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日本食とは何かを考え始めたら、歳をとった時の酒が美味しくなった話

日本食といえば、お米と味噌汁、焼き魚と卵焼きのような形式が一つの例として考えられます。

しかし、お米は日本生まれではありません。もともとは中国に生息していて、縄文時代にジャポニカという品種が日本にやってきたそうです。それ以来、日本各地で食べられるようになっています。

同じように、味噌汁に使われている大豆も2000年ほど前に日本に伝来しています。物価の優等生と言われる卵も、江戸時代に入るまで食べることが一般的ではありませんでした。

日本食の定義は誰が決めるのか

国語辞典の定義は以下の通りです。

日本風の食事。日本独特の料理。日本料理。和食。

料理をつくった人が、日本風の食事にすれば日本食になり得ます。食べる空間の雰囲気、お皿の雰囲気などで日本食として見てもらうことが可能です。

日本料理は、「日本に由来して日常的につくり食べているもの」という広義の意味と、「精進料理や懐石料理などの形式を踏まえたものや、御節料理や彼岸のぼたもち、花見や月見における団子、冬至のカボチャなど伝統的な行事によるもの」という狭義の意味があります。

現代においては、広義の意味合いで理解されており、広義の意味合いを踏まえて提供していくことが大事だと思います。

精進料理と懐石料理については、動画で解説しています。

日本食の定義について考えると、昔は日本食ではなかったものも、今は日本食になっているものもあると考えるべきだと思います。

コロッケもいい例です。定食屋さんにいくと、「コロッケ定食」があります。ご飯と味噌汁に、コロッケとキャベツ、トマトなどが盛られている定食です。今となっては和食っぽいコロッケですが、明治時代に日本にもたらされたとされています。

カルフォルニアロールも寿司

日本食として海外に普及したものでも、海外で海外のニーズに合わせて変化したものもあります。

例えばカルフォルニアロールです。アメリカの寿司といえば、カルフォルニアロールを想起する人も少なくありません。

日本の巻き寿司は、具材をご飯で包んで海苔で巻くのが一般的です。カルフォルニアロールは、具材を海苔で巻いてご飯で包むという形式です。具材もアボカドなど、日本ではなかなか使わないような奇想天外なものを使います。

カルフォルニアロールを見て、
「日本の寿司とは全然違う!邪道だ!」
のような感じで感情的になるのではなく、
「これも一つの寿司の形態としてありだな。」と考えた方が、精神的にも優しいし、人生を楽しめる気がします。

逆輸入という形で、アメリカで考案されたカルフォルニアロールが日本に入ってきて、日本で定番化し、何年何十年も食べ続けられると、気がつけば日本食として定着してるのではないかなぁと思います。

余談ですが、カルフォルニアロールを考案したのは日本人です。アメリカ人が海苔を気味がって、巻き寿司から剥がしていたのを見て、海苔を内側に巻くようになったそうです。

風土は、風の人と土の人で構成される話

風土という言葉をご存知でしょうか?知っている言葉ではありながら、理解されていない言葉だと思います。

例文としては、
「この料理は、この土地の風土にあった料理ですね。」といった感じです。

カルフォルニアロールがアメリカで誕生したのは、風土が出来上がった一つの事例であると考えます。

風土というのは、「風の人」と「土着の人」によって構成されています。風の人というのは、その地域に外からやってきた人。土着の人というのは、その地域に古くから住んでいる人。外から来た人と、古くから住んでいる人の化学反応的な出会いからその土地の風土は生まれていくのです。

日本人が寿司文化をアメリカ人に最適な形で持ち込んだことでカルフォルニアロールが誕生したように、フランス料理のクロケットを日本風にアレンジしたのがコロッケになったように、風土が誕生し、結果的に一つの伝統的な形になっていくものです。

多様な食文化を受け入れていきたい話

「衣食住」というくらい食べることは、人間にとって欠かせないことです。多くの利権が絡んでいたり、企業がビジネスチャンスを模索している領域です。

最近だと、ヴィーガンやベジタリアンのような食生活があり、多様な見方をされています。有機栽培や自然農法などの栽培方法に着目していることもあります。

自分自身、ポジションをとっているわけではない中で、感じることは
「いずれにしてもメリットデメリットがあって、互いの主張が正しい」
ということです。

ヴィーガンにはヴィーガンの良さがあり、注意しないといけない点もあると認識しています。

日本食や伝統的な食べ物についても同じです。古き良き文化を守ることも大事ですが、一歩引いて考えてみるのも大事だと思います。昔ながらの想いや作り手に依存した考え方だけではなく、時代感を踏まえて持続的な取り組みをしていくことが結果的に重要なことだと思います。

ヴィーガンに関する解説動画もあります。

結果、SDGs

日々、時代は変化しているワケで、変化についていくというより、変化を受け入れていくという意識が心に余裕を生み出して、幸福感を感じながら生きていく秘訣なのかなぁと思っています。

SDGsに関しても、世界的に新たなルールがつくられたような形だと理解しています。自分たちでルールをつくることよりも、つくられたルールを受け入れてその中で対応していくべきなのかなぁと感じます。

自分よがりにならず、多様な視点で、多様な考え方があることを心から理解すれば、食文化も発展し、自分自身も時代の変化をゆるりと楽しんでいける気がします。

歳をとって、「昔はこうだったけどなぁ、、」なんてお酒を飲みながら感傷に浸っている自分を妄想しています。

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