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サピオセクシャルとあのYouTubeとの不思議な関係性。 #サピオセクュアル #サピオロマンティック

まえおき

サピオセクシャル(サピオセクシュアル)やサピオロマンティックという言葉は聞いたことがありますか?
人の知性に性的な魅力を感じる人をサピオセクシャル、恋愛的な魅力を感じる人をサピオロマンティックと言います。知性とは、その人の思考力の高さや集中力の高さを想像してもらうと、分かりやすいかもしれません。さて、
今回は、サピオセクシャルとサピオロマンティックの人たちが好きなことの多い某YouTubeチャンネルと、なぜそのYouTubeチャンネルが魅力的なのかを解説していきます。

⚠️ サピオセクシャル やサピオロマンティックと当事者の学習能力や知能指数の高さは関係ないと言われています。つまり、サピオセクシャルやサピオロマンティックの当事者だから、本人も頭が良いというわけではありません。

⚠️サピオセクシャルやサピオロマンティックが興味があるのは、知識や学問ではなく、他人の持つ知性や思考力です。対象の人物が持ってることが大事です。

🙇今回の記事はとっても文章量が多いですが、サピオセクシャルやサピオロマンティックの当事者であれば、この長い文章が読めるか?というと、そんなことは全くありません。己が性のまま書いてしまった長文を先に謝罪しておきます。
すみませんでした!! 世の中には変わった人もいるんだな〜とご理解いだだけると幸いです。

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・ サピオセクシャルとサピオロマンティックの抱える問題点とは?

某YouTubeチャンネルについて語る前に、一つ、前提共有をしておきましょう。サピオセクシャルとサピオロマンティックは、とにかく議論の多いセクシャリティです。「サピオセクシャル」で検索するとわかるのですが、とにかくいろいろなメディアが独自にまとめ記事を出しています。そうした意味では「サピオセクシャルの当事者あるある」のような例もネット上には多くあるんですが、やはりもっとリアルな声が気になりませんか?  そこでここでは一度、世間でよく言われるサピオセクシャルへの批判に対して、当事者からのリアルな反論を書いてみようと思います。

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⚠️ この記事に含まれる当事者の意見は全て独自に集めたものです。 ⚠️全てのサピオセクシャルやサピオロマンティックに当てはまるものではありません。⚠️

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議論1 : 「サピオセクシャルをカミングアウトすると謝罪する⁇」

サピオセクシャルの代表的なエピソードになりつつあるこちらの件から考えてみましょう。一件の詳細はこうです。

ブルーノ・マーズの「アップ・タウン・ファンク」などで知られるシンガー兼プロデューサーのマーク・ロンソンが、「サピオセクシャル」であることをカミングアウトしてからわずか数日で、自身の発言を謝罪する事態に発展している。

 (中略) 

しかし、先日行なわれた米Rolling Stoneの公開インタビューで、マークはサピオセクシャルが「“性別やジェンダーに関係なく”知性に惹かれる」ことだと十分に理解していなかったことを告白。
「僕は社会的に除外されるどのコミュニティにも所属していないと思っているので、誤解してしまった人やこの発言によって不快な気持ちにさせてしまった人へ謝罪します」
 “カミングアウトした”とされる番組の打ち合わせでマークは、サピオセクシャルとは“知的な人に惹かれる”ということしか聞かされていなかったために、自分もそうであると発言してしまったと弁解した。

