持続可能性は構造の美しさに由来する 在り方大学day4
先行き不透明、不安定で複雑、曖昧な今の時代、未来を予測することさえ諦めてしまいそうになるほど時代の変化は激しく、やもすれば思考停止に陥ってしまいそうになります。そんな混迷を深める時代を生き抜き、事業所としての責任を果たすにはアグレッシブにインプットを行い、高速でアウトプットを重ねるしかないと思っています。改めて生涯に渡り学び続ける必要をひしひしと感じて、私は既に50代も半ばを過ぎておりますが、足繁く学びの場に足を運び続けています。
インプットとアウトプットの高速回転
先週末から東京に滞在しています。今回は東京で初めてとなるマイスター高等学院の事業スキームを説明するイベントを株式会社shipの小松社長に企画頂いたり、長野県のリフォーム団体、NRBCから研修会の講師の依頼を頂いて長野の佐久平に移動して、「建築×教育 日本の未来を支える令和モデルへの転換」とのテーマで建築事業者が社会課題解決型モデル、CSV経営へのシフトを行うのと同時に、地域の大きな課題である学歴マイノリティーの増加とモノづくり企業の職人不足問題の解決に一歩を踏み出しませんか?とマイスター高等学園のプロジェクトへの参加を提言として熱く語るアウトプットを行いました。それぞれの会場で是非とも一緒に活動したい、協力したいとの声を頂き、大きな収穫のある旅になりました。
またそれと同時に、先週末は経営者としての根源的な学び、在り方塾での講義を受けてインプットとアウトプットとバランスを取りました。このような学びの機会を頂いているからこそ、全国から声がかかり、同志を募る活動が出来るのだとありがたい環境に身を置きていることを噛み締めました。
在り方塾第4講
全4回に渡って大阪と東京で開催された在り方塾では、事業活動を通じて卓越した成果をあげられ、世界を股にかけて活躍されている先輩経営者にじっくりと事業に対する姿勢や向き合い方、そして世界観を聴かせて頂ける非常に稀有な学びの場でした。また、講師の方々は懇親会にもお付き合い頂き、なんでも気さくに訊いてくれよ。と胸襟を広げて接してくださいました。座長である経営実践研究会の藤岡会長曰く、「塾生は講師の方々と師弟関係を結ぶつもりで学べ」と繰り返し言われており、一度に9人もの師匠を持てるとはなんと幸せなことかと回数を重ねるごとにその場に居る意味を噛み締めました。ちなみに、この度の第1期の講師陣は以下の通りで、このように見ると改めてそれぞれの分野のトップランナーと深い繋がりを頂き、師弟関係を結べることの凄さを思い知ります。
これまでの3回、充実の講義を受けての備忘録はこちら
美しいB/Sと宇宙の法則
今回の第4講では1万名超の税理士集団・TKC全国会の会長を務められており、その業界では知らない人がいないと言われるほどご高名の山下先生による「VUCA時代を乗り越える会計・財務戦略」をテーマに財務面から見るまさに企業の在り方についてお話を頂きました。決算書は社長の通信簿と言われますが、単年での収支決算で良かった悪かったと一喜一憂するのではなく、決算書は毎年積み重ねて利益も欠損も引き継がれていきます。それを俯瞰することで見えるのはまさに経営者の事業に対する姿勢と在り方であるとの見解には諸手を挙げて同意しました。そして、「経営」の文字を紐解いて筋道を辿る、経糸を紡ぐ状態を拵える、整える活動(Do)であり、あるべき姿が整っている(Be)のを図るのが会計である。との持論を展開されました。また、美しいB/S(バランスシート)を意識して経営すると自然の調和、宇宙の法則に則った経営になるとも断言されました。美しい決算書という概念を初めて耳にして衝撃を受けたと同時に、それを作る、整えるのこそ、経営者の在り方であるということだと理解しました。
PMVVI
在り方塾の最後に登壇頂いたのは経営実践研究会のアドバイザーの中でも非常に懇意に頂いており、普段から良く会合に足を運んで下さる上島社長で、日本の若手経営者のトップとしてJCI(日本青年会議所)の会頭時代に世界を飛び回った経験を元に、地球規模の視点を持つ人生観や価値観についての在り方について示唆を頂きました。また、コーヒーの文化が日本に入って来る前からコーヒー文化の普及を確信してご商売をされてきた先見的な視点も含めて、植物の持つ自然の摂理を説かれ、グローバルなどと言う言葉が陳腐に思えるスケールで経営者の在り方を示されました。PMVVI(purpose、mission、vision、value、Impact)の視点を明確にするのがリーダーとして大事なことだとの原則論をご自身の体験だけではなく、世界観、パラダイムから解き明かして頂けたのは非常に分かりやすく、経営者の在り方も難しく考えることなんかない、とのメッセージを頂けたように感じました。お二人からの貴重な言葉を深く受け止め実業に活かさなければと襟を正しました。深く御礼申し上げます。
美しい構造を探究する旅
そんな在り方塾での余韻を若干引きずりながら、翌日は国立近代美術館で開催されていて東京出張のついでに必ず行こうと決めていたガウディ展に足を向けました。人生の全てを賭けても完成を見ることができない、建築というにはあまりにも崇高な仕事をなしたガウディー展で出会った言葉に「美しい形は構造的に安定している。 構造は自然から学ばなければならない。」というものがあり、在り方塾での山下先生と上島社長の言葉がそのまま重なりました。
「在り方」とは非常に抽象的で掴みにくい、しかし人として生きる上で最も重要な概念だと思っています。それを哲学や信念を持って突き詰めていくと、結果とした構造的に美しい経営、自然の摂理や宇宙の法則に則ったカタチに整っていくのだとの示唆は非常に深く、腹の奥にドスンと何かが落ちたような感覚を覚えました。経営とは構造であり、在り方とはその美しさを探究なのだと改めて再定義する機会を頂けました。自分なりの美しい構造を探究する旅を続けて行こうと胸に刻み込みました。貴重な機会を頂けたご縁に心から感謝します。
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在り方の探究を軸に建築現場実務者の育成とサポートを行っています。
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