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『異世界スーサイド・スクワッド』放送直前!曲者だらけのメンバーを紹介!

本日深夜24:30から、新アニメ『異世界スーサイド・スクワッド』の第一話が放送されます。

DCコミックスの悪役キャラクターたちが、異世界に飛ばされて決死のミッションに挑む本作ですが、「そもそもスーサイド・スクワッドって何?」「どんなメンバーがいるの?」と気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、アニメ本編に登場する主要キャラクターを中心に、曲者ぞろいの戦闘部隊"スーサイド・スクワッド"のメンバーをコミックスでの描写をベースにしながらご紹介します! これを読めば、アニメの予習もバッチリです!


スーサイド・スクワッドってどんなチーム?


まずは、スーサイド・スクワッド(正式名称はタスクフォースX)とは何か。

直訳すると、"自殺分隊"というなんとも物騒な響きですが、コミックスでの初登場は1959年9月刊行の『The Brave and The Bold』#25で、元々は第二次世界大戦中に命懸けの特殊任務のために結成された、メタヒューマン(能力者)構成員からなる準軍事組織でした。

『The Brave and the Bold』#25の表紙

その名の通り"自殺的任務"をこなすべく、屈強な犯罪者や悪党たちが召集され、恩赦と減刑を引き換えに危険な作戦へ投入されます。

メンバーは時代とともに変遷していますが、恐らく世間的に最も有名なのは、実写映画『スーサイド・スクワッド』(2016年公開)や『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021年公開)でも描かれた、アマンダ・ウォラー長官が率いるスーサイド・スクワッドでしょう。

今回のアニメもその部隊がベースになっているようですが、このアマンダ・ウォラーというキャラクターが、これまた悪党以上に非情な人物でして……。

まぁそれはさて置くとして、要はスーサイド・スクワッドとは、特赦を条件に政府によって集められた悪党たちの特殊部隊と覚えておけば大丈夫です。
次からはその中心メンバーを紹介します!

メンバー①:ハーレイ・クイン

『スーサイド・スクワッド:バッド・ブラッド』(小社刊)より。
髪の先端が赤と青のツインテールが特徴的なハーレイ・クイン。

DCコミックスのなかでも高い人気を誇る、悪役ヒロインのハーレイ・クイン(本名:ハーリーン・クインゼル)。彼女の名前はご存知の方も、比較的多いのではないでしょうか。

ハーレイは、1992年のテレビアニメ『バットマン』で初登場し、その後、コミックスでバックグラウンドが補完されていったキャラクターです。以来、DCコミックスの看板ヴィランとして活躍しています。

そんな彼女を語る上で欠かせない存在が、"犯罪界の道化王子"ことジョーカーでしょう。

実は二人は恋人関係にあり、元々ハーレイはアーカム・アライラム(ゴッサム最大の精神病院)に収容されているジョーカーを治療するために派遣された精神科医だったのですが、カウンセリングで彼の内面に触れていくうちに魅了され、恋に落ちてしまいます。

その後、彼女はジョーカーのアーカム脱走を手助けし、彼のパートナーとなってセクシーな道化のコスチュームに身を包み、ドーランを顔に塗ってハーレイ・クインとなるのです。*

*2011年にリニューアルされたNew 52シリーズにおいて、ハーリーンはブルックリンの郊外で育ち、両親と三人の弟がいるという設定がある。また、ハーレイ・クインの原点も以前の設定を踏襲しつつ「ジョーカーによって廃液タンクに投げ込まれたせいで肌が白くなり、正気を失った」という設定が加わっている。

ジョーカーにぞっこんのハーレイは、彼のことを「Pudding(プリンちゃん)」と呼ぶほど溺愛し、二人は相思相愛になっていくのですが、やがてその関係性も終わりを告げてしまいます(この辺の事情を書こうとすると、長くなりそうなので今回は割愛します)。

『バットマン:ダーク・デザイン』(小社刊)のワンシーンより。

それ以外にも他のヴィランと親密になったり、スーパーヒーロー同士の内乱に参戦したり、スーサイド・スクワッドにも召集されたりなど、波乱万丈な人生を送る彼女ですが、そのトリッキーで可愛らしい魅力は今もなお多くのファンを虜にしています。

ちなみに彼女はスーパーパワーこそ有していませんが、超人的な身のこなしに腕っぷしの強さ、精神科医だった経験を生かした人身掌握の術にも長けているので、相手にすると結構厄介なんです。

『異世界スーサイド・スクワッド』でも、クレイジーでキュートなハーレイ・クインが華麗に暴れ回る様が見られそうで、楽しみですね!