https://front-row.jp/_amp/_ct/17305693

↑引用元のサイトも載せておきます。

論点はいろいろあると思うのですが、まずは細かな修正からします。この日本語の記事では、「“性別やジェンダーに関係なく”知性に惹かれる」と書かれているのですが、そうとも限らないかなと思います。
いろいろセクシャリティの方を匿名で集めてとにかくたくさん話してると分かるんですが、一つのセクシャリティと一つのジェンダーを単体で持ってる人って、決して多くないんですよね。だいたいの人はいろんなセクシャリティを複合的に持っています。 そして、当事者と話すときは、僕自身も「サピオセクシャルやサピオロマンティックはフェチズムではないのか?」や「この人は本当にサピオセクシャルやサピオロマンティックの当事者なのか?」を常に疑いながら、会話してみることが多いのです。 その中で、僕が「この人はサピオセクシャル/サピオロマンティックの当事者だ!」と確信できた人たちからの話をまとめると、“性別やジェンダーに関係なく”知性に惹かれるという意見はなかったです。そういう人は、サピオセクシャル/サピオロマンティックと同時にパンセクシャルなどのマルチセクシャルのカテゴリーのセクシャリティを複合して持っていると思います。 ただし、似たようなことは起きていて、今のところ聞けた人たちでは、異性愛も含めたセクシャリティを複数持っていて「普段は見た目や性格の好きなタイプがあるけど、サピオセクシャル/サピオロマンティックで好きになる場合は、普段の好みの容姿や性格が関係なくなる」というパターンと、自身がほかのセクシャリティを持っているかにかかわらず「知性が恋愛や性愛の絶対条件や、前提条件になっている」パターンが存在しそうです。

さて、カミングアウトの謝罪の件に話を戻しますが、性の多様性はグラデーションですし、サピオセクシャルに限らず「〇〇セクシャル/ロマンティック」と名の付くものは全て気軽に発言できる社会が望ましいと思います。 本音では、「あなたは本当にサピオセクシャル/サピオロマンティックなの?」と疑うことはあっても、そこで謝罪されるとそれはそれですごく困るので、もっと上手く対応してほしかったな〜とは思います。


議論2 :「サピオセクシャル/サピオロマンティックは LGBT+に含めるべきではない??」

結論から言うと、そんなことはないですね。これは、上の“サピオセクシャルは安易にカミングアウトしてはいけない問題”の元になっている考え方ではないでしょうか?
たしかに、サピオセクシャルやサピオロマンティックには差別されてきた歴史がないのかもしれません。しかし、「すべてのセクシャリティから差別をなくすこと」が目標なのに、「差別された歴史のないセクシャリティは排除する」となると自己矛盾が起きてしまいますよね? また、LGBTに含めてはならない!と国際的によく言われるものとして、PZN と呼ばれるものがありますが、(P: ペドフィリア(小児性愛)、Z: ズーフィリア(動物性愛)、N: ネクロフィリア(死体性愛)) こちらは他者の自由を侵害する可能性が大きいため、肯定できないものとされています。 では、サピオセクシャルやサピオロマンティックを推し薦めると性被害者や犯罪が増えるのか?というと、その可能性はPZNよりもずっと低いのではないか?と考えられます。
ということで、本記事では、サピオセクシャルもサピオロマンティックも LGBTに含めてOKという結論とさせていただきます。


議論3 :「サピオセクシャル/サピオロマンティックという名称はなくなる??」

サピオセクシャルやサピオロマンティックは、学歴主義や障がい者差別、知性が劣るとされる人たちへの差別につながりかねないという考え方から、最近は、「Scisexual」「Cognisexual」という代替用語に置き換える動きもあるそうです。名称の変更は、セクシャリティ問題もあるあるかもしれませんね。


議論4:「サピオセクシャル/サピオロマンティックは、本当はフェチズムでは??」

これはそうかもしれません。当事者から話を集めていると、やはりフェチズムに近いそうだという考えに至ることもあります。筋肉が好きとか、高身長が好きとかと似ている感じはあるんですよね。どこが似ているかと言われると、一般的に「知性」から想像される「学歴」や「年収」、「社会で実際に役に立つ」、「勤勉」という要素や、さらに言えば、「なんとなく真面目そう」や「なんとなく浮気しなそう」というイメージさえサピオセクシャルやサピオロマンティックの人にはあまり関係がないんです。そうした恋愛における実用性から切り離して「知性」そのものが好きという立場が、筋肉好きや高身長好きの実用性の関係なさと通ずる部分があると思います。
しかし、ただのフェチズムであれば困ることはないし、セクシャリティとして認識される必要はないのではないか?という意見がでるとすれば、それには議論の余地は残ります。 
というのも、サピオセクシャルを単体でセクシャリティとして持っている人がいるときに、「サピオセクシャル」という単語が調べたときに出てこないことがどれくらい困るか?を考えなければなりません。もちろん、将来的にサピオセクシャルという言葉は廃止して、従来のサピオセクシャルは、「知的な人が好きなパンセクシャル」としてフェチズムとして扱いましょうという考え方が出てきても不思議ではないです。

ただし、この記事で言いたいことは、そんな無難な話ではなく、

サピオセクシャルやサピオロマンティックは、
日常でそこそこ困るんです!!

