「食育を無料にすれば人は集まる」そんなこと誰か、言いましたか?
食育イノベーターにはいろんな方がいます。
食育を「日々の食事」に活かしている人
食育を「活動」としている人
食育を「仕事」としている人
食育を「研究対象」としている人
などなど。
今回はこのうち、「活動」「仕事」に関して、気になっていることを書きます。
食育も人集めが肝心。
「活動」にせよ「仕事」にせよ、
たとえば何らかの食育イベントをするなら、参加者が多いほうがよいでしょう。
たとえば食の勉強会のようなことをするにしても、参加者が多いほうが嬉しいでしょう。
たとえば食の情報発信をするにしても、読んでくれる人が多いに越したことはありませんね。
また、
「仕事」の場合、参加者が多ければ収益が生まれるし、それを次の仕事の経費としても使えます。
「活動」の場合、参加者が多ければモチベーションが上がりますし、それが次の活動の原動力にもなります。
そういう意味では、「活動」の場合でも「仕事」の場合でも、
人集め(集客)
は避けて通れない重要な課題になります。
避けて通れないなら、前向きに楽しんで取り組むべき課題だとも言えますね。
無料は売りにならない。そのままでは。
その「人集め(集客)」ですが、食育に関わっている人のなかに
「イベントやセミナーの参加費を無料にすれば人は集まるよね。だって無料なんだもん」
と脳天気に考えている人がけっこう多い。
これがとても、気になっています。
「イベントやセミナーの参加費を無料にすれば人は集まるよね。だって無料なんだもん」
いえいえ、実際にはそんな単純ではありません。
無料のイベントやセミナーをやったのに人があまり来なかった、という経験をしている人はものすごく多いはず。
じつは、無料を売りにして人を集めるのは容易ではありません。
ある意味、有料よりも難しいかも。
無料のイベントやセミナーといえども、それにリアルで参加するためには
出かける準備をする(服装など)
間に合う時間に家を出る
会場まで移動する
といった面倒をこなさなければならず、これはある意味、参加者のコストになります。
オンラインのイベントやセミナーもそうです。
それに参加するには
PC、スマホやタブレットなどを用意する
ZOOMを開く
映る場合、上半身だけでも服装を整える
その時間のあいだ、席を立てない
といった面倒をこなさなければならず、これも参加者にとってはコスト。
参加者は
イベントやセミナーの期待度
こうした細かな面倒
を、無意識に天秤にかけます。
無料のイベントやセミナーの期待度はもともとあまり高くないことが多いので、
面倒>期待度
となりやすい。
そんなときに他の用事ができたりすると、あっさり参加を取りやめます。
イベント当日やセミナー当日になると、面倒をよけい大きく感じることが多く、
面倒>>>期待度
となった結果、いわゆるドタキャンにもなりやすい。
「面倒だからパスしていいかな。どうせタダだし」
ということになります。
ようするに参加費が無料の場合、さまざまな「面倒」が参加者の心の中でコストとしてクローズアップされます。
奇妙なことに、こうした現象(=「面倒」がコストになる)が起きるのは無料の場合だけだといいます。
有料の場合、参加者は単純に
参加費用
イベントやセミナーの期待度
とを比較し、ペイすると思えば参加します。
面倒はコストに算入されません。
無料にも知恵が必要だ。
というわけで、もし、食育イノベーターであるあなたが
「イベントやセミナーの参加費を無料にすれば人は集まるよね。だって無料なんだもん」
と思っているとしたら、それは無料というものを「なめています」。
無料はけっこう難しいのです。
ビジネスの世界でも「無料」はよく使われますが、
「単純な無料では人は集まらない」
が共通認識となっています。
みんな、いろいろ苦労しているようですよ。
食育は、基本「正しい」ことではあるし、世のため人のために役に立つものです。
しかし、だからといって、あなたの努力を無料でばらまくのは賛成しかねます。
いや、だからこそ、無料にすべきではありません。
食育の世界の外では、「世のため人のために役に立つもの」は、有料になるのがふつうです。
なのに食育の世界の中では、安直に無料にする人が多いのです。
それがどうも不思議でならないというか、我慢がならないというか、見ててもどかしい気持ちになります。
すみません、熱くなってしまいました。
百歩ゆずって無料で食育をするのなら、
ちゃんと人が集まるように「無料を上手に企画する」
ことを強くおすすめします。
無料にも知恵が必要。
筆者は無料の難しさを強調したいのではありません。
安易に無料に走る傾向を止め、もっと考えようよ、と言いたいのが今回の主旨です。
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