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死生観と俯瞰から考える在り方の構造

先日、在り方大学なる経営者向けの学びの場に足を運びました。経済性と社会性を両立させつつ卓越した業績を上げられている先輩経営者に在り方を説いて頂いて改めて重要性を強く感じたのは「死生観と俯瞰」でした。
その際のまとめは以前に書いてます。

学びを仕組みに落とし込む

この度の研修は死生観と俯瞰は深く関連していると改めて感じる機会になりました。学びは自分の中に取り入れて咀嚼して、行動・実践に結びつけてなんぼ。実践で裏打ちすると自身の知恵や哲学になる。と言われたのは出光佐三氏ですが、私は咀嚼と実践を繰り返すことでその構造が明らかになり、セオリーや仕組みに落とし込む事ができると考えています。
単にいい話を聴いて知識を得たところでなんの価値も在りません。そこでこのテーマでもう少し「在り方」の構造を考えてみたいと思います。

時間軸と思考の転換

人生、もしくは人生を賭けた事業に対しての誠実な向き合い方が在り方だと私は定義しています。岡本社長がかげろうの儚い一生にインスピレーションを得たとの原体験から、講演の最後に口にされた「どのくらいの時間でどこへ向かうのか?」との長い時間軸での問いを持って向き合うのはまさしく天から、宇宙からの視点があってこそ答えが見えてくるのではないかと思いました。また、橘会長は「本と人と出来事」が人生への見方、在り方を変化させると言われました。そして、その出来事とは死に直面する経験だとも。
お二人の生き様を赤裸々に聴かせていただいて、在り方を正し、在るべき姿を愚直に目指すことで、経済性と社会性を整合する事業を行う事が出来る。と示唆を頂いた様に感じました。

メタ認知が人生を変える

今回の在り方大学の講座を受けて死生観と俯瞰をテーマに据えて、私自身のこれまでの50数年間の人生を振り返ってみると、幾つかのキッカケを期に視点が変わり、それに伴って行動や判断や価値観を変えてきた事に気付かされました。俯瞰する視点のことをいまどきの言い方では「メタ認知」と言い換えられていますが、確かに死を意識する出来事に遭遇したことで、自分だけが良ければ良いと言う様な小さく低い視座から物事の見方やパラダイムを転換させてメタな視点に変わった事で人生を大きく変えたのは体感として持っています。

呆気ない死と死亡予告

私が段階を踏んでメタ認知を手に入れる様になったのには大きく2つの出来事がありました。まず初めは17歳の中学校を卒業して間がない時、小学校から一番長く親友として付き合っていた友人を突然亡くしました。その時に強く思い知らされたのは、人は意外に呆気なく死ぬという事実でした。2番目は19歳の若さで肝臓を壊した時、肝硬変になっていると医師に診断されて必ず40歳くらいには死ぬと死亡予告をされました。その際はオレの人生をどうしたら納得感や意味のある時間にすることができるのか?と考えこみました。この2つの出来事が私の人生観を作ったのかも知れません。

限りを知るから動く

若くして逝った友人の墓参りにかれこれ40年近く通い続けてきました。その度に考えるのは、彼は一体、どんな人生を送りたかったのか?との問いであり、それがいつしかオレがヤツの生きたかった人生を生きてやる。に変わりました。今振り返ると40歳で死ぬことが決まっていたから、限られた時間の使い方を熱心に考えた様な気がします。それが私の思考がメタ認知に変わる入り口だったのだと思います。期間限定の短い時間でデッドラインが決まっていたからこそ、生き急ぐかのように必死で考え、動き続けたような気がします。

死ではなく、時間に向き合う

このように、自分自身に起こった出来事と、それから派生する思考や視点の変化を鑑みると、死生観とは、結局、時間軸を正確に見ること、先送りを止めることに他ならず、俯瞰は、人の目線や立場に立って物事を見ることだと思えます。死に向き合うような出来事にはなかなか出会えませんし、無理に出会う必要もないと思います。それでも、視点やパラダイムを見直す思考は必要で、それは期限を明確にしていくことで見えてくるのかもしれません。そこに在り方の片鱗を見出せる気がします。

視点を変え続ける

また、天から物事を見るとか、俯瞰(メタ思考)を身に付けると言うと、ぼんやりして非常につかみどころがないような印象を受けます。しかし、人の立場や目線に立って物事を考えるのは、コミュニケーションの基本であり、随分と具体的な行動になります。これを頻繁に繰り返し習慣にすることができたらある意味、メタ認知を身に付けることにつながるのかもしれません。

在り方の構造

先達たちの生き様を聴かせてもらったところで、自分の中に落とし込むことはできません。しかし、それを概念化して当てはめる事は難しいことではありません。ただ、概念化は学びにはなっても、行動には移りません。行動、実践に踏み込むには、その概念化した考え方を自分の身の丈に合わせて再度具体的な事例に咀嚼する必要があります。死生観と俯瞰、在り方を見つめ直すには非常に重要な概念を、計画の期限を切ることと人の立場に立って物事を考える視点の転換を行って自分のものにできるのではないかと考えました。あり方の構想が少し見えたような気がします。

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