見出し画像

行動と計画 〜全ての課題を解決する唯一無二の考え方〜

一般社団法人職人起業塾では現在、神戸で第18期の研修を行っています。半年間の長きに渡り建築現場に携わる実務者が主体的に課題解決に取り組む実践研修もそろそろ終盤、昨日は塾生たちがそれぞれの立場で課題解決に取り組むアクションプランの進捗を発表し、目標達成した者はブラッシュアップを、うまくいかなかったものは計画の変更、軌道修正を行う検証の時間を持ちました。

当たり前を実行するのが最も難しい

私が主催する職人起業塾の研修の中で最も重要視しているのが「当たり前のことを当たり前にやり切る」との、何の変哲もない基本原則です。そしてその概念を実践に落とし込むのは(ありきたりに過ぎますが、)計画と行動で、塾生たちには建築業の本分である現場での価値創造とそれを起点にした顧客の獲得こそが持続可能な循環型ビジネスモデルを構築するとの視点で現場での課題解決に対するプランとアクションを考え、実践してもらっています。ただ、当たり前のことに対して真剣に取り組むのは(当たり前すぎて)思いの外難しいもので、アクションプラン(行動と計画)を立てて実践するだけの簡単そうに思えることがなかなか思う通りに出来ない現実が塾生の前にどっかりと横たわっています。

全てを解決する唯一無二の方法論

今回も「行動と計画をなめるなよ、」と耳にタコができるのではないかと言うくらい、しつこく、繰り返し、実現可能で目標達成した時の鮮明なイメージが持てる綿密な計画を立てること。そして、自分自身で進捗を管理して計画に沿う行動を繰り返す重要さを伝えました。
「よく考えてくれ、現場実務者の君達が計画を立てて、それを計画通りに実践出来ればどんな良いことがある?」
そんな私の問いに対しての塾生達の回答は
「工期が守れる様になります。」
「実行予算通りに施工が出来ます。」
「クレームが無くなります。」「お客さんや業者さんとの信頼関係が生まれます。」
「予定通りの売り上げが上がる様になります。」
「会社が儲かり給料が上がります。」
「若者がこの仕事をやりたいと思ってくれる様になります。」
「リピートや紹介が増えて未来の売り上げが見込める様になります。」
等々、私達建築業界が抱えるありとあらゆる問題が全て解消すると答えていました。当たり前過ぎる取り組みの唯一無二とも言える重要性に気付いてくれたと思います。

鍵は精密さと熱さ

非常にシンプルで単純な理屈でこれまで悩んできた全てが解決すると言われてもピンと来ないと思いますが、実は全ての課題を解決する「行動と計画」には誰もが気づいていない秘密があります。それは、実践するには精密な計画立案が必要であるのと、本当に課題解決をしたいし、するのだとの強い決意と覚悟、そのモチベーションの根源になる「目的」を持っているかです。また、計画とは時間軸を表すもので、短期で解決できる事と中長期の時間を有する課題が存在する以上、足元と未来に向けての複数の計画を立てる必要があります。目まぐるしく情勢が変わる今の世の中で、長年に渡り行動を継続し続けるのは決して簡単ではありません。実際、私が代表を務めている建築事業、つむぎ建築舎でも創業から計画と実践を繰り返して来ましたが残念ながら20年経った今でも未だ解決出来ていない課題、問題があるのが事実です。

塾生達が持つ無限の可能性

一般社団法人職人起業塾の研修では半年に渡り、現場実務者である塾生達に原理原則に基づいた古典的なマーケティング理論を元に、現場から信頼をベースにした持続可能なビジネスモデル構築を叶えるアクションプランを実践してもらうのが研修の目標であり、研修中に計画、実践、検証、修正を繰り返して実践の練習を行っています。卒塾する際には研修の終わりは実務のスタートだと、最終のアクションプランを練り上げ送り出すようにしています。経営者ではなく、建築現場で働く末端の実務者が主体的に現場での課題解決に取り組み、計画を立ててそれらを解消していくボトムアップ式の改革こそが現場で生み出す価値を高め、そこで働く職人達の地位を向上させます。職人不足、大手ハウスメーカーの寡占と地域工務店の衰退、顧客からのクレーム、ストック型ビジネスに移行できずに膨大な宣伝広告費を掛けなければ受注できない、街のインフラを守る担い手が消えつつある現在の建築業会の問題、課題は、細かな計画を立てる、強い目的意識を持って行動の選択をする、それだけを彼らが習得してくれるだけで彼らが全て解決してくれる。そして彼らにはその才能が有ると私は信じています。

______________

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?