マガジンのカバー画像

N氏の食育

25
食育をネタにしたショートストーリーや、「食育おばさん」に叱られそうな記事をまとめています。よい子はご両親の許可をもらってから読んでね。
運営しているクリエイター

2022年6月の記事一覧

【日本昔ばなし食農編】イナゴ相手にわざわざ訴訟を起こした村の顛末 :-)

イナゴを召喚す400年とすこし前。 織田信長が生きていた時代の終わりごろ。 九州に、キリスト教の村がありました。 フランシスコ・ザビエル率いるイエズス会の宣教師たちが、布教に成功していたのです。 ある年のこと。 イナゴの大群が発生し、稲を食いつくしそうになっていました。 怒った村人たちは、宣教師に相談しました。 宣教師は言いました。 「イナゴを裁判にかけましょう」 「は?」 「イナゴを裁判にかけ、神の裁きを受けさせるのです。ヨーロッパでは時々やっていますよ」 「イナゴの裁

有機ある行動ができなかったスーパーマーケット店員の一言 :-)

むかしむかし。 アメリカのとある片田舎に、小綺麗な「地産地消」スーパーがありました。 その店での、ある日のできごとです。 一般にアメリカの食品店は、日本のスーパーと違ってあまり頻繁に内装をリニューアルしません。 だいたい、いつ来ても同じレイアウトです。 ところがこの地産地消ショップは、しきりに内装を新しくしていました(※)。 レイアウトがころころ変わるため、目当ての品物を見つけるのにかなり戸惑ったりしますが、時間があるときは探す楽しみもあったりします。 「分かりにくくて不

ある食育カップルが天国で夫婦喧嘩を始めたわけ :-)

むかしむかし。 あるところに、長生き夫婦がいました。 ともに90歳ちかくになっても頭脳明晰、視力聴力どちらも問題なし。 体もいたって健康でピンピンしていました。 しかし、ある日、ジョギング中に交通事故にまきこまれ、二人とも亡くなってしまいました。 ∞ 2人がハッと気がつくと、そこは美しい海のほとり。 目の前に神様が立っていました。 「よく来たな。待っていたぞ。ほれ、天国の永住カードじゃ。スマホも用意しておいた」 神様は2人にカードとスマホを渡しながら、こう続けました

全国160万人の「食育おばさん」に花束を :-)

食育活動にせっせと情熱を傾けている人々には、いろんな人がいるが、そのなかには、 …的な感じの人もいれば、 …みたいな感じの人もいる。 (ちょうどいい感じの絵がみつからず、少々デフォルメしている点はお許しいただきたい) 後者の人たちのことを、食育総研では愛とリスペクトをこめて 「食育おばさん」 と形容している。 どちらかというと前者(食育おねいさん)のほうにスポットライトが当たりやすいのが世の摂理かもしれない。 だが、多様性(ダイバーシティ)が叫ばれる現代、後者の「食