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8月に読んだ本

投稿が少し遅れましたが、8月に読んだ本を紹介したいと思います。

読んだ本

 ショートショートで有名な星新一。1つ1つの話が短く、隙間時間でも読んでいて楽しい。短い作品にもかかわらず、オチがしっかりしており率直にすげぇと思ってしまった。本の中に入っている作品はクスッと笑える話からゾッとする話まで様々。さらには今の日本、いや今後の日本を示唆するような考えさせられる話まで。50編ある中で人それぞれ好きな作品は違ってくるだろう。何が好きなのか話してみるのも面白そうだなと思った。
個人的に好きなのは「不眠症」と「悲しむべきこと」。


 2時間あれば読み切れるほど読みやすい1冊。読みやすい小説だけれども、自分の存在意義や個性についてものすごく考えさせられる。
簡単にあらすじをいうと、ある罪により「僕(シロ)」は自殺を図った真の体に乗り移り、真として生活をする。その中で僕は何の罪を犯したのかを考え、反省をしなければならないという話。
 ここで印象に残った文を何個か引用したい。

この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷っている。
どれがほんとうの色だかわからなくて。
どれが自分の色だかわからなくて。

pp.187

普通であることの不安。もどかしさ。非凡だと敬遠されれば孤独になるのに平凡と言われる恐怖。そんな心のわだかまりから、森絵都文学は確実に解放してくれる。

pp.258
 

 ひとそれぞれ違う「色」を持っている。自分の色に自信を持てない人もいるだろう。だけれども違う視点からみたらその「色」も大事だし、魅力がある。この世が「カラフル」だから正解が分からず自分がどんな「色」を持つべきなのか不安になる。これは今の現代を表しているような気がする。多様化した社会で響きはよく聞こえる。だけれども不安な人たちはたくさんいるんじゃないか。そんな人たちになにかヒントをこの作品を通して得ることができる気がする。
 特に自分の存在って何だろうって悩んだりしている人に読んでほしい。


 約900ページ弱ある小説であるが、勧められて読んでみた。これまで小説を全く読んでこなかったが、めちゃくちゃ面白かった。どんな展開になっていくのか夢中で次のページをめくっていた。
 ネタバレにならないように書いていくが、自分が思っていた結末とは全く違っていた。これをハッピーエンドと言っていいのか定義が難しい。気になる部分は確かにあるが、
特にすごいと思ったのが、伏線の回収の仕方。あの時出てきた登場人物がここで出て来るのかと興奮して思わず声を出しそうになる。解説を読むと著者は伏線回収にこだわっていたわけではないため、語弊があるかもしれないが、ぜひとも手に取って読んでみてほしい。
最後の岩崎英二郎の「青柳、おまえはロックだよ」がめっちゃ感動した。(わかる人にはわかる)


 オタク系文化を対象として日本社会の特質を述べた本。古典的名著であるため知っている人は多いだろう。
 オタクと聞くと若者を中心にアニメや映画といったサブカルチャーに溺愛していることを思い浮かべるかもしれないが、そうではない。筆者によればオタク系文化にはポストモダンの本質が表れていると述べている。つまり「大きな物語」が終焉し、「小さな物語」の時代になったが、それがオタク系文化にも見られるということである。
 ポストモダンの中で生きるオタクは食物を食べるだけで満足する動物のようだとたとえている。それが本書のタイトルになっている「動物化」である。
 オタクからの視点で批評する本は初めて出会ったが、筆者が言っていることはたしかにと納得した。まだ理解しきれていない部分もあるため、少し時間をおいてまた読もうと思う。



 以前にもnoteに書いたかもしれないが、改めて読んだ。ブログを毎月更新しているがまだまだ文章を書く部分に関しては課題があるため、この本の内容はもちろんのこと、どのように段落構成されているのか意識して読んだ。
 この本では書くときの段落の使い方は書かれているが、それ以外にも話すときや聞くときにも段落(内容の区切れと言った方が近いかも)というのは存在しており、それを意識することで理解しやすくなるということを述べていた。
 「段落」と聞くと、パラグラフライティングにのっとって書くというのは当たり前であるが、恥ずかしながら1パラグラフに対して1つの話題ということが意識できていないところが自分の課題。文章を書くのがうまい人はどんな風に書いているのか今後内容面だけでなく、構成もみて勉強していこうと思う。


 8月の中で1番あたりはこれ。授業で日本語学について学んだけど、もう少し勉強したくても日本語学の本を手に取ると専門用語ばかりで自分には難しく悩んでいて、先輩に教えてもらったのがこの本との出会いだった。
 最初に学校で習う学校文法と日本語学校で習う日本語文法の違いから入り、なぜ学校で文法が退屈なのか、なぜ学ぶ必要があるのかを学ぶことができる。結論を言ってしまうと高校で習う古典文法との接続が大きな理由である。その内容を踏まえて日本語の構造からボイス、アスペクト、ムードなどの日本語学の部分に入っていく。
 入門と書いてあるため、これ1冊で日本語学全てを学べるわけではないが、土台となる部分は割とつくられるし、ここから次の専門書に入っていきやすいと思った。


 タイトルの通り、スマホの使用時間が学力低下を引きおこすと述べた1冊。実際の調査結果を示しながら主に小中学生を対象にスマホの使用時間と偏差値の変化について書かれている。スマホを使うことで相対的に勉強時間もなくなるから学力が低下するのは当たり前だと思っていたが、スマホを使っていても勉強時間をとっている生徒もいており、その生徒も学力が相当下がっていたことには驚きだった。スマホを全く使わないというよりも使用時間が1時間弱の生徒の方が成績は伸びており、自分でスマホを使う時間をコントロールできているからというのも印象的。勉強する際にスマホを見える位置に置いているだけでも集中力は下がってしまうため、受験生は特にスマホとどう向き合うかは非常に重要である。スマホを使わず生活するというのは現実的には難しいことかもしれないが、スマホにコントロールされる人生は虚しくないかと思う。この本を読んで、スマホをあまり触らないよう日中は電源をきり、夜だけスマホを使うようにし始めた。


 ビギナーズ・クラシックスはやはり読みやすい。古文が苦手な人でも訳語は読みやすく工夫されているからオススメ。有名作品読みたくても古文ってハードル高いと思う人もいるかもしれないけど、ビギナーズ・クラシックスならそんな不安を払拭してくれる。なんか怪しい宣伝っぽくなってしまった。
 秋に「竹取物語」の授業をすることになったので一通り読んでみた。中高の定番教材ともいえる「竹取物語」。これまでの実践論文をみて、「竹取物語」を扱う際には「かぐや姫」と類似の作品で終わってしまうという問題性は無視できない。「竹取物語」を読んでどんな力を身に付けてほしいのかを考えつつ、「かぐや姫」との類似作品で終わらない授業を実践したい。


おわりに

 7月と比べると読む量が少なかったことに反省。お盆に実家に帰省するとなにもしなくなるのをどうにかしないとな。なるべく家にいるのではなく、外でやること進めていこう。

拙い文章ばかりですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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