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初めてのオペラの仕事


先日、1月の末に新国立劇場でのオペラで、オーケストラと一緒にギターを演奏しました。

その仕事の話は、そのオケで演奏する他の楽器の方からの紹介で引き受けることになりました。

しかもその依頼が来たのは、たまたま僕が新国立劇場のバレエを観に行った日だったので少し運命を感じました。

僕はいつもソロで演奏するので、オーケストラの方々と一緒に演奏する機会はほとんどありませんでした。

なので、

僕は、初合わせの時も本番当日も常にワクワクしてました。

譜面台にはライトが付いていて暗くても見える。

またオペラは、舞台の上のストーリーがメインなので、オーケストラはそれを引き立てる伴奏なのです。

オペラでのオーケストラは、舞台で演技をしながら歌っている歌手とタイミングを合わせながら演奏しなくていけない。(しかも約3時間)

でもその中でギターの出番は一箇所、演奏時間は約2分くらいだったので、自分が弾き始めるタイミングさえ分かってしまえば、そこまで難しいものではありませんでした。

僕が大変だったことは、

「とにかく待ち時間が長い」ということでした。

でも待っている間は、僕はずっとオペラ歌手の方を見て勉強していたので学ぶことが多かった。

オペラのオーケストラの難しいところは、初日と二日目で違う歌手たちが歌うので、

「同じ役で同じ曲を歌っても、人によって歌い方が違う」ということ。

オケは、常に歌手の声を聞いていないとタイミングがズレてしまいます。

演奏する立場だから分かることなのですが、タイミングを合わせるのには極度な集中力が必要です。

相手の音が出る瞬間に反応して音を出すというのは、とても難しいことなのです。

オペラってすごい。

あんな長時間の作品なのに、歌手たちは自分が歌い出すタイミングを全部覚えている。

しかも演技も同時にするなんてすごい!

僕はオペラが大好きなので、いつもCDなどで聴いたりしていますが、

今回、演奏する立場として現場を見て、改めてオペラを好きになりました。

後ろは、オペラの中で登場するバレエ団のリハーサル風景

この公演は、新型コロナウィルスの影響で2回延期になっていて、今回が「三度目の正直」で無事に開催することが出来ました。

出演者や関係者の方は二度も裏切られたということなので、千秋楽の最後に幕がおりる時は「言葉では表現出来ない特別な思い」があったと思います。

そんな強い思いを抱いた数百人によって創り上げられた舞台。

僕の目には、とても大きく輝いて見えました。

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