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中国念仏修行記【浄土宗発祥の地 廬山東林寺】

中国念仏修行の旅から帰ってきました!
留守中連絡できなかった皆様、ご迷惑をおかけいたしました(やはり何年経っても中国ではGoogleもFacebookもLINEも使えませんでした…)
それにしてもご縁に満ちた素晴らしい旅でした。まずは寧波の雪窦寺(布袋さんが修行した聖地として有名です)で、同級生の法恩君と数年ぶりに再会。お寺の案内や水陸会(超ゴージャスなお施餓鬼)の見学、朝課への参加などなど、超VIP待遇でもてなしていただきました。ちなみに中国のお寺の精進料理【素食】はマジで美味しいです!餃子も肉まんも粽も全てベジです。すげ〜美味い!日本にあったら毎日通いたいくらい。あーすでに恋しい…

ちなみに寧波は道元禅師が修行した天童寺があります。ここも道澍師の案内で行ってきました。近くの阿育王寺(アショーカ王寺)も雰囲気あってよかったし、なにより現地のお坊さんたちと色々交流できたのが楽しかった!

そして、ついに、ついに、行ってきました、浄土宗の聖地【廬山 東林寺】!

まず、着いてすぐ朝課、晩課のお経の美しさに圧倒され(読むスピードの速さにも…笑)、あ、お経てやっぱ中国語なんだという当たり前のことを再認識。だって日本人ならお坊さんでも若干意味わからず読んでるけど、彼らは完璧に理解してるし、なんなら一般人でも教本あればほぼ完璧に理解してるんだよね。「これが本場か〜」と、きっと空海や最澄、道元禅師も同じように感じたんだろうなと感慨もひとしお。だって華厳経とか普通に白文で猛スピードで読んじゃうんだよ。日本ならほぼ学者しか読まない(読んでも日本語訳。まして読経で使うなんて聞いたことない)。首楞厳経とかみんな暗記してるし、マジで当地の比丘たちのレベルの高さに圧倒された…

比丘で思い出したけど、彼らはやっぱりみんな227の比丘戒を受けていて、「日本は菩薩戒だけで僧侶なんですよ〜」て説明がめちゃくちゃ苦しかった…最澄さんよ…あんたのせいですよ…でもそのおかげで我々は結婚できるわけで、まあよし悪しなのか…いや、本来的にはめちゃくちゃ悪いけどね…やっぱガラパコス仏教なんだよね…
「鑑真さんはここ廬山から出発して日本に戒律伝えたんだよね!すごいね!」
 なんて言われると、
「いや、平安時代の最澄というお坊さんがいまして、その人が鑑真さんが伝えた比丘戒を廃しちゃったんですよ…」
なんて答えるとめちゃくちゃ残念そうな顔をされる…ああ、鑑真和尚に申し訳ない。六度もトライしてやっも来日してくれたのに、ああ、鑑真さんごめん…

…とまあ戒律や比丘の定義について話したいことは色々あるんだけど、なんと言ってもメインテーマは【念仏】ですよ!本場の念仏はいかなるものか、それを体験しにきたんですよ!

とりあえずびびったのが、念仏信仰のあつさ!老若男女、常に数百人、いや数千人、大型連休の時には数万人来て、喜んで念仏修行に明け暮れてる。

ここではあいさつは「ニーハオ」ではなく「阿弥陀仏」です(インドのアシュラムでもナマステではなく、ハリ・オームだったのを思い出した。大好きな雰囲気)。僕なんかでも僧侶の格好して歩いてると深々と手を合わせてお辞儀をしてくれる。マジで申し訳ない。いや、頑張りますよ!とは思うけどね。

