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座右の銘の力

私が世話人として参画している共感資本社会、CSV経営を学び、実践する研究会である経営実践研究会では最近急激に会員が増加、大阪、東京等の大都市だけではなく全国の各都市で組織づくりが進んでおり、頻繁に勉強会が開かれています。この度、古都奈良で初めて志学会なる勉強会が開催され、私も参加してきました。

志学会@奈良

美容業界のスタンダードを変える女

記念すべき第一回目の志学会の登壇者は美容業界にアイブロウなる新たなジャンルを確立され、全国どころか世界にまでその新しい文化を広める活動を行われている女性起業家として非常に有名な福森社長でした。業界のスタンダードを塗り変えるほどの卓越した活躍をされている同年代の経営者ということもあり私も深くリスペクトしています。福森社長のご講演は以前にも拝聴したことがありますが、今回は更に新たな視点を組み込まれつつ、人との出会いの大切さを改めて噛み締めずにはいられない実体験と実践に基づいたお話をされておられました。熱心に新たな学びの場に足を運ばれているのが伝わってきたのと同時に、私にも新たな気付きを頂きました。以前の福森社長の講演の模様についてはこちら、

天から降ってきた座右の銘

今回の福森社長の講演を聴いて私が特に印象に残ったのは彼女の座右の銘についての言及でした。「己を知り、己を活かし、己を生きる」とのシンプルかつオリジナリティー溢れる座右の銘は、ある日突然、天から降ってきたと言われていましたが、30年以上の経営者としての経験と綿々と繰り返してきた学びの集大成として在り方や考え方を概念として結晶化された言葉のように感じました。常に右に置いている言葉というよりも、福森社長の生き方そのものが言語化されたものだと思ったのです。

志学会@奈良

パタンランゲージとしての座右の銘

具体的な事例を概念化、抽象化することでパタンランゲージが進みます。意識的に行われているかはさておき、概念化による事象や経験の俯瞰は物事が上手く進んだことの再現性を高め、失敗を予防する効果があります。その意味では座右の銘とする概念的な言葉は経営者としての思考や選択、行動、実践に対してブレない基準を定めることに他ならず、経営者だけに限らず、誰もが常に座右の銘を持っていた方がいいと思っています。福森社長のそれは事業承継を進めるフェーズに入って尚、己の内面を探求し、潜在的なリソースを見出して、自分が信じる価値観に沿って行動を積み重ねると口にされたのであり、検索しても出てこない完全オリジナルの座右の銘に凄みさえ感じました。

最近の座右の銘事情

私が主宰している現場実務者向けの実践型ビジネススクールの職人起業塾の研修では、開講日の冒頭、自己紹介の際に参加している塾生全員に座右の銘を発表してもらっています。まだ20代〜30代の若い塾生には少しハードルが高いかな?と思いながら進めて来ましたが、最近は座右の銘を胸を張ってはっきりと述べる若者が増えて来ているように感じています。大事にする想いを持つ、もしくは答えの分かりにくい時代に合わせて自分なりの基準を持ちたいと思う気持ちの表れなのかも知れません。また、座右の銘と言うと四文字熟語や偉人の格言を引用しがちですが、最近の若者は自分の言葉で語ること、独自の世界観から右に置く言葉を考えて発表されることも増えています。答えのない時代、自分たちの頭で考えなければならないと感じているのかも知れませんが、とてもいい傾向で頼もしいと思いながら見ています。

ご縁を深める深夜までの懇親会

座右の銘の大きな力

その研修ではまず私の自己紹介を行うのですが、その際にはもちろん、私が常に意識している座右の銘を伝えています。ちなみにそれは「一期一会」で、茶の湯のお稽古に通う中で先生にご教示頂いてから、常に忘れることなく右に置く様にしている概念です。それは一瞬の出会いを一生のお付き合いになるようにご縁を紡ぐには、普段から不断の努力を積み重ねた者だけが機会を得られるとの教訓と、人とのご縁こそが人生を作って来たとの経験から一瞬の出会いを大切にしたいとの意思表示に他なりません。自分との約束を守る継続と習慣化、ご縁を大切にする他力本願は私の人生哲学と言っても過言ではありません。座右の銘として意識し続けることでそれがあらゆる選択に影響を与え、行動にそして結果に結びつけてくれると思うのです。

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