ということなのです。


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本当は不便かもしれない? サピオセクシャルとサピオロマンティックの現実。

さて、説明が長くなりましたが、いよいよ本音のターンです。ここでは、サピオセクシャルやサピオロマンティックで絶妙に困ることについて、熱く語っていきます。サピオセクシャルで困るというよりも、自分の知的好奇心が原因で、他者とのコミュニケーションが上手く取れないかんじを「サピオセクシャルだったから、いつも変なかんじになるんだ!」と理解すると納得できる部分が多かったので、そんな話としてお聞きください。

もちろん全てのサピオセクシャルやサピオロマンティックに当てはまる話はしてません🙅‍♀️
セクシャリティの話で、全ての当事者に当てはまることなんてほとんどないかもしれないです🙅‍♀️


困ること1 :「例え話が多くて、難しい会話をしてしまう。」

比喩表現や例え話が多いと何が困るって、世間一般には比喩表現や例え話が苦手な人のほうが多いし、なるべくそうした削って会話しないと適切なコミュニケーションが取れないことなんです。 最初こそ、たくさんコミュニケーションを取れば相互理解できるのではないか?とか、例え話が多いほど分かりやすいに決まってる!とさらに例え話を増やしてしまうとか、いろいろ頑張るんですが、そういう話では一切ないんですよね。コミュニケーションが万能というのは、幻想です。
そもそも日常生活や会話でなにが面白いと感じているかが、例え話が苦手な人と例え話が好きな人では全く違うと思います。この違いは、テレビドラマや海外ドラマが好きな人と、映画や小説やアニメが好きな人の違いで考えるとわかりやすいかもしれません。

テレビドラマが好きな人は、作品内で実際に起きた事件や、登場人物同士の直接的なコミュニケーション、特徴的な魅力あるキャラクターの登場などを作品の面白さとして楽しみますが、世の中にはなかなか比喩表現の少ない作品には面白さを見出せない人もいます。一方で、比喩表現が作品の面白さだと思っている人にとっての好きな作品は、映画や小説、アニメ等になりがちです。作中で、このキャラクターが象徴しているものはなんだろう?や、この表現の意味は?、登場人物の共通点は?、作品世界と現実社会との関係性は?、現実への問題提議は?と、作品で表現されていたことの意味を考えることこそが、比喩表現が好きな人にとっての面白さになります。(※最近流行りの考察や伏線回収とはまた違います。当たり外れではないので)

早速、例え話をして脱線しましたが、そんなかんじで日常会話においても、「例え話こそがいちばん面白いところなのに!」と、いくらサピオセクシャルが思っていても、周囲からは全く理解されていないことが多々あります。(メタ演出でした)  国語力の低下が指摘される日本だとなおさらですね。SNSも文章ベースのものはどんどん人気がなくなっているので、「こんなにも面白いと思っていて、こんなにも議論の余地が残る話し方をあえてしているのに、どうして会話してくれないんだろう……?」というのが、サピオセクシャルの悲しい性かもしれません。

⚠️ちなみに、ASDに代表される一部の発達障害では例え話が多い会話は苦手とされています。他にも、「いくつかの意味やニュアンスが理解できない」や「冗談や皮肉、慣用句、例え話が通じにくい」と一般に言われています。不特定多数や親しい間柄にない人との会話では、相手のためにも例え話はカットするのが良いと思います。(このテキストは、(あくまでメタ演出のため) ゴリゴリに長く書いておりますが🦍)

