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#28 肌の弱さと生きる強さ(ネタバレ有り)

こんばんは。
ロンドンはこの数週間、冬にしては気温が低過ぎず、日中はだいたい12~13度くらいで意外と暖かいです。
とはいっても夜になると気温は下がるし、もう二度とインフルエンザやコロナにかかりたくないので、外に出かける時はしっかり防寒して出掛けています。
しかし、ここで問題なのが肌デリケートすぎ問題。
僕は幼少期から本当に肌がデリケートで化学繊維や汗なのですぐにかぶれてしまいます。
これは意外とかなり面倒な問題で、サッカーをするときはスパッツなどのインナーや足首の怪我予防のテーピングでもかぶれてしまうし、日常生活だとウールのマフラーをすると首がかぶれてしまうし、ゴアテックスなどの硬めの化学繊維の服を着たら30分もしないうちに触れている部分が真っ赤になってしまいます。
年齢や時期によってかぶれやすい時期や、逆にあまり気にならない時もあって、最近まではマフラーくらいではあまり気にならなかったんですが、ロンドンに来てから環境が変わったせいか、肌が敏感に反応してウールのマフラーでかぶれてしまいました。
カシミヤなら大丈夫だろうと3万円もする(ただそれが欲しかっただけ)カシミヤのマフラーを最近買ったんですけど、それでもダメだったみたいで首に真っ赤な湿疹ができてしまいました。
本当に肌が弱いって不便で辛いです。

最近の僕は色々あってイングランド10部のチームでサッカーをやりながら、英語の勉強をして、本を読んで、デザインの勉強して、たまに仕事してっていう今年30歳になるとは思えない、学生みたいな生活を送っています。

そんな学生気分の僕が最近読んで大好きになった瀬尾まいこさんの小説、『そして、バトンは渡された』で(読むつもりだった人はネタバレですいません。)、幼くして実の母親を亡くし、育ての親も結婚と離婚を繰り返し、次々と親がかわる境遇で育った17歳の主人公の優子が大人になって結婚するシーンがあるんですが、優子の結婚相手は高校時代の同級生だった『早瀬くん』という青年で、ピアノが仕事になるくらい得意だったのに、ピザ作りがしたいといって急にイタリアに行ったり、今度はハンバーグだといってアメリカに行ってしまう、僕と同じ匂いを感じてしまう一風変わった青年で、そんな彼との結婚を危惧する優子の父、森宮さんから『風来坊』と言われ結婚を反対されてしまいます。

このシーンを読みながら、僕は自分を早瀬くんに重ねて読んでいて(笑)今の僕がもし結婚するような相手がいて、相手のご両親に挨拶に行くようなことがあったら『風来坊』と言われ反対されるんだろうなーと思って読んでました。(予定が全くないので反対すらされないんですけど)
別に今の自分の生き方に対して、自分自身が否定的なわけでもなんでもないのですが、僕のような生き方を「挑戦している」と捉える人もいれば、フラフラしていると捉える人もいるだろうな、といった感じです。

この本に出てくる登場人物は、一方から見たら正しく、もう一方から見たら間違ってると思われるような生き方をしてる人物が多いです。
そこが僕がこの本が好きな理由で、誰にとっても正しく生きることなんてできないし、誰かからは『こいつクズじゃん』(口が悪くてすいません)って思われている人も、その人にはその人の根拠や正しさがあるかもしれない。そうやって起きた出来事も、誰かにとっては一生引きずるような辛いことかもしれないし、誰かにとっては明日には忘れてしまうようなことかもしれません。
何が正しくて、何が正しくないのかなんて、時代や国、環境や状況によっても違うんですよね。
僕がドイツのチームに所属していて試合に出れない時期、僕は黙々と自分のやるべきことを練習からアピールして、結果を残すことだけが僕のするべきことだと思っていました。
しかし、複数のチームメイトから「お前は何故監督のところに行って自分を使えと主張しないんだ?」と言われました。
彼らからすれば、それをすることは正しく、当然のことであり、主張しに行かないことの方が怠慢だといっていました。
僕もその意見に賛成だし、今まで自分なりに一つの価値観や意見に捉われず自分の考えを持って行動してきたつもりだったけど、よく考えずに「黙々とやることが正義」という考えに囚われていたなと反省しました。

だからこそ僕は、自分にとって何が正しくて何が正しくないのかの信念を自分自身が持つことが大事だな、と異国で暮らして改めて思いました。
その信念をもとに行動すれば、満足する結果が得られなかったとしても後悔することはないんじゃないかと思います。
迷いながらも自分自身に対して純粋であることを守りたいなと思ってます。

そして主人公の優子が言うように、どんなに大変なことが起きても『困った。全然不幸ではないのだ。』と言い切れる強さを身につけたいと思います。




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