メンバー②:デッドショット

『スーサイド・スクワッド:バッド・ブラッド』(小社刊)より。
デッドショット。正確無比な射撃で、狙った相手は逃さない。

本名フロイド・ノートン。コミックスでの初登場は『Batman Vol.1』#59(1950年6月刊行)で、あらゆる銃器と爆発物に精通したヴィラン。銃と照準器が仕込まれたコスチュームを着ています。

『Batman Vol.1』#59 の表紙
ロケットのような機体にはバットマンと、その相棒のロビンが乗っている。

映画『スーサイド・スクワッド』では名優ウィル・スミスが好演して、その再現度の高いビジュアルも話題になりました。

そんなデッドショットですが、コミックスにおける彼の過去はなかなか壮絶です。デッドショットことフロイドと彼の母親、そして兄のエディは父親から虐待を受けていました。

ある時、兄が母親に説得されて父を殺そうとし、それを止めようとして、フロイドは誤って兄を射殺してしまいます。その後、成長したフロイドはゴッサムシティに移り、多くの犯罪に手を染め、たちまち裏社会のトップにまで登り詰めました。

ほどなくして、ベル・レ―ヴ刑務所に収監された彼は、リック・フラッグ大佐から恩赦を交換条件に、スーサイド・スクワッドへの参加を打診されます。入隊後、数多くの危険な任務を生き残り続けたフロイドは、やがて結婚し、子供も授かりますが、その我が子が誘拐事件に遭って命を落としてしまうという悲劇に見舞われます。

以上が彼の半生ですが、こうして振り返ると、ヴィランながらも相当な苦労を味わって来たことがわかります。

はたして、アニメ本編ではどのように描かれるのか、デッドショットにも要注目です!

メンバー③:ピースメイカー

『Peacemaker Vol.1』
特徴的なヘルメットがトレードマークのピースメイカー。

ピースメイカーというキャラクターは、実はコミックスでは初代から3代目まで存在するのですが、当記事では映画やドラマ、そして今回のアニメでも登場する初代ピースメイカー(本名:クリストファー・スミス)について解説します。

その名の通り、平和の使者と自ら称するピースメイカーですが、その実態は自身の掲げる正義のためなら殺人も厭わないという、行き過ぎた思想の持ち主でもあります(いわゆるアンチヒーロー的な立ち位置のキャラクターです)。

初代ピースメイカーは、チャールトン・コミックス*のスパイチーム・タイトルである『Fightin' 5』#40(1966年11月)で初登場を果たし、当時は戦時下だったこともあり愛国精神の強いヒーローとして描かれていました。

『Fightin' 5』#40の表紙

しかし、頭部を負傷して以来、双極性障害と統合失調症を患ってしまった彼は、ヘルメットからナチス親衛隊の将校だった父親の声を幻聴するようになり、平和のためなら手段を選ばない暴力装置になってしまうのです。

*1945 年から 1986 年まで存在したアメリカンコミックス出版社。1986年に会社が経営破綻したのち、DCコミックスが同社からピースメイカーの版権を買収した。

スーサイド・スクワッドのなかでも、とりわけクレイジーなピースメイカーですが、単独の実写ドラマ作品『ピースメイカー』ではペットの鷲"ワッシー(コミックスではEagly)"を可愛がる様子や、映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』では、大義のためとはいえ裏切って殺した仲間のことを思い返して苦しむなどの描写がされています。

コミックス当初こそサイコなキャラクター性を帯びていましたが、近年では彼に対する解釈の幅が広くなっているようです。そんなピースメイカーが、アニメ本編では新たにどんな活躍ぶりを見せるのか、気になるところですね!