あと若者のボランティアが目立つ。無休でひたすら念仏実践のために尽くす人々【义工】。つまりボランティアなんだが、僧侶と同じく朝3時40分に起きて、我々のために料理をしてくれる。そもそも僧侶だけで300人以上いるのである、その上滞在する居士たちの分も合わせれば数千人分のご飯を作るのである。調理場を見せてもらったが、こんなでかい鍋見たことないという大きさだった。しかも薪で火を起こして調理するのだ。その苦労たるや、想像を絶する。しかも,彼らが作る料理がマジで美味しいのだ!滋味あふれるというか、本当に優しさと温もりを感じる味。マントウ一つとっても中国であんな自然な味のするマントウ食べたことないよっていう味。餃子も小籠包も、全てベジで全て美味。やっぱインドでもタイでもミャンマーでもお寺の料理が最高!美食を味わいたければお寺で修行すべし、です。(日本のお寺も美味しいんだけど、ベジじゃないところが多すぎて本当ツライ…せめて寺内は禁酒禁煙ベジにしよ、いや、大本山だけでもいいからさ、ほんとお願い…)

だめだ、書くこと多すぎて、全然前に進まない…

さて、肝心のお念仏なんだけど、まず節(メロディー)が超きれい!しかも念仏が歩く瞑想になってるだよね。荘厳な節で念仏唱えながら歩く瞑想するのはめちゃくちゃ楽しい!ソッコー取り入れると誓った!来週のヨガリトリートで早速やるから楽しみにしてて!廬山流念仏瞑想の会も配信しようと思うので乞うご期待!

んで、これがめちゃくちゃ長いんだ…普段なら朝二時間半、夜一時間半、私が滞在した時は毎月の10日、11日の二日にわたる念仏会の日だったからなんと、朝4時40分から夜8時までぶっ続けで念仏。唯一昼ごはんの休憩が二時間くらいあるだけかな。朝6時間、午後6時間ぶっ通し。パラパラ途中で出て休んでる僧侶もいたけど、若い僧侶たち(佛学院の学生?)はまじで朝ごはんも夜ご飯も食べず一日一食で、一回も座ることなく、ずっと歩きながら、念仏してる。ほんと恐れ入りました。まじで、我々ももっと念仏しなきゃいかんわ…もう次元違いすぎてびびる。ちなみに僕は限界にチャレンジしたけど5時間ぶっ続けが限界だった…足も,喉も、身体も限界突破しすぎて、夢うつつというか、恍惚とした感じを体験できました。ありゃ、みんなでやらないと無理だわ…

そして5日目から10日目までは【閉関】という念仏籠もり行に参加いたしました。これがいわゆる【百万遍念仏】ね。本当は10日間なんだけど(一日念仏10万回×10で百万回)、スケジュールの関係上5日しか参加できなくて残念だったけどめちゃくちゃ得るものがあった。携帯もなし、本もなし、パソコンもテレビもなし。ただ仏像とベッド、風呂とトイレがあるだけの部屋でひたすら念仏にふける…こんなに濃密に念仏と向き合ったことはいままでなかったな…様々な想念、思い、アイデア、後悔、懺悔、喜び…などなど、色んなものが出てきた。同時に日を追うごとに行が安定してきて、行じやすくなり、念仏への確信(安心)が深まっていった。これは浄土宗の僧侶としては一生活きる宝やわ〜素晴らしい機会を与えていただいて本当に感謝!

あと臨終念仏ね!これも素晴らしい節回しの念仏。まるで子守唄。こんな風に逝きたい!て思わせてくれる。これも葬式、法事等、応用範囲は無限大!めちゃくちゃ使えるし、誰でもできるから多くの人にぜひ使ってほしい!これから広めていきますので乞うご期待!

あー楽しかった〜!
そして、感謝しかないです。
こんな煩悩だらけの僕を受け入れて、もてなし、宝物のような知識や実践を教えてくれた方々、感謝しかありません。あなた方の恩に報いるには、念仏実践を続けていくことと、多くの人たちを最高の幸せの境地【極楽】に誘っていくことしかないなと思いました。

これから一所懸命、精進して参ります。願わくは三宝のご加護、阿弥陀様の助けがありますように。全ての生きとし生きるもの、命あるものたちが平等に利益を受けられますように。

南無阿弥陀仏🙏

沙門 尚文

PS.やっとマインドフルネスもヨーガも念仏に繋がったよ!めちゃくちゃ嬉しい!何も捨てずに一筋の道を歩めるなんてこんな嬉しいことはありません。感謝🙏

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