また、長い会話というのは、現代ではどんどん避けられる傾向にあるので、そうした意味でもサピオセクシャルの集まるコミュニティは求められているのかもしれません。



困ること2 :「ディベートが性欲とつながっている。」

まるで性欲のように強烈なディベート欲があるというと想像つきやすいでしょうか?  議論や話し合いや難しい会話がしたくてしたくて堪らなくて、充実したディベートが成立するとやっと満足できるという感覚に襲われるときがあります。他者の持つ知識や思考への興味と自身の性欲が繋がっている感覚はあるのですが、身体が反応するというよりも(身体が反応することもあるんですが) よく都市伝説的に語られる「脳イキ」の導入のようなことが起きるんです。サピオセクシャル以外の人でも、頭が冴えすぎて眠れないことや、頭の回転がめちゃくちゃ早くなって興奮している状態はあると思うのですが、サピオセクシャルの場合はそこに知性を見せてくれる相手がいるとき、性欲という要素が絡みます。
まさしく、ディベート的な会話になると、知性をひけらかしてくれる相手とリアルタイムで繋がっている状態になるので、欲望をなかなか止められないことも多いです。細かい悩みやトラブルであれば、「相手を質問責めにしてしまうこと」「ディベートが返ってこないと欲求不満でやるせない気持ちになること」「1人でどんどん話を展開してしまうこと」などがよく起こります。1人で盛り上がってこんなことをしてしまうと、相手にとっては、なにが起こっているかが分からないですし、高圧的で恐いと感じる人も多いですし、そもそも大抵の人間は質問責めに慣れてないし、こういう熱量のある会話のコミュニケーションって最近は流行らないし、大学でも議論とかそんなのやらないですし、コミュニケーションの大問題が起きるんですよね。大変です。

こんな不自然なコミュニケーションが生まれるそもそもの原因はなにかというと、知性って、身長とか筋肉とかのフェチズムと違って、相手との会話などでその人の話や考え方を聞き出して、知性を晒してもらって、初めて分かるところだと思います。相手に「知性の露出行為」をしてもらって初めてサピオセクシャルは刺激されるし、さらにそれを継続的に与えられないと満足できません。そうした状態にあるので、当事者としては、多少のコミュニケーションの誤解や、人間関係の不和が生まれてもよいから、ディベートを試みたい!という価値観になるのです。

もし、厳密に定義するならば、「相手から知性を発掘したい」という欲望や、「相手に知性をひけらかしてほしい」という欲望こそ、サピオセクシャルやサピオロマンティックにとっての性欲や恋愛欲と言えるのかもしれませんね。

(特定の人とディベートが無限にできる場所ってどこかにあるのでしょうか? ディベートアプリ等ご存知の方はぜひ教えてください)



困ること3 :「普通の恋バナがつまらなくて仕方ない。」 (普通の会話もつまらないことがある。)

お互いの近況報告や、フィーリングやメンタルのお知らせだけで積み重なっていく会話が苦手なんですよね。環境情報や価値観の共有はあるので、それはそれで面白いし、恋愛っぽい雰囲気に乗せられるし、一緒に盛り上がりたい気持ちもあるし、いったいいつ思考力の見える会話というか、ディベートっぽいことが始まるんだろうとドキドキして見守るんですが、絶対にそんな会話は始まらないんです。当たり前ですね。

恋バナと社会意識の問題つなげて語りたいとか、恋バナと世代による歴史観とか、恋バナと少女漫画の文化論とか、恋バナとジェンダー論とか、そんなことを考えてる人は世の中には全然いません。なんだったら、恋バナと議論や、恋バナとディベートが組み合わせとして一番遠いし、全く理解できないと思っている人も多くいるはずです。
しかし、それが自然とつながってしまうのが、一部のサピオセクシャルやサピオロマンティックに起きてることだと思います。

そもそも恋バナには比喩表現や例え話が入る余地なんてないんですが、それでも性欲とつながっている部分なので、完全に切り離して盛り上がるか?と言われるとやっぱり難しいんです。

