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美容室の社会課題解決モデル、女の本気

昨日、一般社団法人経営実践研究会主催の勉強会、「志学塾」に参加して来ました。同社団の藤岡会長と㈲ティーアールコーポレーション社の福森玲子社長の登壇はまさに経営実践研究と言うに相応しい講演でした。備忘録としてここに書き残しておきます。

素直で純粋の破壊力

福森社長は20代の若い頃から女性の社会進出を志し、藤岡会場に薫陶を受けて30年の学びと実践による成果を積み重ね、現在は眉形成市場のパイオニアとして日本全国はおろか、世界にその活躍の場を広げて志の実現、女性が活躍できる社会の実現に邁進されておられます。ご自身でも、自らのことを「素直で純粋」と評されておられましたが、先達の教えや言葉を正面から受け止めて自分の腹に落ちるまで長年にわたり愚直に実践されてきた内容は非常に素晴らしく、心を打たれました。正直、福森社長の話された内容は目からウロコの斬新な話は一切ありませんでした。しかし、大事にされてきた言葉の数々はどれも原理原則に則っており、当たり前のことを長い時間をかけて当たり前に出来る様に地道に積む重ねること、継続は力なりと言いますが、その破壊力を目の当たりにさせられた気がします。

志学会

心の在処こそが中心

彼女が大事にされてきた言葉の数々の中で最も印象に残ったのは、「人の心はどこにあるのか?」との藤岡会長がよく口にされる言葉です。ビジネスは結局、人と人のつながりでしかありえないことを考えれば、まず初めに人が求めていること、悩んでいること、恐れていること、目指していることを理解することに尽きるのかも知れません。しかし、商売や取引のシーンで人の心の在処を探し、それに寄り添った提案や問題解決の方法論、もしくは癒しを提供することを中心に考えて人に向き合うことは決して簡単ではありません。人は皆、自分の正義や都合を持っており、ついそれを中心に物事を考えてしまいがちです。相手の心を置き去りにしてメリットを訴え、デメリットで怖がらせてやりとりをしたところで、結局、そんな関係は長続きするはずもなく、関係性という大事な資産を消費してしまうことになってしまいます。
常に相手の心がどこにあるのか?との問いを持ち続け、それを言動に表出させるのは決して簡単ではありませんが、ビジネスにおける真理なのだと改めて感じた次第です。

売らずして売る極意

そんな姿勢を持ち続けた福森社長は若くして大きな財を築かれたとの事でした。その過程で、人の心の在処を模索する姿勢は一対一のコミュニケーションのみならず、多くの人を前にしても絶大な効果性を発揮したらしく、具体例として、女性向けの下着販売のセミナーに立って、商品の話を全くしないで女性の社会進出、女性が活躍する社会の実現を目指す志の話を延々とすることで、驚くほどの実績を挙げられたとの話がありました。表面的に聞くと単に販売手法に聞こえますが、人はそんなに馬鹿ではないことを鑑みれば、それは彼女が人の心に寄り添って、課題や悩みに真摯に向き合い、自分が目指す課題解決について志を熱く語った結果であり、共感された人が多くおられたのが成果に繋がったのだと感じました。ビジネスは在り方に始まり、在り方に終わる。私が二十年前に原理原則系マーケティング理論を学んだ際に何回も繰り返し耳にした考え方を福森社長は自然体で表現されていたのだと思うのです。

福森社長の著書

ビジネススタンダードが変わった

福森社長が十五年前に叶えたい夢だと語っていたことは全て現実になったと言います。それは、大きな富を手にしたいとか、地位や名声を得たいとかではなく、自分が出来る身の丈に合った事業を通して、真っ直ぐに世の中を良くしたいとの志です。それは、彼女が事業を通して行っている社会の課題解決が多くの人から支持を得て、応援され、喜ばれて受け入れられた結果なのだと思います。経営実践研究会での学びを通して私が得た確信は、マーケティングの時代は終わり、共感を積み重ねる循環型ビジネスモデルこそがこれからのマーケットの中心に躍り出て、それがスタンダードになるということでした。先日の琉球アスティーダの早川社長や、日本で一番大切にしたい会社の大賞を受賞されたカムラック社の賀村社長の事例と同じように、福森社長が行っておられるのは間違いなく「社会課題解決型モデル」であり、私の確信をさらに高めてくれるお話でした。世のため、人のために一生懸命事業に取り組む事業者が認められ、応援される時代がやってきたのだと改めて感じさせて貰った次第です。ご縁に心から感謝します。素晴らしいお話をありがとうございました。深謝。

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建築業界が抱える課題の根本解決を目指して活動しています。


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