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実は身近にある、県産木材の奥深い魅力-石橋製材所専務 石橋一紘さん

Quの立ち上げに関わった人に話を聞いていく、「Quインタビューシリーズ」。第3弾は、木材の製材を手掛けた石橋製材所の石橋一紘さん。「持続可能性って何だろう」を考えていきます。

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 Quでお買い物する際、少し足を止めて、商品棚に注目してみてください。赤城山のふもとにある石橋製材所で加工したイチョウ、クリ、アカシア、ユリ、クスなど、さまざまな木材が活用されています。店舗を設計した建築家の木暮さんから「互いの個性を認め合う場にしたい」との要望があり、木目や色合い、香りなど、多種多様なものを集めました。触れたり嗅いだりして、それぞれの違いを楽しんでください。

 最近は既製品の家具を購入したり、ホームセンターで木材を買ったりする方が多いと思います。石橋製材所は昭和51年の創業以来、家の柱や梁、家具などに使う木材を加工し、群馬県の大工さんたちを支えてきました。大きいものだと、12メートル以上の丸太を扱うこともあります。年輪の細かさ、水分量、曲がり方、フシ(木の断面に表れる丸い模様)を見ながら、用途に合わせ、なるべく無駄がないように切断します。

石橋製材所に保管されている木材

 一方、いま求められている製材所の役割は、木材加工だけではないと感じています。「DIYしてみたいけど機器がない」「家では音やおがくずが気になる」といった方にも気軽にものづくりをしてほしいと思い、2021年、製材所の一角に「もしもBOX工房」を開設しました。木工体験しにくるお子さんや結婚式用のコースターを作る方など、さまざまな方が来られました。ものづくりは、地域の人が集まるきっかけになるのではないかと考えています。

 そしてQuは、その「地域」のことを知るきっかけになると期待しています。群馬県には、本当に色々な木があります。キャンプへ行った際、ただ自然を味わうだけでなく、木の硬さや匂い、花の咲き方の違いに着目してみてください。自分たちの身近にある木のことを、もっと知ってもらえたら嬉しいです。

石橋さん

 また、日々の生活ではどうしても忘れがちですが、私たちが自然と共存できているのは、誰かが手入れしてくれているからです。山林が放置されてしまうと、災害や獣害につながります。当たり前のように水が使えるのも、誰かが維持するために働いてくれているからです。まずは知るところから、持続可能な社会が始まると信じています。


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