見出し画像

日本は本当に平和な国なのか?

かなり久しぶりの投稿です。

今回は、僕が長らく考えてきたテーマの1つである、精神的非平和状態について述べたいと思います。


要約
①日本は、身体的にはかなり平和である【参考
②しかし、精神的には、平和であるとは言えない【参考
③解決は難しそうだが、ヒントはある【参考1参考2


ロシアのウクライナ侵攻から約1年が経過しています。泥沼化して長期間続く戦争になるということは当初誰が予想できたでしょうか【参考】。
そうした様子を見て、「ロシアは危険だが、日本は平和だ」という声が聞こえます。

けれど、僕は思います。

「現状を見て、そんなにのんきなことが言えるのでしょうか」と。


①日本は、身体的にはかなり平和である【参考

たしかに、日本は、身体的にはかなり平和です。
2019年、世界での平均の殺人による死亡率は0.7%のところ、日本は0.05%であり、この指標で言えば日本は世界で3番目に安全でした【参考】。
そして、私たちが非常に安全な国にいるということはよく認識しておきたいものです。

かつて、文明が未発達の時には、暴力によって15%もの人が亡くなったとの研究すらあるので【参考】、なおさらです。

②しかし、精神的には、平和であるとは言えない【参考

ただ、平和ボケしていられないのが日本の、いや、アメリカやシンガポールなどすら含む、いくつもの裕福な国での現状です。
というのも、日本では毎年2万人もの人々が自殺という形で、亡くなってしまっているからです【参考】。
世界で約180か国を対象にした調査においては、日本の自殺率はワースト25位となっています【参考】。

いくら身体的な傷害が原因で亡くなることが少ないとはいえ、その代わりに、精神的に苦しむ人が多く、亡くなる人もそれほどいるというのなら、果たして本当に日本に住むことが平和であるのか、いささか懐疑的です。

そのため、「平和=身体的傷害のない状態」という従来のイメージを変え、「平和=身体的・精神的傷害のない状態」と考える必要があると強く思います。
僕は、このことをここ数年、ずっと考えてきました。


③解決は難しそうだが、ヒントはある【参考1参考2

とはいえ、すでに日本は長寿の国で、教育が行き届いていて、経済力にも恵まれています。
日本が、たとえば、さらに経済発展しても、幸福になるとは思えません。実際、過去の推移をみるとそれがわかります【参考】。

そんな国が、どうすればより幸せになれるのか。
実は、そうした難しい課題に対して、色んな幸福学の研究者が考察をしています。
それから私たちが学ぶことが非常に重要になってくるのかもしれません。


【加藤の詳細について】

―加藤将馬:著者、講演家、幸福学&ビッグヒストリー研究家

・加藤将馬のウェブサイトはこちら

【著書の紹介】

宇宙と人類、138億年ものがたり ―ビッグヒストリーで語る 宇宙のはじまりから人間の未来―

紙の書籍:1260円→電子書籍版:0円(変更の可能性あり)

「宇宙はどのように始まり、どうやって私たち人間が生まれたのか?」「人間は他の動物と何が似ていて何が違うのか?」「数十年後にはゾッとするような未来が待っているというのは本当なのか?」

誰しも、こうした疑問を抱いたことはあるのではないでしょうか?

 本書は、「ビッグヒストリー」を軸にした1冊です。ビッグヒストリーとは、文字通り、「大きな歴史」を意味します。通常、世界史といった分野が説明するのは、文明が誕生してからの5000年ほどの期間です。しかし、ビッグヒストリーでは、宇宙138億年を大きな1つの歴史としてまとめます。人間の歴史どころか、宇宙のはじまりや、生命の進化、そして現在や未来までの歴史を説明する、とても興味深く野心的な分野です。

 また、できる限り正確な情報に基づいて書くことにも尽力しました。本書では日本語も英語も問わず、数多くの書籍や論文や信頼のおけるサイトからの情報を参照しました。注釈の数は130を超えます。ウェブサイトに載せているので、詳細を知りたい場合や、事実確認をしたい場合にぜひご参考にしていただければと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?