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ウルトラマンとアンパンマン:正義のミカタってどっちだろう?

 ウルトラマンが放映されたのは、ちょうど私が生まれた年のこと…幼稚園の頃には第3作の『帰ってきたウルトラマン』に夢中だった。ウルトラマンは、カラータイマーが赤になっても怪獣と闘い続ける正義の味方。人を困らせ、建物を破壊する怪獣を倒すウルトラマンを応援する一方、毎回新たに登場する怪獣の絵を描くのが楽しかった。【上記写真の出典:円谷プロ】

 ウルトラマンのシリーズは何度も再放送されたのだが、だんだん怪獣に愛着が湧くようになると同時に、ウルトラマンが怪獣を攻撃する過程で、街や自然が破壊されるのを見て、「いいのかな?」と疑問を抱くようになった。しかも、ウルトラマンが闘う怪獣には主に2種類あって、地球を破壊し、地球人に明らかな害を及ぼす怪獣と、同じ地球上に生息しながらも人間の都合により淘汰されてしまう怪獣が存在することに気付いた。

 宇宙から来た高度な生命体に地球が侵略・支配され、人類が殺戮の対象になることは、地球人の立場からすると「悪」である。しかし、もともと地球上でひっそりと暮らしていたはずの怪獣を、人間による自然破壊や科学実験の影響で目覚めさせて場合、ウルトラマンにより怪獣が殺されることは「正義」と言えるのだろうか。ウルトラマンは「正義の味方」ではなく、単に「人間の味方」になのではないだろうか。
 調べてみると、ウルトラマンに登場する怪獣の少なくとも半数は、地球に住む生命体であり、怪獣が暴れ出した原因も人間の側にあることがわかる。ある学者が指摘する。ウルトラマンに描かれる「怪獣」という自然の象徴的存在が、人間による環境破壊等の問題行動が要因となって人間界を襲撃するに至ったという問題と、森の奥にひっそり暮らしていたコロナウイルスが、人間による森林開発の結果として人間に感染し、今やパンデミックを引き起こしているという問題は、とてもよく似ていると…。

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