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『EAT LOCAL KAGOSHIMA』を頼りに、鹿児島県霧島市へ

8月後半の旅日記。つづきは鹿児島県霧島市から。
2022年3月に神山でお会いした久保雄太さん(TUZUKU)からいただいた『EAT LOCAL KAGOSHIMA』。冊子に登場する活動や人々が生き生きと楽しそうに映っていてその温度に触れたいと思ったのが今回の旅の目的です。久保さんにはひより保育園、鹿児島市にあるしょうぶ学園にも繋いでいただき…本当に素敵な旅ができました。

あっという間に日が経ってしまいましたが…霧島市の振り返りです。

Map-It マップイット(c)

チャノマ主宰の八木悠(はるか)さんとの再会

鹿児島に行くならどうしてもお会いしたかったひとがいました。白崎茶会「補佐」悠(はるか)さん。2015年、白崎茶会のパン先生のモーレツ特訓時にはいつも美味しいお茶で迎えてくれ特訓を見守り励ましてくださった方。茶会卒業後は地元鹿児島で料理教室チャノマを主宰されており、それがまぁとても素敵なお教室(こちら)。

白崎茶会パン先生特訓時、悠さんの淹れてくれるお茶とデザートは心の拠り所でした。
(2015年 白崎茶会のパン先生特訓会の休憩ショット)

悠さんには「EAT LOCAL KAGOSHIMA」にも掲載されている地粉(中力粉)の生産者 マルマメン工房(霧島市)の増田さんを紹介していただきました。


大豆と麦に光をあてる、マルマメン工房の増田さん

細い農道を行ったり来たり、迷子になりそうな数分間を経て…増田さんの大豆畑に到着。大豆の芽が出揃ったシマシマ模様がとてもきれい。

神山ではすでに大豆の摘芯が終わった時期だったのに、南九州地区は芽が出たばかり。雑草が大豆の背丈を越さないように…雨のタイミングも見極めて播種していると聞きました。様々な要素をパズルのように組み合わせて栽培がうまくいったとしても、不意打でやってくる台風や大雨はどうすることもできない…。わたしが訪れた少し前にも、脇にある歩道が崩れて畑に土砂が流れ込むという事態が起こっていました。そういう、どうにも抗えない自然の力に対峙している方々、ほんとうにリスペクト。

少し離れた場所にある大豆畑も見学させてもらいました。お一人で管理できるめいっぱいの広さとのこと。

並んだ芽が愛おしい。

マルマメン工房では穀物の栽培が主。特に「地粉」と呼ばれる小麦はその土地で栽培から収穫、製粉までされたもので、増田さんが以前クラウドファンディングを通じて復活させた50年ものの製粉機も見せてもらいました。やはり、神山にも製粉小屋あるといいな〜(もごもご)。

このマルマメン工房の大豆を使って味噌を作っているのがひより保育園の子どもたち。すばらしい環境で毎日のごはんがつくられていること、ほんとうに素敵だなぁと思います。

「食べること」を真ん中に、 ひより保育園の食育

レシピ本「小学校にあがるまでに身に付けたいお料理の基本」を通じて知った保育園ですが、保育園児たちが料理をする動画にも衝撃を受け、いつか見に行きたいなぁと思っていました。

ひより保育園には中の様子がよく見えるガラス張りの給食室と、園児たちのための調理室があります。食事をつくっている工程が見える場所はまるで家のよう。

伺った日は、庭の草で染物をし、黄色に染まったTシャツを先生が絞って干していました。
子どもたちの食事は自分で食べられる量をよそうスタイル。順番に並んで、手に持ったトレイの上におかずをのせ、ごはんやお味噌汁をよそいます。途中、大きな音がしたと思ったら運んでいる最中につまずいて転んでしまった園児がいたよう(けががなくてよかった)。大人たちにニコニコ顔を見せながら食べる子どももいて、とにかくとても幸せそうな表情の子どもたちを見てわたしもすご〜く幸せな気分になりました。記事や動画でも伝わってくるものはたくさんありますが、実際に見ることにはかないません。見学の機会をくださったことに感謝しています。

子どもたちの「やってみたい」を大切に、生きる力を養っていく保育を目指しています。
小さければ小さいほど、ある意味で動物的に「怖いものは怖い」と認識する力があるので、慎重に対応することを体で覚えていくんですね。一方で、テレビや動画でインプットをして、感覚よりも脳の方が先立つようなかたちでやろうとすると、危ないんです。だから、なるべく低い年齢から、包丁にも触れてもらうことを大切にしています。

開発者の想い:ひより保育園代表・古川理沙さんインタビューより

「こどもたちの、『親友』でありたい。」という園のメッセージと園で実際に拝見した様子が重なります。

子どもたちの描いた絵がパッケージになっているクッキー。とてもおいしかったです◎
いつか子どもたち向けのおやつの開発やってみたいな〜


ひより保育園のレシピ本、書き込みできるような余白がたくさんあって「自分の本」に育ててゆけます。さっそく姪っ子たちへプレゼント。

マルマメン工房さんは福岡の製麺所と麺の商品化もされています。神山の農業高校でも「神山小麦の麺を食べたい!」の声が上がっているところ。増田さんの麺を食べて、高校生と今後の作戦立てたいです!!

わたしはマルマメン工房から連れ帰った地粉と大豆たちで、粉もん祭り。涼しくなったので焼き菓子にもパン作りにも良い季節ですね〜