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暮らしの詩集

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2022年6月の記事一覧

友よ。

友よ。

海の向こうからやってきた彼らが今日、旅立つ。

言葉も伝わらない。
文化も違う。
家の大きさも合わない。
彼らの当たり前がここにはなかった。

それでも
思いやりがあった。
友情があった。
愛があった。
海の向こうから来た彼らが、
共に過ごす中で僕らになった。

涙を流し、抱き合い、別れを惜しみ、ことばを交わす。
その情景が、リズムが、温度が、
言葉を越え、海を越え、僕らを繋げる。

友よ。
また

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森になる。

森になる。

僕らが生きている世界には悲しみで溢れている。

その感覚がふっと湧き出てきた時は
いつも頭が、心がごちゃごちゃする。
僕もその世界の痛みを知る。

ふとしたことをきっかけにこの世界はうねりだす訳だが
僕は時代のうねりに息継ぎが苦しくなる。

それでも僕は木を植え続ける。
植え続けようと思う。
例え、ほとんど意味のないことだとしても。
そうやって生きる自分をもう一人の自分が罵るわけだとして、それでも

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