深夜特急1 香港・マカオ 【読書感想】
「大人になってやっと分かった深夜特急の世界観」
▪️世界を旅して研ぎ澄まされる感性が面白い
▪️初めて読んだルポタージュ
▪️日本では味わえない、人との出会いや出来事に触れて
【読書のきっかけ】
深夜特急との出会いは二十歳のとき。
母が「いつか絶対に読んだほうがいい」
と薦められた。
当時は児童文学や小説ばかり読んでいた。
何気なく、本やで本書を購入。
難しかった。
早かった。
面白さが分からなかった。
またいつか読もう、と思った。
深夜特急はファンが多いですよね。
義理の兄もファンで、
深夜特急の影響で東南アジアに
一人旅をしていた。
凄い。
一人の青年を突き動かす。
凄い本なのだと改めて感じた。
購入から15年以上経過し、
読書する習慣になった今。
定期的に次読みたい本をストック
している。
次に何読もうか考えたとき、
「今こそもう一度、深夜特急を読んでみよう!」
そう思った。
【読書感想】
読書をしているときの脳の働きは、
実際に読んだことを
体験しているときと、
同じ動きをしているらしい。
だから読書は動画よりも、
その経験が心に響く。
深夜特急の一人旅。
読書をお通して沢木さんの
旅を体験できる。
この本の魅力はそこだと思う。
海外に行くといろんな人と出会う。
その人がまた面白いこと。
なぜかドラマが生まれる。
いや、沢木さんの感性が
ドラマにしているのかもしれない。
香港、マカオ。
親切な人が多いのだなと感じた。
貧しい地域なのに。
日本を出て、旅をして、新しい世界を旅する。
自分には絶対にない感性が沢木さんにはある。
それが読んでいて楽しいのだ。
「こんな人がいるのか」
「なぜこんなことが起こるのか!」
その展開が予測不能、
自分の常識が通用しない。
だから読み進めるのが楽しかった。
終盤に沢木さんがギャンブルに興じる。
このスリル感が半端ない。
目的地はあるけど、
当てのない旅の中で貴重な資金。
そんな中で興じるギャンブルに、
手に汗握りながら読み進める。
まるで自分が賭けているかの如く…
僕が読んだ文庫本はまだしリーズの1冊目。
全部で6冊。
旅は続く。
僕も一緒にロンドンまで行きたくなった。
そんな本でした。
次はいつ読もうか?
慌てて読みたくない。
じっくり読みたい。
それこそ、老後の楽しみに。
でもそのときはもう
旅をする体力はないかもしれない。
きっと心が疲れたときに読む。
そんな気がする。
また旅に出られる日を楽しみにしている。
【心に沁みた言葉】
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「ふざけるな」
私は思わず日本語で怒鳴ってしまった。
ところが、
不思議なことに、
いったんそう口に出してしまうと
嘘のように腹立たしさが消えてしまい、
逆にこのチャランポランな若い運転手に
妙に親しみを覚えるようになった。
どうにも憎み切れないとことがある。
考えてみれば、
客に金を出させて車の修理をしたり、
ガソリンを買おうとしたりするなど
といのはなかなかのアイデアだ。
悪くない。
そう思い返し、彼を話してみると、
それはそれで面白い、
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持つと持たぬと。
持てる者と持たざる者と。
しかし、持てるものが豊かで、
持たざる者が常に貧しいかといえば、
それはそう簡単あことではない。
貧困は僕にとって必ずしも
忌むべきものではなかった。
なぜなら、太陽と海は決して
金では買えなかったから。