようなプロダクトに
向き合っていける機会を得るのが大事ということですよね。

小林さんの伝えたいこと

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愛宕)ここまでで僕の質問は終わりなんですけど、エンジニアに限らず、IT領域の人でプロダクトを作ったり、それを伸ばしていくことに関心があるような人に向けて、最後に一言お願いしてもよろしいでしょうか?

小林)はい、わかりました。今おっしゃったようにエンジニアの方もいらっしゃるでしょうし、プロダクト側の方も色々いらっしゃると思うんです。

自分は色々なキャリアを積んできていますが、エンジニアからコードを書かずにプロダクトに専念するというのはすごく勇気のいることだったんです。

でも、フィールドを移してみると意外と自分の才能が発揮できることもあったりするでしょうし、複数の職種を経験してみると、それを総合的に高めるために、経営とかそういったところに興味を持ち始めたりとかもするきっかけにもなります。

結果として、会社のヒエラルキーの中で言うとより上位層みたいなところも
狙えるような職能が付いてきたりすることもあると思うので、皆さんも今の職種にとらわれずに、掛け合わせのような職種にチャレンジするというのも
ありだと思います。

愛宕)なるほど。役割を広げることを実践されてきた小林さんならではですね。当然狭める人もいていいと思うんですけど、広げる選択肢もあるということを、実体験から聞かせていただけて楽しかったです。今日はありがとうございました。







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