マガジンのカバー画像

暮らしの詩集

33
運営しているクリエイター

記事一覧

ダンスク

ダンスク

ダンスク、ダンスク、ダンダンダンスク
ダンスク、ダンスク、ダンダンダンスク

ずっーと昔は聞こえていた。

ダンスク、ダンスク、ダンダンダンスク

人間たちの野生の音たち。

ダンスク、ダンスク、ダンダンダンスク

踊り、歌い、集まり跳ねる。

ダンスク、ダンスク、ダンダンダンスク
ダンスク、ダンスク、ダンダンダンスク

鳴り止まぬ、解放の詩。

言の葉の向こう

言の葉の向こう

縁を切ると言われた。  

積み上げてきた思い出が建前の言葉に隠された言葉にされていない本音を一つ一つ紡ぎ出す。

こんなにも鋭利な言葉の中に愛がこもっていて
涙が止まらない。

顔を上げれば
空はどこまでも続いていた。

久遠

糸が絡まる。

もどかしいが、一生懸命にたぐる。
どこから絡んだ。
どうやって絡んだ。

理由を探す。
原因を探す。
解決策を探す。

お手上げだ。

一度、糸は切ろう。
そう決めた。

切った両端を解いて、解いて。

絡まりを解いた二つの糸が
結び直すことができる余地を残して

ひと休み、

滲む絵

滲む絵

真っ白なキャンバスだった。

私が夕陽を書けば
あなたが海を描いて

私が空を描けば
あなたが大地を描いて

私が夢を描けば
あなたが希望でぬり尽くす。

そんな時間は永遠ではないのだろう。

私も誰かと出会い
あなたも誰かと出会う。

気づけば置いていかれた完成してない絵が一枚。
自分で選んできたはずなのに
その時間を失ったと思ったらからなのか
くしゃくしゃの顔で泣きながら立ちすくむ。

塗りた

もっとみる
まだ名もない。

まだ名もない。

匂いが強い。
色が強い。
音が強い。
味が濃い。
空気が痛い。

五感よ、呑み込まれるな。呑み込まれるな。

ふーっと息を吐いて。
静かに、ゆっくりと佇む。
友と語りあい。
今と向き合う。

街には時代の熱を受けてきた彼らの跡が、
今を生きる彼らの熱が燃えている。

絶やすな、絶やすな。
火を焚べて。
これから生きる彼らの種火となるために。

世界よ、魂よ、繋がれ。
明日が平和であるために。

友よ。

友よ。

海の向こうからやってきた彼らが今日、旅立つ。

言葉も伝わらない。
文化も違う。
家の大きさも合わない。
彼らの当たり前がここにはなかった。

それでも
思いやりがあった。
友情があった。
愛があった。
海の向こうから来た彼らが、
共に過ごす中で僕らになった。

涙を流し、抱き合い、別れを惜しみ、ことばを交わす。
その情景が、リズムが、温度が、
言葉を越え、海を越え、僕らを繋げる。

友よ。
また

もっとみる
森になる。

森になる。

僕らが生きている世界には悲しみで溢れている。

その感覚がふっと湧き出てきた時は
いつも頭が、心がごちゃごちゃする。
僕もその世界の痛みを知る。

ふとしたことをきっかけにこの世界はうねりだす訳だが
僕は時代のうねりに息継ぎが苦しくなる。

それでも僕は木を植え続ける。
植え続けようと思う。
例え、ほとんど意味のないことだとしても。
そうやって生きる自分をもう一人の自分が罵るわけだとして、それでも

もっとみる
そうぞうりょく

そうぞうりょく

いつからか。
青さを失っていく時間の流れの上で
私の"そうぞうりょく"は悲しい世界を映し出すようになった
愛することも忘れてしまったのか。
信じることも忘れてしまったのか。
理解し合うことも忘れてしまったのか。

如何に、現実が私たちの世界を不自由にしようとも

世界が信じ合えると祈ることができる。
世界が愛し合えると祈ることができる。

できないこと、難しいことを"そうぞう"するのは私たち自身な

もっとみる
旅人

旅人

旅にでよう。
旅にでよう。

自由が何かを知るために。

旅に出よう。
旅に出よう。

愛が何かを知るために。

旅に出よう
旅に出よう。

美しさが何かを知るために。

私たちは生まれながらに旅人なのだから。

心の情景

心の情景

透き通る空色。
田んぼに張った水に空色が反射する

向こうに見える山の色。
草木は太陽に照らされて一層鮮やかに立ち現れる。

静けさの中に命の湧き立つ音が聞こえる。
今日は風がとても優しかった。

こんな心の情景が私たちの何気ない一日にはあり、同時に何かを問いかけられている。そんな気がした。

1日の終わりに。

1日の終わりに。

今日も美味しい飯を食べ、
家族や仲間と語り
笑いあう。
じんわり心が温かくなる一日。

同時に。
その幸せな時間の裏側で起こっている世界中の出来事が心に。
ふわり。ふわり。
浮かんでは溶ける。

無性にBLUE HEARTSが聴きたい雨の夜だ。

所作

私の頭の世界だけで何を語ろうとも、虚ろ。
未熟な私の全ては所作に表われる。

私も顔がシワシワになるまでに、哲学を体から滲み出せる美しい生き方がしたいものだなとつくづく願うのである。

有り難し

有り難し

今日もご飯が美味しい。
風が気持ちよく吹いている。
山間に沈む夕日が田んぼに反射して美しい。
くだらないことでたくさん笑った。

今日も私は奇跡的な瞬間を生きている。

夜散歩

夜散歩

夜を歩く。
田んぼから蛙の声が聞こえる。
遠くから海の匂いを香る。
寝そべってみたら、星空が視界に広がる
私は夜の世界に溶けていた。