終戦の日|敗戦後の731部隊と日本医学ほか
この投稿は前の投稿の続きとして読んでいただけると幸いです。
★大事なお断り★
私の本職はメディア関係です。ここに綴るのは、メディア業界の者として得た知識や知見に基づくものですが、あくまでも個人的な発信です。よって個人的な価値観に基づいていますので、言葉遣いには偏りがありますが、メディア陣として内容は事実をしっかり記載しようと考えています。また、強い表現や言葉遣いもありますが、731部隊の存在による衝撃さを分かりやすく身近に感じてもらえるように伝えたいため、あえてそうした表現をしています。
731部隊の実験とナチスドイツの実験
◎共通点
①被験者を殺してしまうもの。治療する気はない。
②被験者は、いずれにせよ殺される人である。日本にとっては捕虜、ナチスドイツにとってはユダヤ人など。
③軍事上の目的のため。日本はアメリカに逆転勝ちするため、国家プロジェクトとして細菌兵器の開発を目的としていた。
◎相違点
①ナチスドイツの場合は収容所にて、囚人がいきなり実験対象となる。日本の場合は人体実験用施設(石井機関)にて、捕虜をはっきりと人体実験目的としていた。よって、ナチスドイツの実験は思いつきで進め、日本の実験は計画的に進めていた
②ナチスドイツの入隊者は個人希望、日本の場合は医学界も関わり軍による集団として
③ナチスドイツでは生き残った被験者もいたが、日本の場合は完全なる証拠隠滅(口封じ)のために生き残った被験者を殺害し焼却したことで生き残りはいない
④ナチスドイツは囚人を行き当たりばったりで実験、日本はどの捕虜をどのような実験に用いるかに上層部の承諾が必要であった。上層部とは関東軍は陸軍首脳部、もしかしたら天皇陛下(当時は天皇主義)まで責任が及ぶかもしれない
⑤ナチスドイツは②の通り組織的ではないから証拠をたくさん残したが、日本は完全なる証拠隠滅が徹底されていた
⑥ナチスドイツは裁判に問われが、日本はアメリカにより戦争犯罪から免責された
旧日本軍も現日本政府も隠す731部隊
731部隊で実験を行った関東軍の人は今も生きている。
そりゃ年代的にあり得るでしょ、そういうことではない。終戦時、生き残っていたマルタ(捕虜)は全員殺害して焼却し、書類や撮影したフィルムも全処分し、満洲から撤退する時に施設を爆破させ、そこで働いていた関東軍の隊員は薬物で自殺するように指示された。完全なる証拠隠滅を大日本帝国は行った
自殺の指示に従わず今も生きている元関東軍の人もいる。ただ全く口に出さず、自分が元関東軍だったことを隠している人もいるとみられる。終戦後、自殺を薦められた一方で生きているならば、絶対に口に出してはならず、互いに連絡を取り合うことも禁止とされた。記憶からも消せということを大日本帝国が指示したということだ
以下の方も最近になって公言した。公言している人は手で数えられる人数しかいないはず
◎日本テレビ news every. 2024.08.15
731部隊に所属していた方で94歳の清水さん。
731部隊が存在していたことをメディアを通じて公言した一人。自分が生きているうちに謝りたいと、終戦以来79年ぶりに現地に訪れた
◎TBS 報道特集 2024.04
この94歳の男性について、TBS報道特集が4月に報じている。ぜひご覧いただきたい
満洲に派遣された関東軍の人たちは、自分が何をするかも知らされず、終戦後には証拠隠滅と口封じを強制させられた
◎NHKニュース 2023.08
完全に証拠隠滅されたはずの731部隊の資料が見つかったと報じられている
日本の医学が世界トップレベルの理由
今、日本の医療は世界トップレベル。それって医療の研究ができないと世界トップにはなれないよね。結局、人間の体のことは人間の体を解剖しないとわからないよね。そう、731部隊の実験結果が今の日本の医療に大きく貢献している
敗戦国となった日本は、アメリカにその実験結果を報告しなければならなかった。よって世界にも大きく貢献している
ただ現代日本は、それを貢献という表現なんてできるわけがない。だから政府は人体実験をしていたことを認めるわけがない
※正確には、終戦後アメリカに報告しなければならなくなった時、日本は731部隊の存在を認め、細菌兵器の開発を目的としていたことも認めた。しかし、人体実験だけは認めなかった。それは今も変わらぬまま。
医学部って、頭良くてお金ないと入れないよね
なんでそうなったのでしょうか
>>731部隊の内容を擁護するつもりは無いと告げた上で。理屈だけでいえば、今の日本政府が隠す理由、理解も納得もできてしまう。憲法も新たに定められ、大日本帝国から現代日本へは国が生まれ変わったかのように我々は学校で教育されてきたが、とはいえ歴史は途絶えない。だから敗戦の上に今が成り立って当然だし、すなわち今の憲法がGHQによって定められたのも、これも理屈だけでいえば理解も納得もできてしまう
>>これを聞いてさまざまな捉え方があるでしょう
・なぜ政府が隠しているのにこんな広まっているの?
→証言者もいれば、中国がそれを訴えている
・教育こそ印象操作なのでは?
