【300字小説】 育ち盛り
子育ての終わりを感じたのは、夕食のあと炊飯器にお米が残っているのを見たときだった。
年子の男子二人は、歩き、喋るようになったと思ったらすぐに大きくなり、気付いたら育ち盛りに入っていた。起きている間中、炊飯器の中身を心配しお米を炊いていた気がする。いつまでこの日々が続くのだろうと思っていたが、今となればなんだか嵐のように一瞬だった。
次男が家を出ていき夫と二人の生活に戻った。私もだが夫は特に食が細くなり、一度に炊くお米の量も減った。満杯にしてもすぐに空になっていた冷蔵庫は、今では半分以上余裕がある。
残ったお米をタッパーに入れ冷蔵庫にしまう。明日、梅干しでお茶漬けにでもして食べよう。
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