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2019年のおせち、振り返りの記録(3)

すっかり日常が戻ってきてしまいましたが、おせちの覚書、最後の3段目です。(タイミング…)

ローストビーフ
一応目玉メニューのつもりでしたが、ちょっと筋のあるお肉でした……。残念。牛肉選びは、やはり難しいです!
塊肉を慎重に焼く作業は割と好きで、普段だったら、敢えてフライパンでじわじわと火を入れたりするのですが、今回は品数が多いこともあったので、オーブンを使いました。段々と膨らんでくるお肉を見つめ続ける楽しさはないですが、一つの料理でも、複数のアプローチを知っておくと、条件が変わっても対応できるようになるので、まあ、いわば、これも経験です。

モッツアレラの味噌漬けとオリーブ
おつまみ的メニュー。友だちの家でごちそうになったのでとても美味しかったので、そのままアイデアを拝借しました。
オリーブは国産の塩漬け。成城石井で見つけたのですが、海外産のに比べて、あっさりとしていて、とても美味しかったです。

チャーシュー
一度茹でてから、タレに漬け込んでオーブンで焼きました。
これも、塊肉の掟!茹でる時は、とにかく弱火でゆっくり火を通す。もはや執念ですねが、こちらは、納得の仕上がりになりました。

紅くるりとうずら卵のピクルス
鮮やかな紅色が可愛らしくて、箸休めにもなる一品。卵は、輪切りにしてもかわいいです。

百合根のオムレツ
スペインオムレツの要領で作ります。百合根をびっしり入れたので、ホクホクした楽しい食感になりました。

大根、里芋、人参の白胡椒煮
特におせち向けというわけではないのですが、家人もお気に入りなので入れました。すべての材料の大きさを揃えて、ひたすら蒸し煮にするだけなのですが、根菜のうまみをお互いに吸いあって、とても美味しいおかず。白胡椒と、ほんの少しだけ入れるパクチーの茎が劇的にいい仕事をします。

金柑大根
柚子大根の金柑バージョン。金柑だと、柑橘の甘みまで味わえるのと、黄色の面積が大きくて華やかになるのもいいです。

京芋(たけのこ芋)の煮しめ
ただシンプルに、煮染めたもの。二番目のお重の煮しめとは、少し味付けを変えています。いろいろな具材が入った煮しめの華やかさに対して、こちらは、じっくりとお芋の食感を楽しむタイプ。ボリュームがありつつも、箸休め的役割を担ってくれました。

お重を詰め終わったら、彩りの千両などを飾って完成です。
例年のことですが、お重に詰める作業というのは、楽しいのですが予想以上に時間がかかります。余裕を持って段取りする必要がありますね。
今回は、張り切って詰め込みすぎたみたいで、お重を重ねることができず、会場の母の家まで、皆で1段ずつ持って行進していくことになりました。運んでくれた甥っ子ちゃんたち、ありがとう。

私のおせちは、伝統的な要素は少ないのですが、自分なりに、お正月の特別さを提供できたらなあということは考えています。お肉の豪華さに歓び、昔ながらのお煮しめを味わい、見た目の華やかさを楽しみながら、しみじみした静かな旨味で心を整える。
作る側に立ったときにも、日持ちの工夫や、いつもは飛ばしてしまう手順の再認識、制約がある中でのバリエーションの付け方など、それぞれの料理にやるべき、学ぶべき意味合いを感じます。
SNS上では、おせちが好きか嫌いか、必要か不要か、というような議論も見かけましたが、それはきっと、「伝統的な」おせちの形を、外側から捉えた見方でしょう。
「その意味をどう咀嚼するか」という風に、既にあるものを自分の内側から捉え直す遊びもまた楽しいものです。
そして、食べる人には、ただ美味しい嬉しいという記憶が残ってくれたらそれが一番だとも、思っています。
今年も、お重の底が見えるまで食べてもらえて、感謝のお正月です。

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