さらに言えば、議論と論破の違いがついてない人が多いのも辛いし、そもそも論破なんて暴力的で非道徳なエンタメは楽しまないし、討論がしたいわけでもないんです。コミュニケーションの齟齬はもちろんあるんだけど、普通に大人から誤解されたり、LGBTのコミュニティからも誤解されたり、アカデミアな人からも誤解されたり、そういうことが積み重なると普通に辛いんですよね。

これに関して、似た悩みのサピオセクシャルやサピオロマンティックの方に言えるのは、性欲や恋愛が関わる以上、当事者の処世術やパーソナリティの問題とは言い切れないことです。どちらかと言えば、相性の問題だと思います。下手な環境やコミュニティが原因だと考えて、相手や環境を変えることをオススメしておきます。


困ること4 :「AVで学歴は言ってくれない。」

AVでなくてもいいんですが、普通にテレビに出てくるタレントさんやアイドル、役者の方へのインタビューで、学生時代の部活やスポーツ経験が聞かれることってよくありますよね。プロフィールに身長や体重が載っていることも、腹筋や上腕二頭筋を見せてもらうこともあると思います。

ここで思うのですが、知性自慢のアピールって少なくないでしょうか? 
もちろん学歴自慢の方は紹介されることも多いと思うんですけど、正直それだけというか、サピオセクシャル的には足りてないと思います。理想を言えば、AVやゲイビデオ、ヤングジャンプのグラビアからananのヌード特集のインタビューまでもっと知性を深掘りしてほしいものです。まるで学生時代の部活を聞くように、学生時代の偏差値やテストの順位を聞いてほしいし、最近面白いと思った論文とか発表してほしいし、計算問題とか解いてほしいし、センターや共通テストの点数を自慢してほしいと思います。
真面目な話、部活やスポーツについてや、アスリートの方への質問は掘り下げ方や話の広げ方が上手いインタビュアーが多いのに、どうして勉学や研究に対しては、研究が役に立つのか?とか、同級生が有名か?とか大企業の知り合いが多いのか?という危うい質問や、難解な研究へのイジりが生まれやすいのかが分からないんです。それよも、その人の努力や考え方に着目して、1日何時間もぐらい勉強してるのか?や、その研究のどういうところが面白いか?を聞いて、素直に感動ほしいと思います。

こうした比較をすると、サピオセクシャルやサピオロマンティックの人よりも、一般の企画者やインタビュアーのほうが、学歴主義や、学歴コンプレックスといった専門家への偏見が多いようにも考えられることは不思議ですね。


困ること5: 「勉強している人や集中している人に欲情する。」

これは恋人間やパートナー間で相手を困惑させることかもしれません。相手が仕事や勉強に高い集中力を発揮している場面を眺めることこそ、一部のサピオセクシャルにとっては満たされ、高まっていくシーンなので、相手にとってはどうして一人で盛り上がってるのかが全くわからないという状況が生じます。相手に説明して理解されるかは、正直わからないので、相性次第なんだと思います。人が高い集中力を維持してる状態を眺める場面などあまりない人も多いので、環境の話でもありますね。



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サピオセクシャル/サピオロマンティックと、あのYouTubeチャンネル

さて、サピオセクシャルやサピオロマンティックで困ることを5つ書いてきましたが、共通しているのは、彼らが思いのほか自らの性欲や恋愛的な欲望を満たしづらく、その過程で反感にも批判にも遭いやすいということです。遅くなりましたが、
タイトル回収をしましょう。
わりと知性を見せてくれる人探しが難航しやすいサピオセクシャルやサピオロマンティックにとって、最高のポルノとなっているかもしれないYouTubeチャンネルがあります。

それが、
早押しクイズ系のYouTubeチャンネルです。

もちろん全てのサピオセクシャルやサピオロマンティックに当てはまる話はしてません🙅‍♀️セクシャリティの話で、全ての当事者に当てはまることなんてほとんどないかもしれないです🙅‍♀️

※以下、コアすぎる解説が続きます



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サピオセクシャルとサピオロマンティックにとっての理想的なポルノとは?


