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想いを叶える信頼の力とその4つの核

昨日のnoteに事業を行うには「自分だけが良ければ良い、自社が儲かればそれで良い」と言った利己的な考え方ではなく、世界をもっと良くしたい、次の世代に良い環境を残したい。と言った良き意図、想いがなければ人からの支持を得ることはできず、私自身も応援したくもない。と言うようなことを書きました。noteを書きながら、それって要するに信頼性のことだよな。と思いあたり、以下にもう少し書き進めたいと思います。

スピード・オブ・トラスト

世界で最もよく読まれた自己啓発の書であり、原理原則論の実践者にとってのバイブルと言われる「7つの習慣」を上梓されたスティーブン・R・コビー博士の息子、スティーブン・M・R・コビーが、偉大すぎる父親の遺志を継ぐかたちで「スピードオブトラスト」と言う本を著されています。信頼こそがすべてのスピードを上げる。との考え方に基づき、信頼構築に注力した企業や人が圧倒的な成果をスピーディーに手にされた事例を延々と綴られた書籍です。昨日のnoteを書いている際にその本を思い出して、想いがなければ何も始まらないが、思いがあるだけではどんな事業も持続することができないと言うのは、結局、クライアントやステークホルダーからの信頼を勝ち取れるかどうかにかかっていると思ったのです。

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信頼の4つの核

私が主宰する研修事業、職人起業塾では職人をはじめとする実務者が主体性を発揮して個々の才能を開花させる事で未来の売り上げ、利益を創出する事が出来る、とのタレンティズの考え方を元に、それを仕組み化、組織内で幅広く浸透させることで持続可能な循環型ビジネスモデルの構築を目指しています。そして、講座の中でその才能の具現化は信頼とそれを元にした影響力の拡大によって現れると言い続けています。
信頼とはあまりにもよく耳にする、しかしぼんやりとした実態のないものだと思われがちですが、コヴィー博士によると、4つの核によって成り立っており、それらがすべて叶った時、大きな信頼を得られる人になれると言われており、その4つの核とは「誠実」「意図」「力量」「結果」を指しています。何かしらの事業が持続的に成果を上げるにはまず想いが重要で、しかし、想いだけでは継続できない、それを実現するための具体的な概念が明確にここに表されています。

誠実さ

誠実さとは、主体性と一貫性を持って行動しているか?との問いに集約されます。私は、まず自分に対しての誠実さがその基本にあると思っており、自分自身で決めた自分との約束を守ることが出来る「分かっている」を「出来ている」の状態に移行できる者こそ誠実な人だと言えると思っています。人はつい、他人との約束は守りますが、自分との約束を誰にも迷惑をかけないと考えて反故にしがちです。しかし、職業人としての力量を身につけるには、学習や技術の研鑽等、自分の能力を高める習慣を持つ必要があります。他者に貢献するには貢献するだけの力量が必要であり、それは誠実な人にしか備わることはありません。不誠実な人に人間としての成長もなければ、プロフェッショナルとしての信頼が集まるわけがないのです。

意図

意図は昨日からのnoteに繰り返し書いている想いのことで、悪しき意図を持つ者に人は集まらず、当然、お金も逃げてしまいます。よく言われる「今だけ、金だけ、自分だけ」が良ければそれでいいのだとの商売観の人には誰も仕事を頼みたいと思わないし、一緒に働きたいとも思いません。しかし、実際は長きにわたる強欲資本主義に染まり続けた今の世界では、人としてあるまじき姿勢、「今だけ思考」が実はスタンダードであるかのような錯覚に陥ってしまっている感があります。ヨーロッパでは意図あるお金が集まり始めた。と言われるように、ソーシャルバンクと呼ばれる、環境問題や社会問題の解決に取り組む、良き意図を持った事業に限定して融資を行う金融機関が多くの人達から支持を集め大きな資本を持つ様になりました。現在の日本とは大きな意識の差を感じますが、それがスタンダードになりつつあります。ESG投資にしても日本の大手金融機関では全くと言っても過言でないほど、見向きもされていないのが現状で、その意識の低さに私は大いに危機感を感じています。

力量

どんな良き意図を持っていてもそれを叶える力量を備えていないと、想いはすべて絵に描いた餅であり、机上の空論になっていまします。理想を現実にかえるにはそれ相応の力量が必要であり、これは大まか習慣の力を使えれば誰にでも必要なだけ身につけることが出来ます。人はすぐに現在の自分の力量を鑑みて、無理だ、出来ないと悲観してしまいがちですが、力量は一定の時間をかけて習慣を実践して影響力を強める事に他なりません。それで培われる知識と経験のことです。例えば、現場で汗を流す大工が一級建築士の資格を取得して現場で良き意図を持って顧客にアドバイスや提案を行うと、圧倒的な影響力を発揮します。それこそ、次々と仕事を紹介される人気者になるのは間違いありませんし、そんな職人ばかりが集まった会社は言わずもがなです。そして、建築士の資格は3年から5年程度、毎日コツコツ勉強を積み重なれば大工として実務を行っている者ならなら必ず取得できます。未来のイメージを持つことが出来れば、力量は必ず身につくのです。

結果

良き意図を持って、誠実に自分との約束を守りきることで力量を身に付ける努力を続ける。そのようなプロセスを含め、形として見えるようになったモノが結果となります。想いがあれば力量が低くともそれ相応の貢献は出来ますし、それが時間と共に加速して行けば、圧倒的な結果に繋がります。建築の事業で考えれば、ただ単に多くの集客があり順調に売り上げや利益を挙げられると言うことではなく、これまで施工をしてきた顧客の一人ひとりに喜んでもらい、アフターフォローを通して繋がり続け、固い信頼関係を構築する中で、是非とも御社にお願いしたいとリピートや紹介での特命の受注をどれぐらいの割合まで増やすことができるかが、事業を行ってきた結果だと考えます。本当の意味の結果とは、瞬間的な評価ではなく、長い時間、期待を裏切らない成果を積み重ねてきた中で熟成される多くの人からの信頼を集めた状態のことを指すと思うのです。

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信頼がもたらすのはスピードと持続性

以上の信頼の4つの核を明確に意識し続けて、事業に向き合うことで、時間の経過と共に想いを形にすることが可能になってきます。実際に、私が代表を務める株式会社四方継では10年以上の長きに渡って、一切の宣伝広告を行うことなく、紹介とリピーターによる受注で事業を継続してきましたし、それは毎年、加速しています。もう少しで持続可能なビジネスモデルを作り上げられると自信を持てる様になりましたし、その裏付けがあってこそ、スタッフに対して事業継承の取り組みを始めました。「信頼こそすべて」とは手垢がつきまくった陳腐に聞こえる耳なれた言葉ではありますが、信頼は事業に限らずあらゆるもののスピードを上げるのと同時に、持続可能性を生み出す、唯一無二の真実であり、そこ(信頼を担う人)にこそ経営資源を集中させるべきだと思うのです。企業は人なり、とは、企業は信頼できる人なりだと思うのです。

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実務者の信頼性を高める研修事業行っています。

https://www.shokunin-kigyoujyuku.com


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