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SDGsで明らかにするビジョンとパーパス

毎年11月の終盤に、私も理事の末席に籍を置くNPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会の更新研修会が開催されます。この非営利団体は地域に安心して住宅の改修、維持保全が出来る環境づくりを目指す非常に生真面目な団体で、有志の工務店、リフォーム事業者、及びメーカーや商社などの関連会社が集まって毎月活発な活動を行っています。どのくらい生真面目かというと、兵庫県の住宅改修事業所登録よりも厳しい審査基準を設けている上に、毎年、最新の情報を取り入れ、学び、事業に反映させる更新研修会への参加が必須となっており、欠席の場合、参加資格を失効して除籍になってしまうほどです。建設系の団体ではあり得ない厳しさです。
そんな同NPOの今年の研修のメインテーマはSDGsについて。ローカルビジネス、地域のインフラの整備と保全に取り組んでいる事業者の集まりなので、存在自体がSDGsに沿っているのですが、日本だけではなく世界の関心の高まり受けて、改めて考えて見ようという試みでした。

先進的事業者からの情報シェア

今回の研修では私の旧知であり、(私の知る限り)工務店業界で最も早くからきっちりとSDGsに取り組まれ、その目標設定を事業の中に落とし込み、実践されている岐阜のひだまりほーむの石橋常行社長を講師に迎え、自社での取り組みとその成果についてご披露頂きました。また、社内で持続可能な社会にするための目標設定をする際に使われたワークシート等も公開、共有頂くなど非常に実践的な内容でご講義を頂きました。ひだまりほーむさんのSDGsへの取り組みは以下のリンクから、非常に参考にさせて頂きました。先進的な取り組みをされている事業者さんからシェア頂く情報は本当に貴重で、石橋社長には心から感謝するばかりです。

やってきたこととやること

石橋社長のSDGsのお話の中で最も印象に残ったのは、持続可能な社会へのシフトを社内で考えることを通して、ビジョンとパーパスを明らかに出来るし、する必要があるとの一節でした。地域に根差す建築系の事業者はその存在自体が社会の循環に寄与しているものであり、今現在行っている事業を当てはめてみるだけでSDGsの17の目標に多くに対して既に取り組んでいるはずで、SDGsを考えるには、これまで行ってきた事業を振り返り、まとめてみるだけで簡単に半分は出来上がると言われました。私も以前から全くその通りだと思っていたし、だからこそ、トレンドのように取り上げられがちなSDGsに正面からコミットメントするのがなんとなく気恥ずかしいというか、今更感みたいな感情がありました。しかし、SDGsの本質はそれぞれの事業者が循環型社会に移行するための目標値を定め計画的にそれを推し進めることであり、やってきたこととは別にこれからやることを明確にしなければ意味や意義が半減してしまいます。

パーパスから始めよう

これからどうするか?との問いはビジョンとして明らかにされます。そして、本当に大事なのは何をやるかではなく、なぜやるか。SDGsの目標設定の話のなかでビジョンよりもパーパス(目的、意図、存在意義)をまず整理してから社内での話合いを進めるべきとのお話がありました。その原理原則論が石橋社長の口から出てきたのには、原理論者の私としては非常にうれしく感じると共に、その根本的な概念をNPO法人のメンバーと共有出来たのは、石橋社長に講師をお願いした私の意図を汲んで頂いたのを感じて講師の招聘担当として最高の人選ができたと大いに喜びました。

未来に継ぐことこそが目的だ!

人の喜び、快楽を本能的なモノから理性的な幸せを感じる感情へと分類すると、その頂点には人への貢献があると言われています。あらゆる事業、あらゆる人に対して「なんのために?」との問いを突き詰めていくと、初めは自分が生きる、家族を養えるなど、最低限の生理的欲求を満たすためになりますが、自分たちだけが良ければ良いのではない、最終的には世のため、人のためになって喜ばれたい、と思うのは社会生活を送る万国共通の人間の性であり、未来を担う人たちに少しでも良い環境を整えて継ぎたいと感じるのはごく自然なことです。その意味でSDGsの意味と意義は(各論は賛否両論あったとしても)総論として誰しもが受け入れ、取り組むべきだと考える重要なものだと考えています。今回の絶好の機会にNPO のメンバーも団体自体も改めてバーパスを明らかにして、持続可能な社会の実現に向けての役割を明確にして、具体的な目標設定を定める取り組みを進めることにしました。石橋社長、この度は本当にお世話になりました深く感謝いたします。

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創業以来、自立循環型ビジネスモデルの構築を目指して活動しています。


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