⚠️ここから先、個人・団体の活動を性的な文脈で捉えなおすテキストとなります。YouTubeで活動されている以上、演者のアイドル的消費や、演者と視聴者の性の非対称性については、演者サイドも想定されたものとして話は展開します。
⚠️不快な場合は読むのを控えてください。ただし、どんなセクシャリティにも、性的実践を試みる自由も権利もあることをご理解ください。

要注意


サピオセクシャルにとっての早押しクイズの無限の可能性。

さて、長々とサピオセクシャルにとってポルノや性的あるいは恋愛的満足が誤解されやすい得づらいか?について話してきました。特定の個人が知性を晒してくれる機会というのは思いのほか少ないのです。もちろん、ただ知識を語るのではなく、知性を表に出して、自身の思考力とともに披露するというのが重要といえます。そういう意味で、サピオセクシャルは知的好奇心を満たしたいのでは決してないのです。ここで考えてみたいのが、早押しクイズ企画のポルノとしての有用性になります。
例えば、同じYouTubeであっても、学術系の解説やラジオ配信というのもあるでしょう。もちろんそれでも多少の性的満足を得られることはあると思います。しかし、ポルノと言うにはいささか力不足かもしれません。それは、解説やラジオが予め準備された知識を台本にならって披露されているに他ならず、対してサピオセクシャルが見たいのは台本を用意するために高い集中力で情報を集め、理論を組み立てているその姿だからです。さらに言えば、思考してから最適化された判断が導かれるまでが、どれくらいの処理速度でどれくらいの難易度のものだったか?を分かるように視覚化してほしいということさえ思います。
では、早押しクイズ企画はどうでしょうか? まず、早押しのルール説明がなされ、問題が読み上げられ、少しずつ増えていくヒントから、演者にはどのタイミングで解答ボタンを押すかが試されます。そして、正答があり、問題の解説、演者自身の思考回路の解説、それにまつわるアドリブの雑学や、類似問題の可能性まで話され、次の問題が始まると、また演者は高い集中力を見せつけていくのです。このように早押しクイズには、段階的にさまざまなシーンが含まれますが、その全てに知性の視覚化があります。加えて、それが高密度で秒刻みで行われていくのが早押しクイズの魅力です。この競い合う知性の怒涛の映像化こそ、サピオセクシャルにとってのポルノになるのではないでしょうか。

クイズ系YouTuberのアイドル的人気。

クイズ系YouTuberには、過去に一部のメンバーがストーカー被害にあっていたのではないのか?という噂がファンの中で囁かれています。そもそもとして、熱狂的なファンや推しのある世界なのです。いわゆる世間一般のYouTuberと比べると、容貌が優れてたこともなければ、生活や人間味が垣間見えるような日常トークも少なく、もちろん肌の露出なんてまずありえません。しかしながら、クイズ系YouTuberのファンの独特の熱狂はコメント欄からも伺えます。そこにあるのは、過去動画を隈なく見てメンバーの情報や名言をまとめるファンから、最新動画を分析的に語りつつ愛でるファン、テロップで解説されなかった推しの魅力を語るファンまで様々な反応です。ただ一様に、コメント量の多さや語彙力の豊かさ、その熱量に対して、どうしてそこまで熱狂してるのか?は語られない不思議があります。「面白い」や「笑った」というコメントが上位にあがる一方で、お笑い系のコンテンツならYouTubeには他にもあるけれど、本当はなにをファンは見ているの?と思ってしまうのは考えすぎでしょうか。いずれにせよ、クイズ系YouTuberがファンにとって、日常の癒しやお笑い以上の価値があるのは、その独特のコミュニケーションから感じとれるかもしれません。