メンバー④:クレイフェイス

『Detective Comics』#298の表紙
バットマンがしがみついている泥の怪物がクレイフェイス

コミックスでは、これまでに4人もの人物がクレイフェイスを名乗っていますが、ここでは『異世界スーサイド・スクワッド』に登場するクレイフェイスのベースとなっているのでは?と思われる、初代クレイフェイスことベイジル・カルロについて解説します。

初代クレイフェイスのベイジル・カルロは、『Detective Comics』#40(1940年6月)で初登場し、ホラー映画俳優という設定でした。

『Detective Comics』#40の表紙

ホラー映画俳優としてのかつての名声を失ったベイジルは、ある時、ハリウッドのプロデューサーが、彼の傑作映画『テラー』のリメイク計画を進めていることを知ります。

ところが、そのリメイク作品に自分がキャスティングされていないことを知って激昂。かつて自分が演じたクレイフェイスという怪物を粘土のマスクで自ら再現し、数人の俳優を殺害する凶行に及びます。

復讐に燃える殺人者となった彼でしたが、その後、"泥のような不定形の体であらゆる形状に変身する"という能力が加えられました。
この能力は、2代目以降も全てのクレイフェイスに共通して受け継がれていきます。

『異世界スーサイド・スクワッド』版のクレイフェイスはどのようなアクションを見せてくれるのか、期待できそうですね。

メンバー⑤:キング・シャーク

これは『Superboy Vol.4 』#9の表紙
濃い灰色の鮫のキャラクターがキング・シャーク

キング・シャークのコミックスでの初登場は『Superboy Vol.4#0(1994年10月刊行)で、その名の通り、巨大な鮫のヴィラン(本名:ネイナウ)です。

彼はハワイの人たちが古くから信仰してきた鮫の神と人間の母との子孫だとされていて、強靭な体力と、剃刀の刃のような鋭い歯を持ち、水中でも呼吸ができるので、かなり肉体派の能力の持ち主といえるでしょう。

ドラマ版『フラッシュ』シリーズや、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』などでもキング・シャークは実写化され、その強烈なビジュアルに圧倒された方も少なくないと思います。

スーサイド・スクワッドの作戦に協力した際は一度死んだかと思われましたが、他のメンバーの行動により一命をとりとめていて、それからはアクアマンにガイドの協力をしたりなどして、地道に活動を続けているようです。

『スーサイド・スクワッド:バッド・ブラッド』(小社刊)より。
奥にいる巨大の鮫のキャラクターが「シャーク」

ちなみに余談ですが、DCコミックスには他にも「シャーク」というテレパス能力を持った鮫のヴィランがいて、見た目もキング・シャークに似ています。にもかかわらず両者は完全に別のキャラクターという非常にややこしいことになっていて……まぁ、これもアメコミの面白さのひとつですね。

メンバー⑥:リック・フラッグ

Suicide Squad 1: Trial by Fire
両手で銃を持っている茶髪のキャラクターがリック・フラッグ

最後に紹介するのは、頼れる指揮官こと、リック・フラッグ(本名:リチャード・フラッグ・ジュニア)です。

彼は第二次大戦中にスーサイド・スクワッドを指揮した初代リック・フラッグの息子であり、父が戦士した後にその意志を引き継いで、スーサイド・スクワッドに入隊しました。

気になる初登場回は、スーサイド・スクワッドの初登場号と同じ『The Brave and The Bold』#25で、彼はスーパーパワーこそないものの、優れた格闘戦術と巧みな戦略でチームを牽引する優秀なリーダーです。

もしリック・フラッグがいなければ、有象無象のならず者たちが集まるスーサイド・スクワッドは、たちまち制御と秩序を失って一気に瓦解するでしょう。

彼の上司でもあるアマンダ・ウォラー長官は彼のことを信頼して、チームの指揮をほぼ一任しています(リック自身は渋々引き受ける形ですが)。

『異世界スーサイド・スクワッド』では、いくつもの死線をくぐり抜けてきたその手腕を発揮してくれることに期待しましょう。


さて、いかがでしたしょうか。

只者ではないスーサイド・スクワッドの面々、その魅力と危険性は十分に伝わったかと思います。

ShoPro Booksでもスーサイド・スクワッドが活躍する作品をいくつか刊行していますので、その中の直近の2タイトルも最後にご案内します。

興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね!
(※作品によっては当記事で紹介したキャラクターが登場しない場合がございます)。

『スーサイド・スクワッド:バッド・ブラッド』

『スーサイド・スクワッド:バッド・ブラッド』
トム・テイラー[作 ] ブルーノ・レドンド他[画]  内藤 真代[訳]
定価 3,520円(10%税込)


『スーサイド・スクワッド:ゲット・ジョーカー!』

『スーサイド・スクワッド:ゲット・ジョーカー!』
ブライアン・アザレロ[作]アレックス・マリーブ[画] 吉川 悠[訳]
定価 2,970円(10%税込)

それでは、このあと放送の『異世界スーサイド・スクワッド』を楽しみにしましょう!


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