見出し画像

「タテ野菜」と「ヨコ野菜」。どっちを食べる?

タテとヨコ

年配の人のなかには、

  • 和食のことを「タテメシ」

  • 洋食のことを「ヨコメシ」

という人がいます。
日本語はタテ書きにすることが多く、アルファベットを使う国の言葉はヨコ書きになっているところから、来ている表現です。

ところで、野菜にも「タテ野菜」「ヨコ野菜」があるのをご存じですか?
いや、ご存じのわけ、ありませんね。
そんなものは、まだありません。
ひっかけ問題みたいですみませんでした。

ですが、将来、ほんとうに「タテ野菜」「ヨコ野菜」という区別が生まれるかもしれません。

タテ農業とヨコ農業

高層ビルの立ち並ぶ都会。
そんな都会が「垂直農業」により、未来、農産物の大生産地に変貌する可能性があります。

垂直農業とは、

  • ビルの各フロアで野菜を育てる

  • ビルの屋上を農園にする

などの形で、ビルなどを活用した農業を営むこと。
「屋上菜園(屋上緑化)」という言葉もよく使われますが、その屋上菜園も含め、各階のベランダ、ビルの傾斜面などを菜園化し、農業生産を行う。
それが垂直農業です。
屋上農園(屋上緑化)は「垂直農業」の一種です。

垂直農業を行う高層ビルが増えれば、都会が農産物の立派な生産地になります。
高層ビルがまるまる垂直農業に使われる場合もあるでしょうし、

  • 低層階:店舗やオフィス

  • 中層階:居住用

  • 上層階および屋上:農業

といった分散型も考えられます。

徐々に進むタテ農業

垂直農業には、

  • 都会という狭い土地を食糧生産のために上手に使う

  • そのこと自体が、地産地消になる

  • 虫などがあまり入ってこないため、農薬の必要量が激減する

  • 温度が安定しており管理しやすいため、ビニールハウスに比べてエネルギーの消費が圧倒的に少ない

というメリットがあります。

シンガポールのように国全体が都市国家となっているところでは、垂直農業を活用した食糧生産が本格的に始まっています。

シンガポールにかぎらず、スーパーマーケットの中に
「野菜工場」
が設置され、来店客が直接、野菜工場の野菜を摘んで買う、という動きも世界各地でちらほら見られます。

タテヨコ農業の未来

垂直農業が普及したあかつきには、もしかすると

  • ビルの中や屋上で生産されたもの(垂直農業):「タテ」「↑」

  • 田んぼや畑で育ったもの(露地栽培やハウス栽培):「ヨコ」「→」

そんな呼びかたが流行るかもしれません。
そなったら面白いなと、勝手に想像しています。

八百屋さんでの会話
「今日はなにが美味しいのかしら」
「今日ね、キュウリはタテがうまいね。ナスはヨコのいいのがありますよ」

スーパーマーケットでの表示
「レタス(↑)200円」
「キャベツ(→)150円」

みたいな。

最初のうちは垂直農業は珍しいですから、値段も「タテもの(↑)」のほうが高いでしょう。
ただし垂直農業が広がってこっちのほうが普通になったら、露地栽培やハウス栽培のほうが貴重とされ、「ヨコもの(→)」が高値で売られるようになるかもしれません。



あなたも食育イノベーターになってともに食育を盛り上げませんか。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?