企画もの多さと更新頻度

クイズ系YouTubeがサピオセクシャルにとってポルノ的であるという推論や、クイズ系YouTubeのファンにはアイドル的な熱狂があると捉えられる背景には、クイズ系YouTubeのファンを掴んで逃さない魅力というものもあります。1つは、企画の多さです。クイズ系YouTubeは、いくらクイズと言っても、決して内容が難しくなりすぎないように、様々にバラエティ要素を盛り込まれた企画を発明し投稿しています。YouTubeといえば、人気になった企画をシリーズものとして投稿することも一般的ですが、クイズ系YouTubeにはそれがなく、毎回新しい企画が発表されているのです。クイズには、作問という手間がかかるため可能な投稿方法なのかもしれませんが、サピオセクシャルやサピオロマンティック、学歴やクイズ経験に関係なく、動画を楽しめる工夫がなされています。これほど手間のかかることがされていながら、動画の更新頻度もほぼ毎日というのがファンを掴んで逃さない魅力となっているのでしょう。
一方で、この一般に広くクイズを楽しんでもらおうという心意気からくる企画こそ、同時にクイズ系YouTubeがサピオセクシャルにとってのポルノ的な仕上がりになっている要因とも言えます。企画ものがどんどん増えていくということは、クイズ系YouTuberが性的/恋愛的に見えてしまうファンにとっては、様々なフェチズムとのつながりが無限に増えていくという状況にほかなりません。幼稚園、小学生、中学生、高校生それぞれをテーマにしたクイズ企画や、夏休みの読書感想文をテーマにしたもの、プールで行うものや、脱出ゲーム的なもの、食べ物を使うクイズや、下剋上といった要素、協力プレイで行うクイズや、目隠しを使うもの、ドッキリの要素や、理不尽な要素を含んだものまで、今後も様々に増えていくことが予想されます。もちろんこれは、企画者サイドの内容の選び方以上に、この世界には様々なフェチズムがありすぎるほうが問題なのでしょう。これは、YouTuberと視聴者の非対称性と捉えられる一方で、YouTuberと視聴者の本音と建前のように感じられるのは、視聴者サイドの勝手な思い込みなのでしょうか。真相は分かりようがありませんが、不思議な共存関係がここにはあります。

サブチャンネルには、
よりコアなフェチズムを。

最後に話すのは、クイズ系YouTubeのサブチャンネルの存在です。クイズ系YouTubeには、多数のサブチャンネルが存在しますが、その内容がまた特徴的と言えます。ゲーム実況チャンネル等いろいろありますが、ここで語りたいのは、クイズ系YouTuberの作業用動画についてです。具体的な勉強メソッドが提示されている大変真面目な企画なのですが、サピオセクシャルにとってはなかなか葛藤の大きい企画かもしれません。というのも、この企画では、クイズ系YouTuberのメンバーが勉強している姿をLive配信で中継しているのです。この記事では中盤で、サピオセクシャルで困ることの項目の最後に、一部のサピオセクシャルにとっては「勉強や仕事をしている人や集中している人に欲情してしまうことがある」という意見を紹介しました。つまり、この作業動画の存在も、クイズ系YouTubeとサピオセクシャルの関係性を不思議に導いてしまう一要素となっています。もちろん、真相なんてことは人の解釈次第ですから、人によって事実は違うでしょうし、事実なんてないのかもしれません。もしくは、YouTubeと視聴者の関係なんて、初めからそんなもんだっただろうと理解している人もいるでしょう。日本語でよく聞く、性的消費という概念の曖昧さと難しさは、研究がでてこないことや、英語訳がないことからも明らかなのかもしれません。この記事が、さまざまな人の多様な性のあり方を考えるきっかけになれば幸いです。



まとめ

今回は、LGBTコミュニティからも誤解されやすく、でも、なぜかネット上では「サピオセクシャルは知的好奇心が強いから、性についても積極的!」とか「サピオセクシャル男性は、性行為に興味がないから、このテクニックで恋にオトそう!」とか、散々に言われてしまっているサピオセクシャルやサピオロマンティックについて、個人的にリアルだと思う当事者の心の葛藤を書いてみました。繰り返しになりますが、全てのサピオセクシャルやサピオロマンティックの当事者に当てはまる内容では決してありません。現状、ネットには書かれてない意見なので、何かの参考になれば幸いです。

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