→個人的にはそこまでは思わないが、教育内容を定めているのは文部科学省、すなわち日本政府
・これは本当なの?
→政府が隠しているのではなく、政府の主張が正しく、この話は陰謀論に過ぎないと考えたくなる気持ちもわかる。けれどここまで証拠も証言も揃っている。そしてナチスドイツやムッソリーニのイタリアと同盟を組むなんて、現代の価値観からして大日本帝国がいかに狂っていたか。それを考えれば政府が隠していることも納得できなくとも理解できるのではないか
731部隊の方々の終戦後の人生
敗戦と同時に薬物を使って自殺するよう求められたとはいえ、国が死刑にしたわけでもないから生きている人がいて当然だった。上記の清水さんもその一人
本来ならば重大な戦争犯罪として国際的に罰せられるが、誰も罰せられていない
おそらく世界史の中でこれよりも重大な戦争犯罪って無いようにも感じる。当たり前のように人を殺して解剖して…。
日本を占領したアメリカは調査を始める。しかしそれは、戦争犯罪の調査ではなく実験結果の調査だった。こうして日本はアメリカに実験結果を伝えることとなった。先述の通り、日本は細菌の研究は行ったことを認めたが、「人体実験は行っていない」と主張した。のちにアメリカにバレたが…。皮肉にもその実験が医療技術の発展に繋がったわけで、アメリカは自国の利益を優先したため、アメリカによって戦争犯罪は免責された
歴史的というより現実的に考えると…
第二次世界大戦のあとにできた国際連合
常任理事国は戦勝国で埋まっている
(今はそれが大きな問題となっているが…)
つまりアメリカもそこに含まれている。
けれどアメリカは、とてつもなく重大な情報である実験結果を日本から受け取っている。アメリカからのお礼なのかもしれない。またそうすることで占領した日本に反乱を起こさせないようにしたり、いろいろな狙いがあったのかもしれないよね
罰せられていないのならば、終戦後何をして働いたのか
この国のために、国家秘密という言葉よりももっともっと闇深く本当に秘密にしなければならない人体実験やら生物兵器の開発やらを行った者(生存者)へ、国は東京大学や京都大学の関係者の職、地位を与えたという
そもそも、冒頭のナチスドイツとの比較にも記載の通り、731部隊の石井機関での実験は医学業界が関わっていた
世界で誰よりも人体について調べた人たちが日本を代表する大学関係者となれば、そりゃ日本の医療は世界トップレベルになる。また、医学部が頭良くてお金がないと入学できないカテゴリーになって当然になる
日本における裁判 最高裁棄却
「731部隊 細菌戦 国家賠償請求訴訟」という裁判がある。被害者らが日本政府に謝罪文と賠償を求めた裁判
1997年8月 東京地裁に民事訴訟として提訴
2002年8月 東京地裁 棄却
2003年5月 東京高裁 控訴審
2005年7月 東京高裁 棄却
2007年5月 最高裁 棄却
それぞれ棄却理由
・憲法9条に戦争しないって書いてあるんだから…
>>現代日本は戦争しないと最高法規の憲法で定めている限り、照らし合わせられる法律が存在しない
>>戦争があったのは、日本にとっては大日本帝国憲法の時代
・証拠隠滅されてしまい立証できない
詳しくは裁判所ホームーページ内で検索かけると、超長文の判決理由が書かれたPDFが添付されている
>>裁判というのは司法の場であり、感情論ではなく法律に照らし合わせて判断するから、こうなる結果は致し方ない。しかし、立法の場の国会が731部隊被験者の補償に関する法律を作れば判決は変わったかもしれない。
それはどちらが良い悪いの話ではなく、こうして司法と立法が連動するならば、三権分立といえるのだろうか
最後に
今回これを綴ったのは…
私は知識を自分だけのものにせず共有することでみんなより豊かになるのではないかと思っていて、だからこそメディアの仕事をしているわけでもあって…
「伝えたい病」に罹患してしまったんですね笑
ただ、映像が好きで映像業界の視点で撮影というポジションでメディア業界に就いたから、記者さんみたいに自分で執筆することは全くなくて…
この731部隊は、今までのどんな報道よりも衝撃的でこうして伝えたい、考えてほしいと思った。それこそ記者だとメディア陣と執筆しないとならないから、顔の出ない撮影マンであればこうして個人の範疇で綴ることができる。
もう一度念を押しますが、この投稿は私個人としての投稿です。
そして、この731部隊に限らず、日々の事件事故・災害・政治・経済・国際…
カテゴリーは違えど、ニャースの裏側、報じられない・報じきれない部分がどうなっているか
目に見えるものが全てではないということ
だからこそいつまでも学び続けるべきだということ
(私自身、優秀な学歴でもなければ大卒ではありません。専門卒です。メディアとはいえ、撮影となれば学歴は問われないです。だからこそ痛感しています)
日本史や世界史というと規模がデカいけれど、今の自分だって過去の自分がいるからだし、歴史は全て繋がっているということ、だからこそカテゴリーの異なるニュースも全て何かしらで繋がっていること
そんなことが伝わればいいな
そんなふうにニュースをチェックしていただけたらいいな
と思っています。
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