ドラマ感想『池袋ウエストゲートパーク』
脚本クドカン✖️演出堤幸彦という、なかなかに壮大なドラマでした。
勢いが凄まじかったです。ゴリ押しというか、ツッコミも寄せ付けない世界観を構築していて、終始圧倒されました。
アングラな匂いを出しつつも、マコトとタカシ、Gボーイズの関係性が少年のような友情であったりと、純情な恋愛と援交が混ざり合ったりと、振れ幅が本当に大きいです。
キャラクターも生き生きとしていて、ぶっ飛んでいるんだけども、それぞれ愛される部分を持っていて、ぐちゃぐちゃなのに一体感がある謎の雰囲気が癖になりました。
かっこいいし可愛い奴らばかりなのですが、個人的にはシュンの彼女の、赤?ピンク?髪の女性が1番可愛くて魅力的だと思います。カオルでしたっけ。なんだかんだこの人がIWGPの名付け親ですし。シュンはいい彼女を持ちましたね。
シュン.......。このドラマの狂気的な部分は、絶対死ぬだろみたいな傷でもマコトがケロリとしている一方で、あっという間に主要人物が死ぬことです。単なるコメディに徹しないコメディって怖いですよね。第一話でリカが何者かに殺されますし、シュンが死んだ時には信じられない気持ちでいっぱいになり、犯人のドーベルマン山井を心底恨みました。シュンが可哀想すぎますね。
マコトのいいところは、どんな場所や時でも、まず家族や友情の繋がりを優先できることです。人は常に大小様々な問題を抱えていて、1番大事にすべきものを見失ってしまうことがあります。マコトは1番大事にすべきものを常に公然と大事にすることができ、そこが人々や視聴者の胸にささるのではないでしょうか。もちろんやり方は完璧とは程遠く、失敗も多いですが、信念が曲がることはありません。家族、友達、恋人、池袋が常に心の底に構えているマコトは、やはり物語のブレない一本の軸です。
さて、そんなマコトですが、ぶれっぶれになっていた場面も正直ありましたよね。それはカナです。IWGPを僕に勧めてきた暇な友人とも話したのですが、カナが異様に大人のエロさを持ちすぎています。マコトが言うように、池袋って感じではありません。絶えずマコトを近づけては遠ざけて、マコトはされるがままでした。
こういった要素を入れることで、飽きさせないような効果でもあるのでしょうか。カナの登場シーンはよく覚えていますし、不思議と全体の雰囲気を守っていたとも感じます。
1話ごとに感想を書いても良かった程に魅力がいっぱいで、もちろん今のコンプラ的にはアウトな表現ばかりで、もう一度この路線で作品を作るのは不可能に近いでしょうが、ワンカットにこもったこだわり、視聴者を予想外の方面に揺さぶる展開と情熱を持った、コンプラを超えた魅力がある作品に違いありません。
池袋、最高。
先に挙げた、IWGPを僕に勧めてきた友人は、馬鹿みたいに影響されやすい奴で、聖地巡礼をしようと意気揚々と池袋に行ったらしいのですが、池袋もここ何年で変わって聖地がことごとくなくなっていて、泣きながら帰ったそうです。20年以上前の作品ですからね....。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?