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14_歌うたう、下半期

先日初めて「酵素風呂」を体験してきた。全身にかかるぬかの重さがずっしりと心地よい。
(ぬか床の野菜って、こんな気分なんだろうか?)

酵素風呂に入ってから、なぜか仲良くなれそうな気がしているぬか床。

7月後半の活動

海と山で暮らす、高校生の「食」事情

隠岐島前高校(島根県海士町)の生徒さんたちが神山に滞在していた。交流を企画していたあゆハウス生(神山校の寮生)から食農関連の話をしてほしいと声がかかり、同席した。海士町と神山町、それぞれの寮の食事の話。よりよくしていきたいんだと熱く話す高校生。一緒にその解決に心を向けるハウスマスターの存在を心強いなと思えた。それにしても、毎日自分たちでごはんを作っているあゆハウス生、自分たちの暮らしをよりよくしていこうと真剣に考えている隠岐島前高校の生徒たち、リスペクト。神山の印象を聞くと、口々に「ごはんがおいしい!」と言う。わたしは海士町の海辺のごはんが食べたくてたまらん。

それぞれの地域の食や自然の豊かさを象徴する言葉が並んでいた。

果樹があると、みんなが集まる!

知人ファミリーがアメリカから帰国し神山を訪れているというので、一緒にブルーベリーを摘んだ。翌日は新しく神山に越してきたファミリーも摘みに来てくれた。前後で高校生たちも。かま屋のメンバーも摘みに来たかな。たまたま近くを歩いていた友人を誘って摘んだりもした。ありがたい。もうちょっと計画的に何かできるとよかったのだけど。

採ったその場ですぐ食べられるのがいい。

大人たちの学び

まるごと高専のサマースクール(8月中旬)に向けて、担当スタッフと共に町内の方々とミーティングを重ねる。一つはバスツアーの企画で、もう一つは休日のアクティビティ。ピタッとあう組み合わせや内容を組んでいくのはなかなか緊張感のある時間だった。無事に組み終えて目の前の景色が広がったので、良い企画になっていると思う。

岐阜県と三重県へのスタディツアー(8月後半)の企画も進んできた。神山校のこれからを考えるためのツアー。神山校、役場、神山つなぐ公社、NPOのメンバー12名で、目的を共有するためのミーティングを重ねている。

並行して神山校の町内研修の企画も。神山校の食農プロデュースコースの学びとも親和性が高い地元企業 フードハブ・プロジェクトのメンバーとミーティング。目線合わせ、大事。

話をする機会をつくる、話を聞き合う、それを積み重ねていく。言葉を交わすたび、それぞれの考えの行き来が生まれてより良い形ができてくるように思う。

森づくりと川あそび

神山町の大久保地区のイベントに参加させてもらった。一つ目は、カブトムシやクワガタと仲良くなれる夜のイベント。虫取りがメインだけれど、背景には生物多様性、山の木々の多様性に目を向けて欲しいという願いがある。二つ目は、川あそび。どちらも主催はこの地域のおっちゃんたち。誰よりも楽しんでいるのが主催者たちという、めちゃくちゃ良い企画。

初めて見たミヤマクワガタ!真っ暗闇の森散歩、とてもよかった。
つかみ取りしたあと、腹を切って内臓を取り出し、塩を振って焼いたアメゴ。
米は竹に入れて炊く。
前日絞めたという鶏を振る舞ってくれた。

7年間神山町で仕事をしていても、初めて出会う人や物事は多い。それに、自分たちでとる、料理する、ということを難なくやってのける人が周りにたくさんいる。かっこいい。ここにいると、「生きる」ということは「食べる」ことで、それはとてもシンプルなことなんだと実感できる。

8月の活動

合言葉は 〝Happy〟 と 〝Joyful〟

友人に仕事の相談をして、最後は「happy な気持ちでやっていきたいよね」「Joyful って言葉が好きなのよ!」という話を交わして、Sisters Act のワンコーラスを歌って解散した。好きなことをやりながら生まれるエネルギーは大きくて強いなぁと改めて。ここ数年は食と農について考えて実践するタームだったけれど、音楽に触れていたいなーと思う場面が増えてきた。

年末の「歓びの歌」に向けて

年末に「1万人の第九」に参加できることになった。本番は12月初旬。これまで5回、第九合唱付きのステージに立ったことがあるけれど、前回参加したのは9年も前だった。東京まで通って受けたレッスンは、ドイツ語や楽曲解釈の講義など毎度とても刺激的だった。そして、佐渡裕さんの指揮で歌う「第九」は涙が溢れて歌えなくなるほど心を揺さぶられた。指揮者の力に(それは絶対的などというものではなく、個々の良さを引き出してくれるという意味合いで)触れられたことがとても良い経験だった。

9年前のような声は出せないし、久しぶりにはいてみた黒スカート(本番衣装)は見事にホックが止まらない(ヒェ〜〜〜)。ステージで立ち、歌い切れる体力もつけたい。がんばれわたし!


最近の読書 『科学者が人間であること』

著者の中村桂子さんは、小学校の国語科6年生の教科書(光村図書)に掲載されていた「生き物はつながりの中に」の筆者として存じ上げていた方。日本の理科教育では他の国にない「自然に親しむ」という文言が指導要領の中に入っており、科学的な眼差しと暮らしに根付いた体験を両立させていくことが大切と書かれている。これからの食農教育、NPOの活動を考えるフックがいくつもあって、深く、広く考えさせられる一冊。