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横浜デート③ 夜の部

夜が更けてきました。

不思議なことに、ただのビルの光ですら幻想的に見えます。ここで働いている人たちは、きっと美しい夜景の一部になっていることにうっとりとしながら、残業をしているのでしょう.....…お疲れ様です.......

夜です。横浜みなとみらいの絶対時間がやってきました。僕たちは、都会の洗練された騒々しくない光を楽しみながら、街を一緒に歩きます。

よこはまコスモワールドという遊園地があります。街の中に溶け込んだ遊園地で、入場料は無料。乗りたいアトラクションにだけお金を払って楽しめます。
そこにあるのがコスモクロック21。
みなとみらいに降り立ったら否が応でも目につく、時計付きの観覧車がこいつです。
夜になるとイルミネーションが輝き、まさしくランドマークといえるでしょう。
観覧車っていうのは、コナンの世界以外ではデートスポットとして使われます。コナンの世界だと爆破されたり吹き飛んだりしますからね。

横浜の夜景を空から見れるだなんて、なんとロマンチックなことでしょう。

料金は1000円で、15分の空中浮遊が楽しめます。当然僕たちは乗りました。

こうやって上から見ると、一つ一つの建造物も形をこだわっているのがわかります。
全部が豆腐のようなつまらない形ではないのです。切ったスイカみたいなビルや、台形のタワーや、凹凸のあるホテルなどなど。

夜景を作り出しているのは、単に光だけではないのです。
万葉倶楽部や、横浜ランドマークタワーが目立っていました。

美しい。



僕の友人の一人が、観覧車の頂上で告白したそうです。馬鹿だなぁ、なんというリスキーなことをしているんだと思ったことがあります。もし断られたら残りの半分は地獄の空気で息もできないでしょう。
しかし、この観覧車に乗った時にはその気持ちもわかるような気がしてきます。空飛ぶ密室に好きな人といたら、どうしてもロマンチックな気分になります。僕もまたそうなりました。なので時には、後に絶望が待っているとしても、頂上で行動を起こす人がいるのでしょうね。

観覧車を降りて、一度ゲームセンターで太鼓の達人を挟んだ後、今度は満を持してYOKOHAMA AIR CABIN 桜木町に乗ることにしました。この都会のロープウェイも一台一台光っていて、やはり近未来感を絶えず醸し出しています。
このAIR CABINの営業時間は九時まで。僕たちが乗ろうと決めた時には八時五十分でしたから、大急ぎで乗り場まで移動しました。この日は、名古屋からの移動も含めて、十キロ以上は歩いています。ですが、最後にこのダッシュを行えるというのは、よっぽどこの日が楽しくて疲れを感じていないからです。

ややぼやけていますが、これはCABINに乗り込んだところです。黒い球の中に入ると、当然連想されるのはSF映画です。スターウォーズのインターセプターとまではいきませんが、それに乗ったような興奮がありました。観覧車のゆったりとした動きになれていただけかもしれませんが、このインターセプターは非常に動きが速いです。とりわけ乗って発射される時が最も速く、移動手段というよりは最早、アトラクションの類のようでした。

僕たちは黒色の弾丸として横浜の空中を滑空し、ホテルへと戻ったのです。

とても充実した一日でした。実際横浜にいたのは半日でしたが、とても半日とは思えない満足感です。

コスモクロック21は、遊園地が営業を終えても、僕たちのために光り続けてくれました。なんと十二時過ぎまで光っていて、しかも単色ではなく、絶えず様々な色に姿を変え、最後には花火まで上がってしまいました。どれだけお金をかけているのでしょう。圧巻です。

なので僕たちは、寝るまでホテルからみなとみらいの夜景を見続けることができたのです。
昼の部、夕方の部、夜の部。三部のどれもが素晴らしい経験の連続でした。これほど面白くて綺麗な三部作は、他にロードオブザリングくらいしかないだろうと思えるほどです。
なにより、隣に彼女がいます。
横浜デートを提案してくれた彼女に、感謝です。彼女が選ぶところはいつも素晴らしいところばかりです。

時計が23時29分を告げています。

終。

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